「fact that」は基本的に99%撲滅できる説(と例外をいくつか)

 

「fact that」は基本的に99%撲滅できる説(と例外をいくつか)

 

「fact that〜」と言えば「〜という事実」という意味です。響きには、知的なものを感じる…かもしれません。これを言うことで、ちょっとだけ賢く聞こえる…そんなイメージがなくもない。しかし、今回のテーマはズバリ「fact that」は撲滅できるのではないか、というものです。

 

「fact that」は99%いらない

 

本当であれば100%と言いたいところですが、断言はできませんので、99%にとどめておきます。実際、『Bryson’s dictionary of troublesome words…』では、一般的に、このフレーズが有意義な書き直しの余地を意味し得る(could profitably be recast)とされています。

 

それくらいの表現ですので、私の言う99%はかなり強すぎる主張かもしれません。なにはともあれば、本書に紹介されている例をご紹介します。例えば、こんな文章があるとします。

 

Blumenbach, on the other hand, was astutely aware of the fact that apparently closely allied speces could differ markedly in the kinds and morphologies of the teeth they possessed.

 

そして、上の文章から「of the fact that」を抜いて「aware that…」にしても全く意味が失われない、と説明されています。確かにその通りです。このような意味で、冗長なフレーズの英語代表みたいなところはあるかもしれません。

 

たしかに「fact that…」は面倒臭がられる

 

考えてみれば、日本語であっても「私が空腹であるという事実を鑑みるに…」などと言われたら「お腹が空いたって言ってよ」と面倒臭がられるのは目に見えています。

 

とは言え、もちろん、全ての「fact that」が無駄で無意味なことかと言えば、そんなことはありません。研究や調査の分野では、そこまで不自然ではない、というか、不要で回りくどい表現というわけではないでしょう。それでも、削除して意味が通るのが大多数だと思いますが。

 

「actual fact」は論外(だけど…)

 

「fact that」については「無くして、もっとクリーンにすることはできるよね」程度でしたが、「actual fact」に至っては、完全なる言葉の重複です。「fact(事実)」とはもちろん「実際の」ものなので、いちいち「actual」をつける必要などありません。以上です。

 

…と言い切りたいところですが、もちろん例外もあります。それは「事実でない事実」を引き合いに出した場合です。そんなよくあることではありませんが、面白い説明があります。

 

Instead of believing the facts on the Internet about vaccination, you should consult medical journals for the actual facts.

 

という例が、こちらで紹介されていました。上の英語の例の意味は「予防接種についてインターネット上にある事実を信じる代わりに、“実際の事実”を医学雑誌で調べるべきだ」という具合です。ここでは、インターネットで見つかるのは「不正確な事実」であり、それと対比した、本当の事実(actual fact)というものを強調しています。

 

確かに、このような文脈であれば「actual fact」も十分に意味をなしますね。こんな場合(意図的に、事実というものを複数に分け、対比)を除いては「actual fact」は冗長である(redundant)ということになります。

 

 

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