「lead」と「prospect」の違いを、はっきりさせましょう。告白します。私自身、この2つの意味の違いが曖昧で、感覚で使い分けてきました。そんな日々に反省し、明確な違いをご紹介します。
前提1: 「lead」の日本語訳
まずは「lead」にどんな日本語訳が当てられているのか見てみましょう。「新規見込み顧客」というのが、一般的です。または、カタカナで「リード」と言われることもあります。私個人としては、「リード」という言葉は、ここ数年で少しずつ、知っている(英語としての意味、または、それに近い日本語を)人だけが使い始めてきたのかな、という印象です。
ただし、読む人によっては、いきなり「リード」と言っても、何のことか伝わらないことも多々あるでしょう。ですので、うかつに「リード」として表記してしまうのは避けるようにしています。
前提2: 「prospect」の日本語訳
続いては、「prospect」の日本語訳です。こちらには「見込み客」や「潜在顧客」という言葉が当てられています。これを「プロスペクト」と呼ぶのは、先に比べて、あまり一般的ではないようです。仕事の関係でカタカナ表記は目にしたことがありません。
「lead」と「prospect」の違い
ここからが本題です。どんどん面白くなっていきます。
日本語訳による違い
まずは、先ほどの日本語訳を注視してみましょう。面白いのは「新規見込み顧客」と「見込み顧客」の違いです。この2つの日本語を見て、違いを考え、核心を突くのは、簡単ではありません。ここからわかるのは、新しく見込み顧客になったのか、または、前から見込み顧客になっていたのか、という時間の違いだけのように思えます。
訳語を見る限りは、新しいか古いかの違いですが、本当はそうではありません。
詳しい説明からわかる違い
いろいろな英語のソースを見てみましたが、こちらのサイトのものが一番、簡潔に的を射ている気がしましたので、私なりの言葉にして、ご紹介します。できるだけ着色はないようにしていますが、ニュアンスの誤差はあるかもしれません。
“コミュニケーションの方向”で違いを明らかにする
- lead = 一方向のコミュニケーション
- Prospect = 双方向のコミュニケーション
「lead」では、コミュニケーションが一方向です。一番わかりやすいのは、ウェブサイトの購読者です。あなたのサイトを気に入って、ニュースレターに登録したとしたら、それは、ユーザーからあなたに一方向の情報提供(つまり、メールアドレス、そして、時に、名前を入力、送信した)がなされたことになります。
「prospect」では、コミュニケーションが双方向です。サイトの購読を例に取ると…それを経て、あなたの会社(サイトを運営している設定)のセールスレップが、そのユーザーに対してアプローチし、何らかの対話を行う状態を意味します。ちなみに、セールスレップ(sales rep)は「営業担当者」と訳されることが多いですが、それでしっくりくることも、そうでないこともあります。詳しくは、「sales rep/セールスレップの意味について」の記事をご覧下さい。
“売り上げまでの距離”で違いを明らかにする
- lead = 「prospect」の一歩手前
- Prospect = “成約”の一歩手前
難しい言葉な抜きにして説明しますと「lead」が「prospect」になり、そして、売り上げにつながります。例えば、あなたが、エアコンを製造、販売する会社を経営していたとします。マーケティング戦略として、エアコンの知識を広めるサイトを運営します。そのサイトで、ニュースレターに購読してくれた人が、「lead」だとすると、それを経て、セールスレップ(前述)が招待して、オンラインワークショップに参加してくれ、双方向のコミュニケーションを達成した人が「prospect」です。
最終的な売り上げ(先の例では、エアコンの販売というゴール)にたどりつくためには、お客さんの興味関心を捉えて、やりとりをすることで信頼関係を築いて…といった流れが必要になります。このプロセスは、マーケティングの世界ではファネル(funnel=「じょうご」の意味 *訪問者を“絞り込む”ことから)と呼ばれます。そんなプロセスの早い(浅い)段階にいるのが、「lead」であり、それよりも売り上げ(成約、または、コンバージョン)に近いところにいるのが「prospect」です。
つまり、通常は「lead」を経て「prospect」になり、そして「お客さん(何かしらの消費をする人)」になるという流れです。ですので、サイト運営者や会社からすれば、「lead」をいかに「prospect」に、そして最終的に「customer/client」に変えるのかが重要になります。
まとめ
ここまでを踏まえると「lead」と「prospect」の違いがかなり明確になるのではないでしょうか。ポイントは、どちらの方が、消費行動(サイトで言うところのコンバージョン)に近いかです。「lead」は「単なる訪問者よりも、興味を持ってくれている人」であり、「propect」が「販売にまでつなげられる可能性の見込める人」です。
両者を「新規見込み顧客」と「見込み顧客」と言い分けるのは、間違いではないのかもしれませんが、これを見るだけでは、大事な意味が理解できないでしょう。「売り上げ」という段階にどれだけ近いのか、という大事なポイントを理解した上で、適切な訳語を当てるのがいいのかもしれません。必要であれば、両者の違いを明確にするだけの、説明的な表現になるのも悪くないでしょう。
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