「膨大な電子機器」と「20代の死」
アフリカ大陸西部、ガーナ共和国に世界一巨大な、電子機器の投棄場があります。
その名もアグボグブロシー(Agbogbloshie)。(現地の人々の発音を聞いていると、どちらかと言うと「アッボブロシー」のようになっています)
ここにあるのは、山積みになった「壊れた」パソコンやテレビなどです。・・・とはいっても、使い方や使う人によっては、「使用可能」らしいのですが。
source and images: Agbogbloshie: the world's largest e-waste dump – in pictures
ガーナは、アフリカの中で最も経済成長を遂げている国のひとつです。世界中から高性能な電子機器が流れ込んでいます。しかし、使い終わった電子機器の処理に関しては、決して優れているとは言えません。
パソコンやテレビのような電子機器は簡単にリサイクルすることが出来ません。というのも、それらには毒性の強い化学物質が含まれているからです。化学物質を取り除いたり、扱ったりするのには危険が伴います。さらに、莫大な費用も必要とされるのです。
残念なことに、そんな状況で注目されるのが、違法な投棄です。捨てたい業者や個人がいれば、受け取ることでお金を稼ぐ人も。つまり、違法投棄が一種のビジネスを生んでしまっているということです。そんな構図の中でアグボグブロシー(Agbogbloshie)には次々と電子機器が・・・。
さらに若者がここにある電子機器を漁ります。お目当ては銅などの鉄です。毒性の煙があがる状況で彼らを襲うものは、やけど、不衛生なままの傷跡、目や肺の障害、ひいては喘息や食欲不振、ひどい頭痛や呼吸器障害・・・。ここで働く人の多くは、なんと20代のうちにガンで亡くなっています。
Adam Nasara (25):冷蔵庫から取り出したポリスチレンで火を起こしている。(※その火を使い、銅やその他の鉄から不必要なプラスチック等の物質を取り除くため)
パソコンの画面が川を渡るための橋として使われている。
Ibrahim Abdulai (23):このエリアを管理する“チーフ”。彼の下で働く者はいないが、このエリアで物を燃やすには彼の許可がいる。
Adjoa (9):投棄場で働く若者にビニール袋に入った水(ガーナでは一般的な安い飲み水)を売っている。この水は飲んだり、時には火の消化に使われる。
「使えそう」に見えるパソコンや電子機器は主に首都アクラ内で販売される。
Rahman Dauda (12):3年前からここで働き始め、友人と電子機器を燃やしている。「いつか学校に通いたい」と彼は語る。
Pieter Adongo (17):友人と写った写真を持つ。彼らは、「この状況で働くことが一時的であり、いつかは抜け出せる」と信じている。
John Mahama (21):不眠症とひどい頭痛に苦しみながらも投棄場で働き続ける。
Kwabena Labobe (10):この投棄場で遊ぶ。学校に行くことは出来ず、かといってここで働くことも親に禁止されている。
この投棄場には国外からの不要になった電子機器が集まっています。例えば、イギリスからのものが不法にガーナで投棄されている話は有名です。(参考:UK e-waste illegally dumped in Ghana) ここAgbogbloshieに、私たちの捨てた電子機器が辿りついているかもしれません。それが若者に燃やされ、有毒なガスを発し・・・。決して、関係のない話ではないということです。
かっこよくて、お洒落でスマートなイメージを持つ電子機器ですが、もうちょっと、「使い終わってから」に目を向ける機会を持ちたいものです。
参考ビデオ
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