治安の裏話…モロッコが世界一の監視社会である5つの理由

 

治安の裏話…モロッコこそ世界一の監視社会だと私が断言する5つの理由

 

モロッコは世界一の監視社会だ。それが私の持論です。モロッコに住めばすぐにわかることですが、1週間の旅行をするだけでは、気づかないことかもしれません。そこで今回は、モロッコを知る上で欠かせない「世界一の監視社会」という側面をご紹介します。全て、私のモロッコでの居住経験(またはそれ以前の旅行経験)に基づいています。

 

1. モロッコでカップルは全然楽しめない

 

大きな問題です…ということもできるでしょうが、凄い戦略とも言えます。モロッコでは、結婚前の男女が付き合うことは禁じられています。日本のように堂々と、二人で手を繋いで外を歩いたり「今日のディナーはどうしようか?」などとイチャイチャな時間を過ごすことはできないのです。

 

これはイスラム教の考えに基づいたもので、(モロッコ人には色々と信仰心が薄い部分もあり、不思議なのですが…)彼らの宗教に対する信仰心が感じられます。カップルだけでの宿泊も不可。結婚していない男女は、ホテルで同室に泊まることはできません。モロッコ人のカップルがホテルに現れ「一室お願いします」と言えば、受付のおじさん(もちろん、若い人の場合もありますが…)にギロリと睨まれ「結婚していることを示す証拠は?」と聞かれます。

 

ホテルの宿泊者情報は筒抜け

 

ホテルの宿泊者情報は全て政府に届けられ、言うなれば、政府はモロッコ全体のホテルの宿泊者情報を完全に把握していることになります。モロッコを旅行すれば、必ず、ホテルで宿泊者情報を書かされることになります。

 

補足:日本人は心配いりません。日本人のカップル(そして、他の外国人も同様に)は、問題なく、ホテルで同じ部屋に宿泊することができます。日本人女性とモロッコ人男性も大丈夫です。逆に、日本人男性とモロッコ人女性はダメ。

 

2. モロッコでは犯罪者はすぐに捕まる

 

管理社会といっても必ずしも、悪いことばかりではありません。監視が徹底しているからこそ、あらゆる犯罪が未然に防がれているのも事実。例えば、私の知り合いのモロッコ人女性の話です。彼女が小学生のころ、家の近所を歩いていると…なんと、謎の男に襲われました。大人だったらしいのですが、その男が、少女に後ろから抱きついたのです。恐ろしいことですね。このようなことが多発していると言うと誤解を招いてしまうかもしれませんが、モロッコでは性犯罪が社会問題となっています。

 

さて、先ほどの事件の続きです…。抱きつかれた瞬間のこと。通りかかったおじさんが「コラっ」と大声をあげて、追い払ってくれたのでした。そして、彼女は無事でした。正確に言えば、抱きつかれそうになった瞬間に助かりました。本当によかったです。実は、「通りかかった」と言いましたが、偶然ではなく、完全なる必然です。モロッコでは、あらゆる場所に、なんとなく辺りに注意を向けているおじさんがいっぱいいるのです。

 

“コンシェルジュ”という名のヒーロー

 

モロッコの家の話をしましょう。住宅事情です。モロッコには、「コンシェルジュ(フランス語)」という仕事をしているおじさんがたくさんいます。時に若い人もいますが、私の経験上、7-9割はおじさんです。このおじさんたちは、マンションであったり、一軒家の入り口の所に常駐する管理人ですが…実はモロッコの治安維持に貢献しているのです。

 

そんなコンシェルジュの一人によって、先ほどの少女は助けられたのでした。「常に、至る所で人の目が光っている」モロッコだからこそ、尊い少女の身が守られました。素晴らしいことです。「監視=悪」とは限りません。

 

3. モロッコではテロ計画者もすぐ捕まる

 

さらに、犯罪者の範囲を広げましょう。モロッコは、テロを企てる人を圧倒的な確率で捕まえる、超優秀な国でもあります。これの裏にあるのは…みなさんご存知の通り、監視社会です。先ほど登場したコンシェルジュに限らず、あらゆる人が、周りの人の行動に意識を向けています。

 

これはモロッコ人の気質でもあります。何かとお節介な人が多いのも事実です。そうやって、皆で、お互いの様子を監視しながら、犯罪の取り締まりに貢献しているのです。これの結果としてテロ計画者を捕まえることができるなんて…おそろくべき効果です。

 

知らないところで必ず見られている

 

私も実感します。誰かと話すと「こないだ、カサブランカの〇〇で見たよ」とか「〇〇してたらしいね」とか…色々と情報を把握されていることに驚きます。モロッコ人は非常におしゃべりです。知り合いであろうがなかろうが関係なく、「無造作な会話」を楽しみます。

 

4. CIA並みの情報共有システムがモロッコに

 

モロッコにおける情報共有システム…言い換えれば「告げ口システム」は驚きの効率性を誇ります。各地域ごとに、そこの人々を取りまとめる役目の人がいて、その人物は「カイド(Caïd – フランス語)*日本語では“管区長”や“指揮官”などの意味」と呼ばれます。そのカイドに近所の全ての情報が集まり、何か異変が見られたら、すぐに警察などと連携して、適切に対処されるのです。

 

こんな例を考えてみましょう。ある家で、モロッコ人の若者が夜な夜な集まっては、騒音を立てている…。そんなことがあれば、近所の人が気づき、コンシェルジュが気づき、その情報は…タクシー運転手へ…店の店主へ…駐車場の見張り番へ…最終的にはカイドへ。ルートに決まりはありませんが、とにかく、皆が詮索好きで、噂好きです。

 

SNS並みの“人力”拡散力がモロッコに

 

話は一瞬で(本当にびっくりするくらいのスピードで)拡散し、カイドのもとへと集まります。これは、実は、昔からモロッコに根付くシステムです。もちろん、インターネットが登場するずっとずっと前から存在しています。人から人へと情報を伝達して、地域の状態を常に把握。このようにして、モロッコの治安が守られてきたのです。

 

5. 監視社会のおかげでカーチェイスをした話

 

私自身、モロッコの「監視力」のおかげで、色々と助かっていることがあります。例えば、面白いもので、彼らのおかげで、カーチェイスをすることになりました。

 

詳しくは、事件!モロッコで英語使用→時速160kmカーチェイスする羽目に…どうゆうこと?をご覧ください。

 

先ほどのカイドの話ですが、これについてもう少し詳しくご紹介します。カイドは、裏組織っぽい雰囲気が漂っていますが、実は立派な政府の役職です。

 

カイドの下には、シャオシュという補佐がおり、実際には、この人たちが、地元のタクシー運転手やコンシェルジュなどから情報を受け取っています。どうやら、情報提供に対しては、カイドからワイロが支払われているようです。

 

そういえば監視されていたことも

 

モロッコの田舎町に住んでいた時のことです。思い返せば、家の前によく、ある男が何をするでもなく立っていました。夜に現れては、何もせずに佇み…そして去っていく。なかなか怪しいですね。それがシャオシュなのか、それとも、詮索のために雇われた男なのか。

 

 

 

モロッコ関係の記事一覧は下に続きます…!

 

簡単にモロッコのホテルが見つかる地図を導入しました

こちらの地図はカサブランカでも旅行の見所が集中している、海沿いのハサン二世モスク周辺を中心にしています。スクロールして、カサブランカのその他の場所、そして、モロッコ全土のホテル(「Booking.com」や「Airbnb」など)をラクラク探すことができます。ズームアウトしてモロッコ全体を見るには地図右下の「ー」ボタンを押してください。

 

 

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