Moreの意味:Moreを“より”と日本語訳してしまう恐怖

 

 

たまに、“more”の日本語訳に違和感を抱きます。例えば、英語の文で“More convenient”などには、よく出くわします。それこそ日常的に(アプリの長所の説明などで)です。これを“より利便性の高い”と訳してしまうと、なんとも言えない違和感を抱くことがあります(これ自体が変な日本語というよりは、短い文章の中で何度も連発された場合に違和感を抱くのかもしれません…)。英語からの日本語訳として考えれば、決して無理は無いのですが、どうしても、独立した日本語としては、どこか気持ち悪さを感じますね。

 

「より便利」と言われたら、「何より便利なの?」と瞬間的に感じてしまいます。英語では、(例えば、あるアプリの話であるなら)“他のライバルアプリよりも便利”ということが(明記されていないけども)暗に意味されているのでしょうが、それを直接的に日本語にしてしまうと(「〜より」という比較対象が存在しないままだと)、しっくり来ないものです。例を挙げると、以下のようになります。

 

  • More reliable →「より信頼性の高い(何より信頼性が高いの?)」
  • More sophisticated →「より洗練された(何より洗練されているの?)」

 

そんな時には、この“more”の根本を考えるのが、いいのではないでしょうか。moreの後には、普通、than~(~より)が続きます。それが無いということは、基本的に、比べる対象が、明白で、読み手がわかるということです。そこで、moreの日本語訳が気持ち悪い時には、“〜より”を文章に加えてしまうのがいいのではないでしょうか。例えば、以下のようになります。

 

  • More reliable →「より信頼性の高い(何より信頼性が高いの?)」→(改善)→「市場に出回る他の地図アプリを凌ぐ信頼性」
  • More sophisticated →「より洗練された(何より洗練されているの?)」→(改善)→「従来の靴には無かった、洗練されたフォルム」

 

もちろん、このやり方には、“行き過ぎ”という危険性が介在します。例えば、“他の全てのブラウザアプリを凌ぐスピード”と言っても、実際には、そのアプリよりも素早く動作するブラウザアプリが存在するかもしれません。このような理由から、行き過ぎの無いように気をつけながら、“〜より”の部分を解釈したいものです。

 

 

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