これから海外旅行に行こうと思っているなら、スリ対策は必須です。「荷物が入る大きさかどうか」という視点だけでバッグ、カバン、リュック選びをしてはいませんか?もし、見た目のデザインや容量しか考えていなかったという人は、この記事を読んで自分の持ち物を守れるのかどうか、今いちど考え直してみましょう。
「でも、ローマやマドリードに行くわけでもないし、よほど不運じゃない限り大丈夫じゃない?」とお思いかもしれません。残念なことに、近年では以前のように「スリに遭いやすい地域」だけ特に気を付けているのでは安全とは言えなくなっています。
実際、過去数年でロンドンなど大都市だけでなく、安全なイメージのあった島国のマルタなどでもスリによる被害が何倍にも増えていることが分かっています。ですから、どこへ行くにしても、スリの被害者にならないような対策が欠かせないのです。
それでは、海外旅行でスリに遭わない方法と最適なバッグに必要な要素について、順番に見ていきましょう!
海外旅行でスリを回避する方法
1.隠しポケットのある服を着る
スリの手口は様々ですが、大抵は注意を逸らしているうちに「外ポケットやカバンを開けてすぐ届く場所にある貴重品」を取っていくようです。そこで、通常の外側についているポケットではなく、コートや服の内側などに隠しポケットがあると予想以上にスリ対策になります。例えば、海外の旅行用ブランドになりますが8つも隠しポケットがあるズボンやポケットだらけのパーカーなどは見た目にも貴重品を持ち歩いているようには見えず安全ですよね。もしここまで本格的なスリ対策の服に投資したくないという時は、隠しポケットの代わりにジッパーポケットのある服の上にもう一枚重ね着して守るのも有効です。
2. スリに対する固定観念を捨てる
スリと聞くと、つい「怪しい見た目の人」を警戒してしまうかもしれません。ですが、実際には幼いこども達であったり、若い女性のグループであったり、身なりの整った子連れの人だったりもします。子供たちに話しかけられたり地下鉄で赤ちゃんと隣り合わせになると気が緩みがちですが、相手によらず常に持ち物に注意を払うだけでもスリを避けられることを覚えておきましょう。
3. 貴重品を安易に持ち歩かない
旅行中もハンドバッグの中身をいちいち整理せずに持ち歩く人を見ますが、これはスリ対策の観点から言って危険です。もちろんスリに備えた持ち歩き方をすることは鉄則ですが、そもそも安易に貴重品を持ち歩かなければ取られることもありません。海外旅行の持ち物が多いほど目が行き届かなくなるので、最低限のものに絞って注意を払いながら過ごすのが良いでしょう。必要ないものは自宅に置いて出るか、旅行先に持って行くとしても利用しない時間はセキュリティボックスに入れておくなどの対策を取ります
4. 全ての貴重品に保険をかけておく
日本でもよくラップトップやカメラを持ち歩いているひとは、旅行先にもその感覚で持って行くかもしれません。ですが、この場合にはしっかり保険をかけて行くようにしたいもの。海外旅行の保険というと怪我や病気の保障を付けて安心しがちですが、持ち物も万が一のスリに備えて対策しておく必要があります。
5. 重要書類をコピーしておく
旅行に関する書類で重要なものはコピーを取っておき、更に電子データとしてスマートフォンなどに保存しておきましょう。例えばパスポート、海外旅行保険、各種の連絡先、フライトの詳細などです。またパスポートは原本を持ち歩かず安全なセキュリティボックスに入れておき、コピーを持ち歩く方法もお勧めです。
6. 現地の人の服装に合わせる
海外旅行の服装を考えるとき、一番に考えるのは気温でしょう。また海外旅行だからとお洒落な服を持って行きたくもなりますよね。ですが、まずは現地の人の一般的な服装や服装のルールをチェックしてください。例えば、短い丈の服やカラフルな色の服をあまり着ない地域で、赤や黄色のワンピースを着ていたら目立ちますよね。このように「あの人は観光客だな」と思われるとスリに目を付けられやすくなってしまうので、服装は現地の雰囲気も加味して考えましょう。
7. ご当地グッズを見せ歩かない
これは、現地の「いかにもお土産屋さんで買ったようなTシャツ」を着て歩くこともそうですが、逆に「日本から来ました」と主張するような和柄のバッグ等も含みます。日本で外国人が日本語Tシャツを着ていると、同じアジア人でも一目で旅行者だと分かりますよね。海外旅行中には旅行者がスリの標的になり易いので、気を付けましょう。
8. 予備のクレジットカードを用意する
スリに遭わない為には、財布の中身を整理して必要最低限のカードや現金だけを持ち歩くことが対策になります。ですが、これと同時に予備のカードをホテルのセキュリティボックスに用意しておきましょう。万が一、持ち歩いているカードが取られて利用停止を申請したとしても、予備があれば旅行中の他の予定やその日のディナーをキャンセルしなくて済みます。
9. よくあるスリの手口を知っておく
スリは飲み物などをこぼして注意が逸れた隙に持ち物を取る場合や、無料アンケートやチャリティを装って近づいてくる場合、また撮影の手伝いを積極的に持ち掛け、一瞬の隙にカメラやスマートフォンを持ち去る場合などがあります。いずれにしても、突発的な事態を起こして注意を逸らそうとしたり、目の前の情報に耳を傾けているうちに持ち物から目が離れるよう仕向けてくることに注意しましょう。また、地下鉄などでは入り口付近が混雑して危険など、場所によってもスリが発生しやすい所があるのも事実です。事前にこれらを頭に入れ意識しておくことも、スリ対策として有効ではないでしょうか。
スリ対策としてのバッグに大事な要素
ここまで読んできたところで、スリ対策には「貴重品は最小限だけ持ち歩く」「狙われない装備をする」ということがポイントだとお分かりいただけたと思います。そこで、スリ対策になるバッグ選びについて考えてみましょう。
1. バッグの種類
バッグの種類を考える際のポイントは「目の届くところに持てる」ものであり、更に「両手が空く」ものを選ぶことです。海外旅行というと、旅慣れた人が持っているイメージのバックパックやリュックが良さそうと思うかもしれませんが、これは上記の観点からお勧めできません。背負ってしまうと両手は空きますが、同時に視界から外れてしまい、人込みや列に並んでいる間にこっそりジッパーを開けて盗まれても気づけないからです。またリュックは危険を感じたら前に抱えれば良いと言う人もいますが、これを常に行うのは無理がありますし、もう大丈夫だろうと思って背負った頃にスリに遭うかもしれませんよね。
そこで、海外旅行での街歩きなどにはショルダーバッグがお勧めです。これなら両手も空きますし、いつでも目の届く持ち歩き方が出来ます。特にスリが多そうな場所では斜め掛けのまま前に抱えることもできますし、歩きながらバッグを掴んでおくことも有効でしょう。また、バッグを開けて物を取り出す時にも斜め掛けのまま行えるのも利点です。この点、リュックは一度肩から降ろさないと取り出しづらいため、一瞬降ろしたリュックを置いて支払いなどをしている間に盗まれる可能性もあり、避けたいところです。
とは言え、街歩きではなくアクティブにハイキングなどを含む旅を計画している人もいるかもしれません。そんな時は、ショルダーバッグや防犯ポーチとリュックの組み合わせがお勧めです。ハイキングに行かない日は街歩き対策としてショルダーバッグで過ごし、リュックを持つ日はタオルや飲み物のみ背負い、貴重品は小さなショルダーバッグや防犯ポーチに入れて肌身離さず持ち歩きます。貴重品をリュックに入れないと分かっていればコンパクトに畳めるものを選ぶこともでき、荷造りの際もかさばらないので便利でしょう。
2. バッグのサイズ
次に、ショルダーバッグや防犯ポーチを選ぶ際のポイントを考えてみましょう。
まずはサイズですが、これは貴重品を含めて持ち歩く物が全て収まることが重要です。ショルダーバッグであればスマートフォン、財布、メイク用品などの他に、最近は持ち歩く人が多くなっているカメラやモバイルバッテリーも入るか確認します。また、旅行中は飲み物やガイドブックも必要かもしれませんね。大きければ良いというものでもないので、必要な時に持ち物がサッと取り出せる最小限のサイズを意識して選びましょう。防犯ポーチにはパスポートや最低限のお金、クレジットカードを入れるくらいですので、サイズはこれらが入るものであれば大丈夫です。
3. バッグの機能
ショルダーバッグにしても防犯ポーチにしても、ジッパーポケットで小分けに入れられるものがお勧めです。ショルダーバッグは内側の取り出しやすい位置にあるポケットだけでなく、ジッパーのポケットも付いている方が防犯対策になります。海外ではスマートフォンなどもスリの標的になりやすいので、入り口近くではなく奥のジッパーポケットに仕舞うように心がけると安心ですね。もちろん、バッグの口はスナップボタンなどではなく、しっかりジッパーで閉じられるものを選びましょう。
また、バッグのストラップが長さ調整できると最適な長さで斜め掛けできるので安全です。更に、スラッシュプルーフ(切り込み防止)素材だと尚良いですね。少なくとも、しっかり厚みのある丈夫な素材のものを選びましょう。バッグは軽くコンパクトで、できれば撥水(防水)機能があるものが良いです。これは防犯ポーチも同じで、パスポートなど最低限必要な物が入り、撥水(防水)で薄型の軽いものを選びます。
それと、防犯ポーチにクレジットカードを持ち歩くならスキミング防止機能(RFID機能)が付いたものにしたいところです。スリは物理的に盗む以外にも、クレジットカードを外側からスキミングするケースが増えているからです。もし財布にカードを入れて持って行くという場合にも、同様の機能が付いている財布を選ぶか、バッグの一部にスキミング防止が施されたジッパーポケットがあると安心ですね。
まとめ
近年では、海外旅行においてのスリ対策は絶対に必要なものになりました。スリの手口や発生場所も少し前の時代からは変わってきており、どこへ行くにもスリに遭わない心構えと装備が必須と言えますね。
今回はスリを避ける基本の方法からバッグ選びまで紹介したので、しっかりマスターして安全な海外旅行をしましょう。
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