Useful source: VirtualTourist, GOV.UK
1章:ジンバブエを貧乏旅行して感じる治安とは?
まずは私が実際にジンバブエを貧乏旅行した時の経験をもとに治安がどうであるかをお伝えします。治安や雰囲気は、実際にその場所を歩いてみないと分からないものです。
1. 超ワイルドなキャンプ場に泊まった結果
ジンバブエでは、かの有名な観光地、ヴィクトリアの滝周辺を中心に旅行をしました。日本人にもとっても人気な場所なので、この記事を読んでいるあなたも、高い確率でここを旅行しようとしているのではないでしょうか。ちなみに、世界三大瀑布として数えられています。旅の始まりは宿へのチェックインからです。
とはいっても決してホテルではありません。なんせ貧乏旅行ですから、キャンプ場で宿泊をしました。「一番安い部屋を」とフロントで告げると、なんと案内されたのはキャンプではなく、コンクリートでつくられた建物。どうやら、中はドミトリーのように、複数のベッドが並んでいます。そこまで狭くはなく、「なぜここが安いのか」わからずにいました。とにかく、安さが一番ということで、就寝することに…。するととんでもない事実に気がつきます。
寝ようとすると、耳元で、「ぷ〜〜〜〜ん」という、あの嫌な音が猛烈に聞こえてくるのです。飛び起きて、電気をつけると地獄絵図でした。天井や壁、あらゆる場所に黒い点があるのです。それは…そう「蚊」です!恐怖ですね。こんな大量の蚊を見たのは生まれてはじめて。「部屋の中に蚊が入ってきた」というよりも、「蚊の王国にお邪魔している」かんじです。どうしようもないので、ふとんをかぶり、頭部には、洗濯用のネットを装着しました。これでも、容赦なく大量の蚊が襲いかかります。
ふとんをかぶるのも暑く、洗濯ネットにも息苦しさを感じたので…しかたなく、寝る場所を変えてもらうことに。次に案内されたのは、1人用の小さなテント。やっと、蚊のシンフォニーを聴かずに寝られる…。そう思っていたその時、私の視界に飛び込んできたのは、一匹の巨大なカエル。テントには「頭頂部」がありますね。全ての骨組みが合わさる部分です。
ここに、ライトが設置してあり、その上に巨大なカエルが鎮座しているのです。完全に森の主のレベルです。存在感と威圧感がすご過ぎたので、あえて、何もせず、「そのカエルが夜中にライトから飛び降りない」ことを願いつつ眠りにつきました。
治安や雰囲気の観点から言えることは、この場所の「ワイルド具合」です。ジンバブエでキャンプをしてみることで、どれだけ自然が近くにあるのかを感じることができました。安全面の問題は何もありません。
次はもう少し、外を歩いてみましょう。
2. お金に困るジンバブエ人と友達になった結果
続いて、キャンプ場から飛び出して、ヴィクトリアの滝へと向かいます。キャンプ場からヴィクトリアの滝までは、歩いて数分程度です。ほぼ一本道で辿り着きます。
ヴィクトリアの滝へと向かう途中に一人の男性に出会いました。ジンバブエ人の彼は、どうやら、てづくりの木彫りの人形なを売り歩いているようです。残念ながらお土産を買うだけの資金の余裕はありませんが、ジンバブエのリアルを知りたかったので、話を聞きました。
その男は、お金に困って、行商としてお土産品を売る仕事をしているようです。兄弟でこの仕事をしています。実際、稼ぎは微々たるものですが、それでも観光客相手に商売をすることには、何か大きなチャンスを感じているのでしょう。私が、彼と話をする中で、とっても感動した点が一つあります。それが、「自信」です。よくアフリカ旅をしていると、「俺の人生は厳しいんだよ、なんとかならないものかな」といった調子の話を聞かされることがあります。
しかしこの男の立ち位置は全然違いました。お金がないことは認めつつも、生き甲斐とやりがいを強く感じているのです。しかも、冷静に自分の環境を分析して、前向きにプランを立てていました。尊敬します。
ある地域の所得が低いと、そこに来る観光客をターゲットとした犯罪が増えることがあります。これはアフリカだけではなく、あらゆる場所でいえることです。しかし、この男の人と話をする中で、ジンバブエにはもう少し違う考え方があるのではと感じました。
彼の兄弟とも話し、彼らの作品が置かれたアトリエにも行きました。会う人全てが、「厳しい経済状況をまっすぐ見つめ、それを乗り越えようと一歩づつ歩んで」います。経済が停滞することと、治安の悪さは必ずしも直結しないのだと学んだ瞬間でした。
2章:さらにジンバブエの治安を深堀り
さらにジンバブエの治安を調査してみましょう。
知れば知るほど、この国のたどってきた歴史や直面する問題まで見えてきます!
3. 億万長者になるチャンスかも?
ジンバブエでの両替にはご注意を。道を歩いていると、「両替しませんか?」(もちろん日本語ではなく英語で)と声をかけられることがあります。その人の手に握られているのは…200,000ジンバブエドル!なんどこの大金は!…目を輝かせたあなたに、甘い言葉が囁かれます。「1ドルで売ってあげますよ」大喜びで、両替をするあなた。はい、注意して下さい。
ジンバブエでは、世界でも他に類を見ないレベルのインフレーションが起こりました。6桁のお札の見た目はものすごいインパクトです。一瞬、チャンスかもしれないと思うでしょう。しかし、価値は紙くず同然です。決して騙されないようにして下さい。
ただし、もう少し話は続きます。結論から言うと、私は2〜3枚買いました。いいお土産になりますからね。普通に何も知らないで両替してしまうのは避けるべきですが、「お土産として欲しい」という意図で両替するならいいのではないでしょうか?ものの数ドルで複数枚ゲットすることができます。お財布に入れておくと、億万長者になった気分です。
価値のない紙幣を売りつけられる、または両替に使用される…という意味では、治安の悪い雰囲気かもしれませんが、逆にお土産感覚で接する場合には、ちょっとテンションの上がるひと時となります。
4. お店のおつりがない…って?
ジンバブエで注意すべき点はまだまだ続きます。お金に関わることなので、重要です。なんと、お店で、おつりが足りない事態が相次いでいるのです。例えば、ある観光客は、スーパーマーケットで買い物をして、会計をした時に「おつりが足りない」と言われ…急に、お店の人が英語を話すのをやめたと言っています。その人の注意をひくためには、大声を出す必要があったとのこと。おつりが足りないのは完全に、お店側の落ち度だと思うのですが、客がわめかないといけないなんて…どうかしてますね。
実際、これは私も経験しました。わりと大きめなスーパーマーケットに行った時のことです。会計をすると、案の定「おつりが足りない」と言われます。ここからの展開が、さらに凄いです。レジの男は、さも当たり前かのように「じゃあ、その分をアメであげるから」といって、レジ横にあった箱からアメを数個とって、差し出してきました。これには、文字通り、開いた口がふさがりません。ひょっとすると、ジンバブエではよくあることなのかもしれないですね。
実際、この状況がずっと続くかはわかりません。しかし、もしかしたらあり得ることかもしれないと、頭に入れておいて損はないでしょう。
5. 物売りに囲まれたら大ピンチ?
ジンバブエの治安を侮ってはいけません。完全に全てが危険だとは言いません。しかし、避けるべき状況はいくつもあるものです。例えばその典型例が人ごみでしょう。市場などを歩く際には、気を引き締めて下さい。物売りが大量に、迫ってくることがあります。日本人は目立ちますし、お金を持っていると思われてしまうのも事実です。中には、どさくさに紛れて、ポケットからものを盗み取る人さえいます。
曖昧な態度は避けましょう。断固として「NO」といえる意思が必要です。少しでも、買う可能性のある客だと思われると、一気にたたみ掛けられてしまいます。一番のポイントは、なるべく立ち止まらないことです。小話が始まってしまうと、情が移り、その場を去るのが難しくなってしまいます。
6. ドルとドル?
最後に面白い話です。ちょっと「へ〜」となりますが、これを知らないとトンでもない損をしてしまうかもしれません。突然ですが、アメリカのお金は何ですか?ドルですね。英語では、「ダラー」や「ダラーズ」となります。実は、ジンバブエでシンプルに「ダラー」や「ダラーズ」と言ったら、このアメリカのお金ではなく、「ジンバブエ・ドル」のことなのです。正確には、ジンバブエでは、過去に、このような呼び方がされていました。
私の旅の感覚では、この言い方をする人はかなり減っている気がします。というのも、ジンバブエ・ドルは、先ほども登場したように、すごいインフレーションが発生した通貨です。政府はこれの発行を終了し、2015年9月には回収を終えたとされています。という訳で、ふつう、ジンバブエで使われる紙幣は、アメリカドルや南アフリカランドです。
紛らわしいですね。なのでこのように考えて下さい。現在では、ジンバブエ・ドルはふつう使用されません。もし、何かの拍子に、明らかに桁が違う値段を言われた場合には「この人はジンバブエ・ドルで言っているのかもしれない…」と考えばいいのではないでしょうか。ただ、このようなケースはかなり稀だと思われます。
ちなみに、ジンバブエでは、2016年現在、公式にアメリカドル、ユーロ、イギリスポンド、南アフリカ・ランド、ボツワナ・プラ、中国人民元、インド・ルピー、豪ドル、日本円という9種類の通貨使用が認められています。どの通貨を選べばいいのかで迷ったら、一番流通しているアメリカドルか南アフリカ・ランドを選ぶようにしましょう。