日本人に馴染みの薄い「bootstrap」の3つの意味と使われる場面

 

 

今回扱うのは、こちらの単語「bootstrap」です。文字面から考えると…「boot(米=長靴、ブーツ, 英=靴)」の「strap(ひも)」なので、靴ひも…なんて思ったりしたいものです。

 

もちろん、今回この言葉の意味に焦点を当てているということは、「靴ひも」ではない、深い何かがあるということです。それでは、「bootstrap」の意味に迫りましょう。

 

bootstrapの1つ目の意味

 

まずは、文字通りのところからせめてみましょう。先ほどの話にだいぶ近いですが「bootstrap」というと、本来は、ブーツなどの靴のかかと側にあるつまみの部分を指します。靴を履くときに便利な部位ですね。

 

ちなみに、この「つまみ」ですが、もっと正確な名称があります。調べてみると、どうやら、プルストラップつまみ革というようです。

 

ですので、まずは一つ目の意味はこうなります。最も起源に近く、最もストレートなものです。

 

ポイント

一つ目の意味は「プルストラップ」や「つまみ革」です。

 

bootstrapの2つ目の意味

 

これを踏まえた上で、次の話に進みましょう。

 

私が今回出くわした「bootstrap」は、この靴の話ではありませんでした。そもそも、靴の話の文脈で、つまみ革を指しているなら、いちいち調べなくても直訳でわかりそうなものです。

 

その文章というのが「会社を立ち上げて、どのように、ここまでたどり着いたのか」という自伝のようなものでした。そこで「つまみ革はどうにも不自然」となりますね。

 

そこで、英英辞典を見てみると、こんな説明がありました。

 

Bootstrap, or bootstrapping, is a verb that comes from the saying, “to pull oneself up by his bootstraps.” The idiom implies a person is self sufficient, not requiring help from others. (引用元:TechTerms

 

「bootstrapまたはbootstrappingは、“つまみ革を掴んで自らを引き上げる”ということわざに由来する動詞。この表現は、ある人が自分の面倒を見ることができ[=self sufficient]、他の人の助けを必要としないことを意味する」とのことです。なるほど、これでわかりますね。そもそもが、”to pull oneself up by his bootstraps”という表現から来ています。

 

そして、今となっては、bootstrapは「一人前になる、自立する、(企業として)事業を確立する」というような意味で使われています。私が実際に目にした例では、スタートアップ企業としてはじめた事業が多額の利益を記録するところまで成長した、という文脈で利用されていました。もちろん、ここでは「他の人の力を借りずに、創設者である自分たちだけで、自力で」という意味合いが込められています。

 

【2021年12月追記】上の説明で大事な点が抜けていました。資金面での話です。そうです、「bootstrap」という言葉には、「(資金面で)外からの資金注入なしにやっていく、成り上がる」という意味(ニュアンス)があります。

 

ですので、「資金」という面が重要になります。こんなサイトの表現を参考にしましたので、引用しておきます。

 

Bootstrapping is the practice of self-financing a business. Using only existing resources (translation: no venture capital or major loans), bootstrapped companies build their businesses from scratch. (引用元:Brex

 

これを翻訳すると、以下のようになります。

 

「“Bootstrapping”とは、自己資金でビジネスを行うことです。既存の資金(訳注:ベンチャーキャピタルや大規模な融資は使用しないで)のみを使用して、ゼロからビジネスを構築すること。

 

…とのことです。やはり、「自己資金で」という部分がポイントになりそうです。最近の私の感覚(記事を最初に執筆した頃よりも多くの例を目にしてきました)ですと、「他から借りていない、資金援助を受けていない」というのがとても大事な意味となっているようです。

 

ポイント
二つ目の意味が「(会社として)一人前になる/成功する」です。

 

ちなみに上の日本語訳は、他のサイトで実際に紹介されていた文言ではありませんが、実際に私が目にした英文では、このような意味がしっくり来ましたのでご紹介しています。

 

bootstrapの3つ目の意味

 

そして、最後に、割と有名な意味です。それが、IT分野で使われる「bootstrap」です。再びTechTermsからの引用となりますが、ITでの話だと、以下の意味になります。

 

in the computing world, bootstrapping describes a process that automatically loads and executes commands.

 

「コンピュータの世界では、bootstrapはコマンドを自動的に読み込み実行するプロセスを意味する」とのこと。どうでしょうか?場面や状況は違うものの、二つ目の意味と何か近いものを感じませんか?どちらの根幹にも「自らが」という意味合いが、しっかりと存在しているのがわかるはずです。

 

ポイント
三つ目の意味が「コマンドを自動的に読み込み実行するプロセス」です。

 

まとめ

 

それぞれが、全く違う分野やトピックの話なので、実際にどれにあたるか迷うことはほとんどないでしょう。

 

特に私が気になった(そもそも、この言葉を調べるきっかけになった)のが、2つ目の「bootstrap」です。まだ、どれだけの事例や一般性で、起業などの場面で使われているかは、私自身、検証できていませんが、非常に便利な表現だと感じています。

 

 

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