Image: taste
モロッコ最大の経済都市カサブランカからこんにちは。
モロッコの食事といえばパンです。
パンにはじまり、パンに終わります。
モロッコ在住の経験とリサーチの結果をまとめてご紹介します!
「ただのパンでしょ?」と馬鹿にしてはいけません。
食べ方を間違えたら…モロッコのパンを愛するモロッコ人に白い目で見られるかも?
モロッコと言えばパン!そしてパン!
さあ、それでは一気にモロッコのパンの世界に浸りましょう!
1. モロッコ人は何でもパンで食べる!
Image: Ethnic spoon
まずは衝撃的な事実から。
びっくりするくらいにモロッコ人はパンを料理と合わせます。
もはや、スプーン代わりにパンを使います。
これは決して誇張表現ではありません!
例えば、モロッコで最も有名かもしれない料理にタジン(Tajine)がありますね。
これを食べる時に、パンをちぎって、それですくって食べる!
まさにスプーンのような使い方です。
もちろんタジンに限らず、ほぼどんな料理でもパンでいきます。
そして皆、手が汚れないように上手く(上から目線…)食べるのです。
もちろん、私が挑戦すると、見るも無惨。
モロッコで手を使って食べる時には、片手の3本指だけを使用します。
親指、人差し指、中指だけで食べるのは意外と困難です!
このマナーに特に厳しいのは「フェス(Fez)に起源を持つ」モロッコ人です。
肉なども片手の指先だけで上手にちぎるので尊敬します。
最終的に私は「フォルシェッタ・アファック!(フォーク下さーい!)」と言いますが。
知って得するモロッコ語フレーズはこちら。
知り合いのモロッコ人は、梨とパンを食べていて…さすがに驚きました!
2. モロッコのパンは美味くて安い!
Image: aufeminin
さて、モロッコのパンが「どんなものか」説明しないといけませんね。
まず、モロッコ語でパンは「ホブス」です。
「ホブス」の中でも一番典型的なパンが「マハラシュ」です。
空気があまり入っていないドッジボールを上から潰したような形。
…ですよね?
「マハラシュ」の「ハラシュ」とはもともと「滑らかではない」状態を意味します。
確かに、このパンの表面はゴツゴツしていて、いかにも「ハラシュ」なかんじです。
表面が少し固めで、中は微妙にモチモチしています。
味はそこまで強くなく、「料理と合わせる」手段にとってもあっていますね。
しかも…(皆さんおまちかね)格安!
1個、1.20ディルハムです。
日本円にすると12.422円(2016年9月21日の為替レート)!
3. モロッコのパンは施しに最適?
Image: Return of kings
少しだけ深い内容になります。
モロッコでは、路上で生活している人が少なくありません。
そして、そんな人々に施しを与える喜捨(関連:ザカート)の精神は「よい行い」とされています。
ザカートとは貧しい人や孤児などのために集められる税金です。
イスラム教の定める六信五行の一つでもあります。
もちろん、お金を渡す人もいるのですが、パン屋の前にいると違った光景が見えてきます。
パン屋に歩いて行く、一人の路上生活者らしき女性。
帰ってくるとその手には、大量のパンが!
私はパン屋でパンを少し買って、それをカフェで食べる習慣があるのですが、
カフェのテラスで座っていると、これはよく見る光景です。
実は非常に意味の深い光景。仕事として物乞いをする三人の女性は大量のパンをタダで獲得。働く女性(白い服)が買ったのは少しの安いパン… #モロッコの問題 #社会問題 #モロッコを深く考える #カサブランカ pic.twitter.com/SXvVDF6avC
— YOSO-Walk編集長@世界X周生活 (@Shunya_Ohira) 2016年9月16日
4. モロッコのパンの分別は特別?
Image: Maroc Mama
個人的に、非常にツボになっている話です。
カサブランカで外を歩いていると、ある不思議な光景に出くわします。
ゴミ捨て場に色んなものが捨てられているのですが…
なんと、パンだけ、よく「別枠で」捨てられています。
どういうことか分かりますか?
例えば、ある袋は缶で、他の袋は生ゴミといったように。
そして、ある箱に入っているのは大量のパン。
正直、プラスチックやリサイクル、可燃物といった分別はほとんど目にしません。
少なくともカサブランカでは、皆がまとめて捨ててしまっています。
しかし…パンが別!
不思議ですね。
パンにはそれだけ特別な地位が与えられているのでしょうか??面白い。
必ずそのような分別がされている訳でもありません。
しかし、まあまあの頻度で目撃するのです。
モロッコ人に聞いてみましたが「う〜む」と言うばかりでした。
一つ推測があります。
ひょっとすると、路上で生活をしている人のために、取りやすいようにしているのではないでしょうか?
5. フランス仕込みのパンがスゴい!
そうです。モロッコにはフランス仕込みのパンがあるのです。
まずはフランスとの関係からお話ししましょう。
モロッコはフランスによる支配を受けた植民地でした。
その名残から、フランスの美味しいパンの食文化を受け取ったのですね。
ここで興味深いポイントがあります。
日本ではパン屋というと、甘いパンも総菜パンも売っているものですよね?
しかし、ここでは違います。
フランスの影響で、明確に2種類に分類されるのです。
- ブランジェリー(Boulangerie):パン屋さん
- パティスリー(Pâtisserie):おかし屋さん
*「おかし屋さん」といっても駄菓子やポッキーを売っている訳ではありません!
パティスリーは、どちらかと言うと、菓子パンとケーキ類の専門店といったかんじでしょう。
モロッコの物価の安さとフランス仕込みの質の高いパンが組み合わさり…最高ですね。
モロッコで人気なお勧め店としてLa Calidadがあります。
個人的には、そこに売っている、この二種類が最強です!
- フォンダンショコラ(8ディルハム=83円)
- クレームブリュレ(12ディルハム=124円)
是非、一度お試しあれ!
6. 生活に密着し過ぎなパン!
Image: Venturists
モロッコでの生活には本当にパンが欠かせません。
まず、朝ごはんは、ほぼ100%パンです。
お勧めはパン+ハチミツ+オリーブオイルまたはアルガンオイル!
これとオレンジジュースがあるだけで、言うことなしです。
アルガンオイルはモロッコが世界に誇る、アルガンの木の種子からとれる油です。
美容用として注目を集めていますが、食べることもできるのです。
食用のアルガンオイルとしては、アムルー(Amlou)というものがあります。
簡単に言えば「栄養たっぷりのピーナッツバター」というかんじです!
先ほど、ブランジェリーやパティスリーのお話をしましたね。
実際、モロッコではどの町にでもたくさんのパン屋があるものです。
しかし、これだけではありません。
ササッとパンを買いたい時にどこに行けばいいのでしょうか?
答えは、エピスリーです!!
これはとっても便利な「コンビニ」のようなもので、
大抵、おじさんが個人経営をしています。
ここには、ほぼ100%ホブス(つまりパン)が置いてあります。
パティスリーによっては、その場でパンを切って、中にハムや卵などをはさんでくれる場所もあります。
ただし、注意も必要です。
そのようなおじさんたちは、(残念ながら)あまり清潔さを気にしていません。
普通にお金を受け取ったり渡したりした手で、パンを扱ってくれます。
これには、「さすがモロッコ!」と笑わざるを得ません!
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