軽井沢。一度は住んでみたい。そんなイメージでしょうか?「じゃ、移住してみるか」という軽い気持ちで住んでみると、意外なことだらけです。
そこで、今回は、軽井沢移住を検討する際に(理想としては、本格的に検討をする前の段階で)知っておきたい大事なポイントをまとめましたので、ご活用ください。
1. 軽井沢は物価が高い
軽井沢の物価を甘く見てはなりません。いや、決してあなたに言っているのではなく…。自分への戒めです。
そう、私は軽井沢の物価を甘く見ていました。なんと、「軽井沢での生活で、節約して…」なんて夢物語を語っていました。首都圏に比べると安いでしょ、という安易な発想ですね。
では、実際に、どのようなものが高いのか。軽井沢に移住する前に、こちらの点には
注意してもらいたいものです。
- ガソリン、灯油、電気
- スーパーマーケット
ガソリン、灯油、電気
軽井沢での生活に車は欠かせません。ちょっとした買い物に出かけるだけで車を使います。職場まで車で出かけるのも、非常に一般的です。当然、それだけ多くのガソリンを使うことになりますね。
そして、灯油については、家にあるヒーターです。その家にもよりますが、中には、家の外に大きな灯油のタンクを設置している場合があります。そのタンクから、家の中にあるヒーターに灯油を供給しているのです。軽井沢の冬は極寒です。いくつものヒーターを家に設置している場合には、かなりの灯油代になります。

軽井沢では普通、そのような外付けの巨大なタンクの灯油が無くなったら、業者に頼んで補給をしてもらいます。流石に膨大な量ですので、自分で外に出かけて買って来る必要はありません。そんなことをしていたら…何往復をすることになるのやら。考えるだけで、恐ろしいものです。
スーパーマーケット
続いては、スーパーマーケットです。庶民の味方であるはずのスーパーマーケットが高いなんて。そう思ってしまいます。あなたの感性は正常です。至極まっとうな反応でしょう。
なぜ、軽井沢のスーパーマーケットは高いのか。その理由の一つ目は、競合が少ないことです。軽井沢に移住すると、まず、Tsuruya(ツルヤ)を無視しては生存できないことでしょう。それくらいに、ビッグなスーパーマーケットです。
そして、第二に、軽井沢には、所得の高い人が集まっています。軽井沢は言わずと知れた、お金持ちエリア。名前に付随するブランドが半端ではありません。別荘地がたくさんありますし、多少高くても、問題なく売れるのです。それが、私のような庶民派には、きついのですが。
2. 渋滞がすごいので移動が大変
軽井沢の渋滞は、すごい。そんな話を聞いたことはありますか?
車で軽井沢に出かけたことがある人なら、身に覚えがあるかもしれません。軽井沢の渋滞が、ひどくなるのは、夏です。言わずもがな、軽井沢は夏になると、観光客で溢れかえります。
自転車で渋滞を回避
理想は「混んだ時には、どのように対処するのか」を予め、考えておくことです。例えば、自転車を用意しておく、というのが一つの手です。大通りはとにかく混んで、全く進めないことも。そんな時に、自転車があれば、幾分、ストレスを感じずに、移動することができます。
自転車についての補足ですが、私は無謀にも、車なしの状態で軽井沢に移住することになりました。明らかに、車がなければ生活がしづらいエリアなのに。
そこで、何とかするために、「まずは自転車で」という作戦に。もし、自転車をこれから用意しようかな、と考えている人がいれば、是非とも、電動のものをお勧めします。
家の場所にもよります。もし、別荘地にある(つまり、自然に囲まれたところにある)家に住むとなると、高い確率で、丘や山を上ったところになるでしょう。そんな時には、電気の力を借りない、ただの自転車では…引きこもりになってしまうかもしれません。
3. シーズン契約もあるので勘違いしないように
軽井沢には、たくさん、シーズン契約の物件があります。「あ、この家、ログハウス感がいいね」と思うと、ことごとく「1シーズン 150万」などでした。
このように「150万」という明らかに、別次元の数字ならいいのですが、もっと紛らわしいものもあります。例えば、ある戸建ての物件には「13万円」と記載されていました。
私にとって、かなりの金額ですが…「頑張ろうか!」と気合いを入れて、お問い合わせをしました。すると、返事は「シーズン毎に、お値段が違います。夏は、60万円です」などと言われて、ガーン。
珍しい例ではありますが、時に、ウェブサイトに記載れている「家賃」が「シーズン毎に変動する」こともあるようです。ウェブサイトの情報を鵜呑みにせずに、一度、お問い合わせをしてみるのがいいでしょう。
4. ちょっと鼻につく不動産屋がいても耐える
耐えましょう、人は、それぞれです。
そもそも、軽井沢に移住するという時点で、これくらいのことは、予想すべきですが。私の考えが、甘すぎました。時に、予想以上になるものです。
不動産屋は二箇所まわりました。お問い合わせだけですと、もう一箇所を追加した合計三件です。そのうち、一つの不動産屋さんの、ある人だけが、なかなか、興味深い雰囲気でした。
家の紹介をしている時に、やたらと「軽井沢に住む人は、平気で、年収2000万円とかいますからね」や「年収1000万円を越えると」などなど、盛りだくさん。特に「どんな人が、住んでいるのですか?」とは聞いていないのですが、ぽんぽん出てきます。
気にしなければいいことなのですが、私は「それは、すごいですね」という、いい感じの表情を、存分に見せてあげました。きっと、ご満足頂いたことでしょう。決して、悪い人ではなかったです。ただ、このような話題が気になっちゃう人も、いるかもしれませんね。
5. 家にある暖房設備は要チェック
戸建ての場合に、特に気をつけたいものです。暖房はあるでしょうか?どんな設備ですか?種類にも色々ありますからね。
床暖房、移動式のヒーター(設置してあるというパターンは稀)、薪ストーブ(雰囲気が最高!)、温水ヒーターなどなど。どれにしても、かなりのお値段がかかることは、ご了承ください。
温水ヒーターが特に厄介です。ある物件を内見した時のことです。温水ヒーターがあらゆる場所に、張り巡らされている、そんな「寒さ対策、完璧!」な状態でした。
しかし「いや、お伝えしなければいけないことが、ありまして」と切り出されて…「実は、前に住まわれていた方は、月に、高い時で8万円も電気代を払っておりました」とのこと。これには、笑うしかありません。
電気代だけで、月8万円。贅沢の極み、ではないでしょうか。これは、もちろん、非常に極端な例です。「温水ヒーター=8万円」という方程式は、頭の中から消してください。この物件には、いたるところに、温水ヒーターが設置されていました。広さもかなりものです。
ここでの教訓はこうです。内見の際に、または、それ以前に「前の方は、どれくらいの電気代(灯油代の場合も)を支払っていましたか」と尋ねましょう。
窓のつくりも大事
寒さを、しのぐ。そんな当たり前のことに対して、異様なまでの執着心を見せましょう。あとあと後悔しないためにも。
暖房設備にあわせて、窓のつくりもチェックしておいてもらいたいものです。理想は、二重担っていること。不動産屋の人は「ダブル」と呼んでいました。業界では、それが、普通なのかもしれません。
二重になっているだけで、かなりの寒さを抑えることができます。もちろん、それのおかげで、暖房の強さを控えて、電気代、灯油代などを節約することになりますから、大事ですね。
6. 安さを重視するなら、中軽井沢
軽井沢といっても、「ガチ軽井沢」から少しだけ、離れることをお勧めします。もちろん「私は、軽井沢駅周辺に住むザマス」という方には、ただ無言で会釈するのみです。
軽井沢駅のすぐ隣の駅が、中軽井沢です。個人的には、完全にこちらよりをお勧めします。決して、二つの駅は離れていません。中軽井沢駅によるだけで、一気に家賃相場が下がります。
目安としては、以下の通りです。
- 軽井沢駅エリア(戸建て、ペットOK)=10-15万円
- 中軽井沢駅エリア(戸建て、ペットOK)=20-30万円〜
ペットOKという条件を入れることで、プラスの高さが実現していますが、これをなしにすれば、もう少しは安くなります。さらに、安さだけを重視するのであれば、戸建てにする必要はなく、アパートがお勧めです。

ペットについて、面白い話を聞きました。ある不動産屋さんによると、こうです。「軽井沢に引っ越してくる人は、結構な確率で、ペットを飼える場所がいいのですが、と希望されます。しかし、意外と、軽井沢には、ペットOKの物件が多くありません。軽井沢はそもそもが人気の場所なので、大家さんからすると、特に条件を緩くしなくても、入居者は決まる、ということで、ペットOKに踏み出す人が少ないのかもしれません」
7. 雪かきの必要性は?
軽井沢は、寒い。冬は、とっても寒くなる。これは、ここまでの話で、十分にご理解いただけたことでしょう。これを踏まえて、雪について、です。
軽井沢は、実は、雪が積もることは、そんなにありません。意外ですね。寒いのですが、降っても、ほとんど、大した量にはならないのです。ですので、雪かきをきにする必要は、そこまでありません。
例外は、あります。それが、別荘地です。別荘地は、ほとんど、山の方にあります。積雪が少しであっても、通る人が少ないと…凍ったりして、とても危険。ですので、冬に人が少なくなるエリアに住む場合には、自分で積極的に雪かきをすることになるはずです。
8. 熊には要注意?
熊に、よく出くわす。…なんて嘘はつきません。軽井沢に住んでいても、熊なんか見たことない、という方が圧倒的多数です(見たら生きていないかも…)。ですが、遭遇してしまう可能性は捨てきれません。
移住する前には、必ず、熊に気をつけるという「軽井沢の共通認識」を頭にインストールしておきましょう。特に冬の冬眠が始まる前には、お腹をすかせた熊に注意が必要です。
出没情報はサイトからチェックしよう
ここで役に立つウェブサイトをご紹介します。その名も「軽井沢さるクマ情報」です。このウェブサイトの作りは極めてシンプルで、開くとすぐに地図が現れます。そして、地図上に、可愛いさるやクマのイラストが。そうです、その場所で、目撃されたということです。
これからどこに出没するかはわかりませんが、傾向を理解することはできません。是非とも頻繁にチェックして、家の周りには注意を向けるようにしたいものです。
軽井沢さるクマ情報のサイトを見ていると(2019年8月)面白いことがわかります。季節の違いによる影響もあるかもしれませんが、クマやさるの目撃情報のほぼ全てが線路の北側に位置しています。これは、ともすると、家を選ぶ際の指標になるかもしれません。
9. 軽井沢の生活で車は必須
正直、車なしで軽井沢生活は、かなり難しいです。駅に近かろうと、遠かろうと関係ありません。電車、バスの交通網は発達しておらず、本数が少ないので、日常的に依存することができません。
そんなことを言う私は、なんと、車がない、しかも免許すらない状態で軽井沢にプチ移住しました。軽井沢をナメているとしか、言いようがありませんね。そして、後悔もしました。
駅から遠いと、車が必要
結論的には、軽井沢のどこにいても車が必要なのですが、まずは駅から遠いところに住んでいる時の話。スーパー(ツルヤ)、電化製品店(ヤマダデンキ)などの生活に欠かせない店は、駅近くにあるもの。
駅から少し離れた、別荘地に住んでいる場合には、そこから買い出しのために、ほぼ間違いなく、車が必要になります。軽井沢駅近くにも別荘はありますが、少し離れた、太郎山、南平台といったエリアの方が、たくさんあります。そこに住むとなると、車が生命線になることは確実です。
駅から近くても、車が必要
駅の近くに住んでても、結果的に、車は必要になります。ただし、前者よりも、なくても大丈夫なケースは増えます。コンビニが駅近くに集中しているので、「いざとなれば、歩いて買い物に行ける」という状況は、確保できがち。
駅の近くに住んでいても、車が必要になる理由–それは、いざという時です。大雨で避難する時、大きなもの(家具など)を買いにいく時…色々なケースで車が必要になります。さらに、軽井沢には、色々な楽しみ(いい感じのレストランやカフェ)がありますが、週末には、気分を変えるために、出かけたくもなるでしょう。そんな時には、車でドライブができると、だいぶマンネリ化が和らぎます。
気持ちの保険のためにも車が必要
気持ちの面で保険を保つために、車は効果的です。何かあったら、いつでも車で出かけられる。そう知っているだけで、例えば、山の方で暮らしていても、気分が一気に楽になるものです。
特に、これは都心部から移住してきた人にとって重要です。時に、人恋しくなるもの。時に、都会の雰囲気が恋しくなるもの。そんな時に、例えば、別荘地に住んでいて、車がないと「ここで閉じ込められている日々なんて、もういやだ!」と爆発してしまう可能性も。
軽井沢で車を買うなら…その1
まず最初に思いつくのが、ツルヤのすぐ斜め向かいにあるメルセデスの販売店。軽井沢にぴったりの雰囲気です。私は、一切検討もしませんでしたが、このようなお車をお求めの方は、どうぞ。
軽井沢で車を買うなら…その2
または、軽井沢から中軽井沢を抜けて、もう少し信濃追分の方へ向かう道にも、車の販売店があります。レパートリーとしては、アウトドア好きの絶大な人気を誇るジムニーなどが並んでいました。お値段としては、20万、40万、70万など。私は車に詳しい方ではないのですが、お手頃なレパートリーが好印象です。
薪の値段が尋常じゃない
暖炉という憧れ。そうです、暖炉のある生活は、素敵。軽井沢には暖炉のある住宅がたくさんあります。別荘地であれば、なおさらです。暖炉は我が家でも活用しています。正直、雰囲気が最高です。しかし、値段はかなりのものです。高くつきます。例えば、コメリというホームセンターで購入したもので計算すると、1夜で平気で500円分を使い果たしました。
もしこれを30日続けたら、1ヶ月1万5000円です。しかも、これは夜だけの値段です。もし厳しい冬に、日中から暖炉で木を燃やすとなると、これの2倍は平気で予想する必要があります。