マラケシュは、モロッコ旅行には欠かせない、定番中の定番!…とされています。そうです、皆さんお気づきのとおり「さぁ、夢の国へ出発だ」のテンションではありません。
表層的なお話だけならどんな人でもできます。そこでこの記事では、モロッコ、マラケシュで一般的に人気とされている観光地をご紹介して、それについて「建前なしで本音のレビューを」お伝えします。
マラケシュに行ったら、間違いなくチェックしておきたい、とされている見所を4つまとめてご紹介します。本当に訪れる価値はあるのかどうか。ご覧下さい。
1. マジョレル庭園
イヴ・サンローランの愛した庭
この場所の説明を見ると、必ず、こう書いてあります。
マジョレル庭園は「イヴ・サンローランの愛した美しき庭」。
なるほど─有名デザイナーがぞっこんというなら、かなりの期待ができますね。でも実際はどうでしょうか。
自然と芸術を同時に感じるならここ!もともとフランスの画家であるジャック・マジョレルが作ったのですが、彼の死後、モロッコを訪れたデザイナーのイヴ・サンローランが雰囲気を気に入り、庭園を買い取って、改修を施しました。
そんなまじょれる庭園ですが、私個人的にはけっこうガッカリです。中途半端に日本庭園を真似したような、ちょっとしたコイの池があり、陳腐なゴミ箱が道の脇に設置され、そして、欧米の観光客だらけ。
日本人的には「頑張ってアジア感を取り入れのでしょうね」という、上から目線になってしまいますし、モロッコに住んでいる身からすると、決してモロッコの美しいお庭というわけでもありません。
マジョレルブルーのおはなし
植物の緑。建物の青(マジョレルブルー)。これがコントラストに─というのがポイントとされています。
たしかに、景色の一部を切り抜いて、写真を撮って、それなりのインスタ用写真にはなるかもしれません。きっと、ここを訪れる人の多くがそんな目的の遂行に全力を投じているのだと思います。それは大いにいいことです。
しかし、私は特にここの青が特段美しいものとは感じませんでした。シェフシャウエンの青よりも濃い色、という印象です。シェフシャウエンの青の方が、もっと明るい発色だと記憶しています。
料金
- 庭園入場料:70ディルハム
- ベルベルミュージアム:30ディルハム
関連記事 モロッコで地震はどう?モロッコ旅行で地震が不安なあなたへ 関連記事 【12回以上モロッコを出入り】達人が語るモロッコビザの要点とは…?
2. ジャマ・エル・フナ広場
マラケシュ観光客でごった返す
とにかく観光客だらけです。ここで日夜、純粋な心を持つよき旅人たちが、マラケシュという町にお金を落としています。そんな意味で、町の存続のために欠かせません。
もちろん、「マラケシュ運営」の一端を担うかどうかはあなた次第です。これまでマラケシュの(特にこの広場の)たちの悪い面についてはさんぜんお話ししてきたので、ここで敢えてお伝えする必要はないと思います。
詳しくは以下の記事をご覧下さい。
関連 【命に関わる話】ジャマ・エル・フナ広場観光前に知るべき2つの恐ろしい事実
詐欺行為だらけ
謎のタロット占いで500ディルハム(ざっくり5,000円)請求されたり、サルと一緒に写真を撮れと高圧的になってきたり。ちなみに、周りにあるカフェのほとんどは、食事や飲み物の割には信じられないほど高く、かつ、メニューに書いてある値段よりも高い価格をふっかけてくることもあるので、個人的には絶対に入らないことをオススメします。
もし入るのであれば、二階を使って、景色を楽しむ目的ならいいでしょう。注文をする際にはメニューの値段を確認するようにしてください。屋台の客引きもかなり礼儀がなっていないヒドイ人がいるので、ご注意を。
関連記事 【怒り】モロッコには“男が女性に暴言を吐く”文化が?【モロッコの悪しき文化】
3. メディナ/旧市街
広場と直結なのでアクセス楽々
メディナも、マラケシュ旅行の際には要チェックです。メディナとは、つまり旧市街のことで、ジャマ・エル・フナ広場とメディナは直結しています。メディナは、「この道」という特定の場所を指すわけではなく、もっと広い、広場に隣接する一帯を意味します。広場から細い道が何本もあり、そのどれをたどっても、メディナの中に入ることができます。
メディナで「迷う」のは楽しい
メディナに一歩足を踏み入れると、そこに広がるのは異世界。特に、中東やモロッコなどのイスラムの世界を初めて旅行する人にとっては、なんとも言えない「アラビア」な世界観でしょう。道の両脇にはあらゆる種類の店が並びます。
メディナの中でもエリアによって、店の種類が大まかに分かれており、布類、野菜、肉、理髪店、ホテル、カフェ、レストラン、(モロッコ旅行のお土産として人気な)ランプなどなど、見ているだけで、ワクワクしてきます。迷うとか迷わないとかいう概念は、もはやありません。旅行者はみんな迷います。適当に歩いて、わざと「迷い込む」スリルを感じてください!
駆け抜けるバイクには要注意!
ただし、あまりにも、細い道や、人の通りが少ない道には行かないようにしてください。店があって、人が行き交っている道を歩く限り、自由に散策して大丈夫です。メディナの怖いところであり、楽しみでもあるのが、バイクです。「こんな狭い道をバイクがそのスピードで?」と、何度も思うはずです。体すれすれのところを走り去るバイクにはご注意を。いろんな素敵なお店に目移りして、ジグザグに歩いていると、事故につながるかもしれないので、気をつけてくださいね。
関連記事 モロッコ在住が語る!モロッコ旅行の治安を制する16の秘訣【本当の治安ガイド】
4. アリー・ブン・ユースフ・マドラサ
モロッコ最大の神学校をチェック
ジャマ・エル・フナ広場から、メディナの中に入って歩くこと10分ほどで到着。アリー・ブン・ユースフ・マドラサは、モロッコ最大の神学校です。想像してみてください。神学校とは、イスラムの教えを中心に、あらゆる学問が教えられた場所です。イスラムの歴史は深く、特に、私たちの今住む世界のあらゆる発明の根底にある科学分野で、世界的にもトップを走ってきました。
建物の中に入り、かつて、ここで勉強に集中したであろう学生たちに思いをはせると不思議な気持ちになれます。また、この神学校があるのは、先ほども説明した通り、メディナの中。メディナは全体的に、人が入り乱れ、騒がしい場所です。だからこそ、アリー・ブン・ユースフ・マドラサに入った途端に、一気に、静まり返った世界へと移動でき、そのギャップには圧倒されます。
建築や装飾を鑑賞しよう
是非とも、建築物そのものにも注目してください。数々の繊細な装飾が、壁面に彫り込まれています。決して派手ではなく、「細部にこだわり、かつ質素に作り込まれた」雰囲気は日本人好みかもしれません。イスラム文化ならではの幾何学模様のタイルも、思わず写真に撮りたくなる仕上がりです。このマドラサは二階を見学することができます。是非とも、二階から、中庭を見下ろしてみてください。これが私が個人的にオススメする、癒しの時間です。
イスラム世界の学びの中心!
マドラサはイスラム世界にとって、欠かすことのできない学びの中心地!ちなみにマドラサは、このような文脈で、イスラムの神学校のことを指しますが、もともとアラビア語では、「学校」全般を意味する言葉です。一般的に、マドラサで教えられる内容の中心は、コーラン(イスラム教の教えが記された教典)であり、これの読み方に多くの時間が使われます。ちなみに、このアリー・ブン・ユースフ・マドラサは現在、一般公開用となっていますが、世界には、現役で活躍しているマドラサはたくさんあります。
補足情報
- 現役当時は最大で900人ほどの生徒を収容可能であった
- 1960年に廃校となり、1982年に公開され始めた
- 壁には人や動物を表す装飾は存在しない(イスラムの教えによる)
料金など
- 入場料:40ディルハム
- 営業時間(4月〜9月):午前10時〜午後7時
- 営業時間(10月〜3月):午前10時〜午後6時
場所
関連記事 カサブランカ〜マラケシュの移動方法&マラケシュ〜カサブランカの行き方【まとめ】 関連記事 マラケシュ〜フェズの移動方法 & フェズ〜マラケシュの行き方【まとめ】