モロッコには日本人が意外といます。
観光で来る人もたくさんいますが、さらにマラケシュなどの人気都市に移住している日本人もわりといるものです。
そんななか観光として人気のなさすぎる(←諸説あり)カサブランカに住む私が、モロッコ移住で感じる、日本人は到底信じられないカルチャーショックを6つ厳選してお届けします!
モロッコ移住した日本人が語る“驚愕のモロッコ”
モロッコに住んでいるから日本人だからこそ見えてくる…不思議なモロッコへとお連れします。
Useful links: CNN, InterNations
1. 大麻がすごい身近にある
Image: alakhbar
日本では大麻という言葉の響きは非常に「犯罪」的ですね。しかし、モロッコではもっともっと身近な存在です。モロッコではハシシュと言いますので、この言い方で統一していきましょう(参考:モロッコ人が教える。モロッコでのハシシュの【裏】入手方法とは?)。実はモロッコは世界でも有数のハシシュの生産国です。特にモロッコ北部に行くと、山奥で大量のハシシュ(自然に生えたもの)を目撃することができます。シェフシャウエンは青いきれいな町として知られていますが、欧米人の間では、美味しいハシシュに出会える場所として有名です。
ここで一つ忠告があります。実際、モロッコでハシシュを吸うことは禁止されています。お気をつけ下さい。しかし、モロッコの若者の間では、ハシシュはそこまで「危ないから手を出すな」という位置づけではありません。もちろん各個人によりけりですが、私の知り合いの若いモロッコ人(大学生)の6〜8割は、一度はハシシュを吸ったことがあるようです。使用者曰く「やる気がゼロになって…一日が終わる」とのこと。1分1秒でも多くの時間が欲しい(買えるものなら買いたい!)私としては…全く魅力的ではありません!
2. 街中の人に監視される
Image: Sprudge
「モロッコには街中に監視カメラがある」と言う言葉を、私はよく使います。実際に、監視カメラがある訳ではありません。ただ、人間が人間を監視しているのです。これだけ聞くと…なかなか怖いですね。実際、とても怖いことかもしれません。自分がどこで何をしていたかが、見られているのですから。でもなぜ「監視をする」のでしょうか?まずはモロッコ人の性格から考えてみましょう。
モロッコ人は、一般的に、まわりを観察してあれこれ話の種にするのが好きな人々だと思います。これは、私が感じるだけでなく、多くのモロッコ人が認める事実です。実際、「監視する人々の国」であるからこそ、多くのテロ関連の容疑者が、事件を起こす前に捕まっています。そうです、この監視は、犯罪の抑止や防止に大きな力を発揮しているのですね。特にカフェは必見です。カフェの入り口のところでよく、通りの方を向いて多くのおじさんが座っています。ただ、道をぼんやりと眺めているのです。
3. お客様は神様“ではない”
Image: Journey Wonders
日本では有名なフレーズですね。お客様は神様です。日本人の真面目さと、時にサービスに一生懸命になりすぎる側面がよく現れています。しかし、モロッコでは、誰も神様ではありません。いや、神様はアッラーだけということでしょうか…。とにかく、モロッコ人に対して「お客様なのだから丁寧に扱ってもらえるだろう」という期待を抱かないのが、私からのオススメです。例えばレストランの接客が非常に雑です。
最近レストランに行った時には、ウェイターがスプーンとナイフを放るようにテーブルに置いていきました。私は決して、コレの文句を言っている訳ではありません。むしろ、ツボに入っています。「こんな雑なんだ…ところ違えば…だね」という具合です。本人たちが、「日本人を懲らしめてやろう」と思ってやっている訳ではありません。ただ、それが当たり前で自然なやり方なのです。だからモロッコ旅行中に衝撃を受けたとしても、笑って許してあげて下さい。中には優秀な(日本に匹敵するレベルの)サービスを提供する一流レストランもありますが、これはかなり稀です!
4. 知らない人に食事に招待される
Image: Plan-it fez
モロッコは「招待する」ことをとても重要視する国です。もちろん日本でも人を招待しもてなす行為を重んじますね。しかし、モロッコのそれはまた違う雰囲気なのです。まず、家のつくりから面白いことがわかります。モロッコの家には大きなサロン(日本で言うところの「リビングルーム」)があるものです。部屋をぐるっと囲うようにして、ソファーのようなものが設置されます。真ん中にはテーブルが一個。「こんなに大きなサロンはいらないでしょ」と思いますが、これには理由があります。誰かがやってくると、このサロンで、もてなすのです。つまり、モロッコの家のリビングそのものが「客人をもてなすことを想定した」設計になっているということですね。さらに、モロッコでは親戚のつながりが「とーっても」大事にされています。やはり大きなサロンがあると、皆が一カ所に集まって、談笑したり、食事をとることができていいものです。
これに関連した面白い話があります。モロッコには、他のイスラム教の国同様に断食(ラマダン月に行なう)の習慣があります。そして、断食の期間中には、なかなかの頻度で「一緒に食べないか?」と誘われるのです。これは決してナンパではありません。私の知る限りでは、断食を行なうことで、モロッコ人のイスラム教徒としての信仰が強まり、より「可哀想な人に恵みを」という意識が強まるのでしょう。(ということは、私は“可哀想な日本人”として見られていたということ…)ちなみに、「でもなんで断食の月だけなの?」とモロッコ人に聞いたところ「うーん…そのよくわからないところが、いかにもモロッコ人」と返答されました。不思議な人たちです!
5. 金曜日には家族で決まったものを食べる
Image: Couscous
モロッコでは金曜日に家族集まって、決まった料理を昼食として食べる習慣があります。その料理は、クスクスというものです。金曜日はそもそも、イスラム教のお祈りのために、会社のお昼休みが長く設けられるものです。会社を抜け、モスクでお祈りをし…クスクスを食べに行くというのが典型的なパターンとなります。もちろん、自宅だけでなく、レストランでクスクスを食べるのも一般的です。私も金曜日の昼には必ず、クスクスを注文します。クスクスは大抵、大量に提供されます。食べ応え抜群です。しかも、どんどんと食べてしまいます。食べ過ぎると…当然眠くなりますね。心なしか、モロッコでは、金曜日の午後の仕事の効率が落ちているような気がします。これは単なる都市伝説ではありません。何人ものモロッコ人から「金曜日の午後はやる気がゼロだ」という声を聞いています。クスクスが経済に与える影響はあなどれません!
6. 女の子は髪の毛を毎日洗わない?
Image: Emerson Salon
決して全ての女性とは言いません。しかし、中には数日間髪の毛を洗わない女性もいます。しかも…清潔さを人一倍気にしそうな若い女性が…なぜでしょうか?キーワードはストレートヘアーです。モロッコの女性の多くは、カールしやすい髪の毛を持っています。そんな彼女たちが憧れがちなのがストレートヘアー。美容院に行って、しっかり伸ばしてもらった髪の毛。それをできるだけ長くキープしたい。そんな思いが「髪の毛は今後洗おう」という状況に繋がっているのです。日本人の間でも有名なヘアーアイロンは、モロッコでも多くの女子に愛用されています。とにかく、ストイックな美の追求が感じられますね。個人的には美において「清潔感」はもっと重要な気がしますが…。
7. 子供が乱発する爆竹に怯える
知らない人が見たらテロ。アーシューラーという新年10日目を祝う花火が町中で発生するからビクってなる #アーシューラー #モロッコ #祭り #祝い #寿命が縮む #花火 #爆竹 pic.twitter.com/eslLbomh1j
— YOSO-Walk編集長@世界X周生活 (@Shunya_Ohira) October 12, 2016
モロッコでは…少なくとも私が日々生活をしている中では、日常的に爆竹の音に囲まれています。最初にモロッコに来たときには「テロでも起きたのか」と怯えました。外を歩いていて急に「パン!」となるのですから驚くに決まっています。それが子供の仕業だと気付くまでには結構な時間がかかりました。カルチャーショックはまだ続きます。日本の場合を想像してみて下さい。ふつう、人通りのある場所で、子供が爆竹を乱発していたら、まわりにいる大人が叱りますよね?「こら!」とか…せめて「危ないからね、気をつけてね」でもいいのです。しかし、私はここモロッコで、そのような子供を大人が叱りつけている光景を一度も目にしたことがありません。
例えば、カフェのテラス席で座っているおじさんたちは、完全に無視しているか、または、ただただ一部始終を眺めているだけです。不思議ですね。私は子供よりも、モロッコの大人たちに言いたい。「もっと子供を注意しましょう。社会全体で子供を育てていきましょう」と。しかし、一つ忘れてはならないポイントがあります。それは“爆竹”の文化的位置づけです。
難しい話ではありません。モロッコでは、「お祝い事、めでたい時、祭り」といったイメージと爆竹が強く結びつけられています。例えばアーシューラーという日(イスラム暦の新年から10日目を祝う)には、それこそ、モロッコ中で爆竹が解き放たれます。そこら中でバチバチ言っていますからすごい迫力です。このように、いいイメージと関連しているので、むやみに注意すべきことでもないのかもしれません。だからこそ難しいですね。日本人としては…もうちょっと、線香花火程度に(侘び寂びを感じつつ)やっていきたいのが本音です。
8.カフェが“たばこだらけ”で息苦しい
Image: The view from Fez
たばこ好き。そしてたばこ嫌い。大抵はっきりと二種類に分かれるものです。ちなみに私はたばこが大の苦手です。臭いをかぐとすぐに頭が痛くなったり、気持ち悪くなったりします。そんなたばこ嫌いな日本人は…正直、間違いなく、モロッコで苦戦するはずです。なぜなら、モロッコのほとんどのカフェは、完全に喫煙席のみだからです!
これにはびっくりしました。衝撃的すぎて最初は開いた口がふさがりませんでした。喫煙家にとっては夢のような国でしょうけどね。私の知る限り、9割近いカフェで、たばこが吸い放題(もちろん、購入は実費)です。時には、カフェの中が(冗談抜きで)白っぽくなっていることさえあります。手品ショーでもやっているのかというくらいです。私の場合はしょうがなく、テラス席を優先的に選ぶようにしています。
しかし、外にはパソコン充電用のコンセントがないのです。苦渋の選択ですね。煙の中に飛び込んでパソコンを充電するか。もしくは、外で気持ちのいい空気に触れながら、だんだんと衰えていくMacを、なす術無く見守るか。ただし、救世主の存在を忘れてはいけません。ご紹介しましょう。「スターバックス」さんです。日本の皆さんがご存知、あのスターバックスは、ちゃんと分煙しているのです。さすがですね。高い飲み物代を払うだけのことはあります(…誤解しないで下さい、スターバックスを褒めているのですよ!)。という訳で、たばこが苦手だけどモロッコを観光したいというあなたは、是非ともスターバックスに救済を求めてみて下さい!
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