今回扱うのは、ほとんどの日本人が知らないと思われる「map」の意味です。IT系の記事でよく出てくるのは、これを動詞として使うパターンです。もちろん「地図」という意味ではなく、別の意味があります。ご存じですか?それでは参りましょう!
一般的な「map」の意味
IT関係(特に、ウェブサイトの構築やカスタマイズという文脈で)の記事で私は、この「map」に何度も出会ってきました。なんとなくわかっていたのですが、知識を確認、整理するために、ちゃんと時間を取って調べてみることにしました。その結果がこちら。
まずは、Merriam Websterを見てみますが、それらしいものは載っていません。ご紹介しますと、こんな動詞での意味があります。
a: to make a map of
map the surface of the moon
b: to delineate as if on a map
sorrow was mapped on her face
c: to make a survey of for or as if for the purpose of making a map
d: to assign (something, such as a set or an element) in a mathematical or exact correspondence
map picture elements to video memory
簡潔に日本語にすると、こうなります。
- a:地図を作成する
- b:地図かのように〜を描写(delineate)する
- c:地図を作成する目的で、または、あたかもそうであるかのように、〜の調査を行う
- d:(組み合わせや要素などの何か)〜を数学的または正確な対応で割り当てる
ここで大事なのは、(一番やっかいな見た目の)「d」です。数学で使われるとのことで、もう少し調べてみると、日本語でいうところの「写像(参考:Wikipedia)」にあたるのではないか、という結論にいたりました。正直に言います。私は、この写像というものを全く知りませんでした。ちんぷんかんぷんです。
これの深掘りはせずに「mapがIT系の記事で使われる時に、どんな意味になるのか」という本題を探求し続けましょう。ただし、この数学的な意味があることは、なんとなく頭の片隅に置いておいてください。
IT分野での「map」の意味
そして、決め手となる、こちらのページ(StackExchangeのスレッド)に出会いました。テーマは「mappingが、プログラミングで意味することとは?」です。まさに、これですね。
そして、簡潔な答えがこちら。
It means matching items from one set with items in another set
「あるセットにあるアイテムを、別のセットのアイテムと一致/調和させることを意味する」とのことです。シンプルでわかりやすいですね。
また、(より複雑な定義に触れた後で)こんな説明もされています。
In the most general sense, “mapping” in programming means taking several things and then somehow associating each of them with another thing.
つまりは、こうです。「最も一般的な意味として、プログラミングにおける“mapping”は、“いくつかのこと/ものを取り、それから、何らかの方法でそれぞれを別のものに関連付けることを意味する」とのこと。
この「map」の意味は普通じゃないらしい
どうやら、この「map」の意味は、一般的に使われているわけではないようです。あくまでも、プログラミングの中での話。ですので、IT関係のコンテンツを読まない限り、この意味には一生出くわさないかもしれまえん。
どうやら、数学的な意味とも関係しており、さらに、プログラミングの中、意味のより確立した「map」関数としての意味があり…そこから派生したかたちで、広い範囲で「map」という動詞が使われているようです。ですので、辞書に載るほどの、確立された意味ではないのかもしれません。
しかし、私は、今まで何度も見てきたので、使われることは大いにあるということです。ここまでを踏まえて、(上記の、関数としての意味ではないときに)プログラミング文章における動詞の「map」の意味は、概ね「(要素やアイテム)〜を…と関連付ける、一致させる」という理解でよさそうです。
補足として、(あらゆる言葉—特に専門用語にあるように)この「map」には、狭義での意味と広義での意味があり、今回注目したのは、そして非常に注意が必要なのは、広義の方ですね。冒頭に「ほとんどの日本人が知らないのでは」と書きましたが、それどころか「英語ネイティブであっても、この分野に関わっていない限り知るよしがない」はずです。
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