【9割の日本人が誤解】ベルベル人とベルベル語の特徴って?

 

ベルベル人の言葉「ベルベル語」とは?

 

モロッコ在住中の@Shunya_Ohiraです。

モロッコの祖先とも言えるベルベルの人々に敬意を表して、詳しく調べてみましたのでご覧下さい。

(分かりづらいことは何でも図にしたがる私が)イラスト化もしているので…一目でスーっと簡単に理解できると思います!

 

1. ベルベル語ってなあに?

 

ネットで検索してもベルベル人やベルベル語についての細かい説明が全然見つかりませんね。日本語で探そうとしてもなかなか、ちゃんとした情報に出会うことができないのです。そこで、せっかくモロッコ在住ということでまとめてみました。

まずは、「ベルベル語」と呼ばれる言語についてです。そもそもベルベル語とは何でしょうか?実際、ひとくくりにベルベル語といっても、一つの言語ではないのです。正確にはベルベル諸語となります。つまり、「ベルベル民族という人々がいて、その中でもいくつかの地域によって異なる言葉があるよ」ということですね。

図にしてみると分かりやすくなります。ベルベル語の90%は以下の6種類に分けることができます。

 

ベルベル人の言葉ベルベル語とは?

 

改めて、ベルベル語の90%がこちらの6つに大別できます。

ベルベル語 話されている地域
タリフィート 北モロッコ
タマジグト 中央モロッコ
タシュリヒート 西モロッコ
カビル 北/北東アルジェリア
シャウィヤ 主に東アルジェリア
トゥアレグ マリ、ニジェール、アルジェリア、リビア、ブルキナファソ、チャド

 

モロッコ、アルジェリアがアフリカ北部で、その他の国がアフリカ西部〜中央に位置しています。さあ、ベルベル語といっても、様々な種類があることが分かりましたね。

上のイラストで、「ベルベル語」の横に「タマジグト」と書いてあります。これについても説明をしましょう。次の項目へお進み下さい!

 

2. ベルベルという呼び名の意味とは?

 

そもそも「ベルベル」という呼び名は好ましくありません(この記事では、できるだけ簡単に理解できるように、必要に応じて「ベルベル」という言い方をしています)。衝撃的なお願いかもしれませんが、できれば「ベルベル」という言葉を避けて下さい。というのも、ベルベルというのは、外部から来た人々が、「ここの人々は何を言っているのか、分からない。ワーワー言っているな」という意味を込めて、「ベルベル人」と呼ぶようになったのです。

もちろん、本人たちはこの呼び方を好みません。彼らが自分たちを名乗る時には、「アマーズィーグ(自由の民)」と言います(なんだかカッコいいですね!)。さらに、彼らの言葉をベルベル語というのは少し軽蔑的な意味合いが入るので、代わりに「タマジグト」という呼び方が広く使われています。

お察しの通り、タマジグトとは、本来、ベルベル諸語の中の一つの言語です(上の図を参照して下さい!)。それが、ベルベルの全ての言葉を代表するようになったということですね。少なくとも、「ベルベル語」と呼ぶよりは全然いいでしょう。これが、私が図の中で「ベルベル(タマジグト)」と記載した理由です。

とにかく、モロッコ旅行の最中にベルベルの人に出会ったら、できるだけ、彼らのことを「アマーズィーグ(自由の民)」と呼んで下さい。そして彼らの言葉は、まとめて「タマジグト」です!

 

3. ベルベル諸言語の場所を地図で見ると?

 

先ほど、中央モロッコ、北モロッコなどの話が出てきましたが、文字だけでは分かりづらいですね。という訳で、モロッコの地図上に印をつけてみました。以下が各ベルベル諸語が話されている大まかなエリアです。

 

ベルベル人の言葉「ベルベル語」とは?

 

地図で見てみると、ベルベル語の深みがよくわかります!例えば、あなたがモロッコを旅行したとして、その際に、訪れる場所に応じて、呼び方を変えられたら相当なレベルです。現地の人にとっても敬意を表していて素敵の一言!

 

4. そんな言葉を話すベルベル人って?

 

今度は、こんな疑問が浮かびます。「ベルベル人って、結局どんな人なの?」ということですね。ご心配なく。これについても説明をしていきましょう。今までのまとめをすると、ベルベル語には複数の種類(方言)があって、それらを話す人々のことをまとめて、ベルベル人と言います。

簡潔に言えば、上の地図にある場所にいる人々がベルベル人です。基本的にはそれでいいのですが、モロッコの大都市で仕事をしているベルベル人もたくさんいます。なので、簡単に、「この地域にベルベル人がいて」と言い切ることはできません。しかし、山の中など、経済発展からは隔絶されている場所では、未だにたくさんのベルベル人が独自の暮らし方を守り抜いています。

 

5. ベルベル人はどこから来たの?

 

この情報を探すのには苦労しました。インターネットで英語とフランス語を使ってもなかなか見つからなかったのです。しかし、最終的にカサブランカの大きな図書館アル・サウードで調べたところ、面白い記述が見つかりましたのでご紹介します。

歴史を遡っていきましょう。モロッコの祖先と呼ばれるのがベルベル人です。ベルベル人の祖先を遡るのは簡単ではありません。というのも、十分な量の情報が文字として残っていないからです。ここからは私が参照した書籍『Morocco From Empire to Independence』の内容をかいつまんでいくことにします。

 

 

ベルベル人の祖先だと「考えられているのは」ガラマンテス人です。ガラマンテス人とは、古代南西リビアで高度に発展した文明を築き上げた人々です。モロッコがアフリカ北西部にあるのに対して、リビアはもう少し東にあります。

当時、アフリカ北部には古代カルタゴという巨大な国家がありました。これがギリシャと戦争を繰り広げる中で、ガラマンテス人を兵力として組み込んだというのです。つまり、ガラマンテスの人々は北へ向かい、戦力に加わったということですね。

古代カルタゴは捕虜としてギリシャ人を多く国の繁栄に利用しました。例えばギリシャの芸術や建築様式、さらには神々の信仰などです。当然、その場にはガラマンテス人も多くいますので、ここで両者の繋がりが生まれます。戦争が終わった時、ガラマンテス人は、ここで得た文化的学びを南へと持ち帰り、王国建設に利用したのです。

このようにして発展を遂げたガラマンテス人が、ベルベル人の起源ではないかと言われています。

 

補足:世界遺産とベルベル人

 

モロッコには世界遺産がいくつもあります。その中の一つが「ヴォルビリス」です。モロッコの北部に位置する遺跡で、モロッコにありながら、古代ローマの世界観が垣間見える不思議な場所となっています。世界遺産には「ヴォルビリスの考古遺跡」として登録されています。

このヴォルビリスという名前は、Alili(キョウチクトウ:花の名前)に由来します。当時、このあたりでは、キョウチクトウが咲き誇っていたとのこと。モロッコの有名な観光地とベルベル文化の繋がりをご紹介しました!

 

ベルベル語やベルベル人についての記録や考察は今後も、収穫し次第、追加していきます。

(ご質問を多数頂いておりますのでお答えします…)この記事が何かのお役に立てれば嬉しいことですので、(情報の正当性については自己判断をお願いします)当ページへリンクを貼ることで、ご自由に参照先としてご利用ください!

 

 

 

モロッコ関係の記事一覧は下に続きます…!

 

簡単にモロッコのホテルが見つかる地図を導入しました

こちらの地図はカサブランカでも旅行の見所が集中している、海沿いのハサン二世モスク周辺を中心にしています。スクロールして、カサブランカのその他の場所、そして、モロッコ全土のホテル(「Booking.com」や「Airbnb」など)をラクラク探すことができます。ズームアウトしてモロッコ全体を見るには地図右下の「ー」ボタンを押してください。

 

 

モロッコLINEスタンプ、できました
  

→モロッコ旅行者は、とりあえず、このスタンプをどうぞ


モロッコ旅行者必読の人気記事




【ポケットWiFiに超感謝】モロッコ旅行必須iPhoneアプリ7選
【危険】モロッコ一人旅で絶対してはいけない7の過ち【女性旅行者は特に】
【大公開】モロッコ旅行の服装で“恥をかかない”8の鉄則【服装のコツ】
【損したい人閲覧禁止】モロッコ旅行前徹底チェックリスト8

モロッコのニュース




モロッコのコラム




モロッコ旅行ガイド


 

 

 

 

【9割の日本人が誤解】ベルベル人とベルベル語の特徴って?