2つの要点で知る英語での「kanban」の意味と日本語での解釈の仕方(IT&生産現場)

 

今回は「kanban」という英語の意味に迫りたいと思います。これは、すでに英語としての揺るぎない市民権を獲得していますが、元々は日本語(「かんばん、看板」)です。しかし、面白いもので、言語間の壁をまたぐと、多くの場合、それぞれの言葉の定義が完全には一致しないものです。

 

以前、切腹は英語で何と言う…?でも触れましたが、この違いにより、混乱してしまうことがあります。ちょっとした定義の範囲の違い(つまり、言葉の文節の違い)に注目しながら「kanban」の意味を考えてみましょう。

 

1. まずは一般的な「kanban」の意味から

 

Image: smartsheet

 

私の場合は、以前から「kanban」が英語としても使用されていることは知っていました。一般的な(あくまでも、私の経験上、より普及していると思われる)意味では、「kanban view」や「kanbabn board」といったフレーズで使われることがあるのですが、簡単に言えば、ホワイトボードの整理したレイアウトです。

 

言葉よりも、上の「画像です」と言った方が、伝わりそうですね。

 

ホワイトボードとポストイット

 

こんなイメージをしてください。ホワイトボードがあって、そこにポストイットがたくさん貼られている状態。乱雑に貼ると、それぞれが何を意味していて、どんな位置付けなのか、わかりませんよね?でも、「kanban」であれば、理路整然としていて、とっても見やすい。

 

非常にシンプルな説明になってしまいましたが、こういうものです。ITソフトウェアでよく使われていますが、その文脈では、「画面に様々なカードがあり、それが整理されている状態」が想起されます。例えば、Trelloを使ったことのある人ならば、カードが並んだ画面が想像しやすいと思います。

 

2. 生産現場での「kanban」

 

続いて、生産現場で使われる「kanban」です。これについては、つい最近になるまで知りませんでした。医療関係のお仕事を英語で手伝わせてもらった時に、この「kanban」が出てきました。文脈としては「kanban」として、病院に、ある機材を納入する、というものです。わかりますか?

 

私は…「なんのこっちゃ?」という感じでした。そこで関係者に説明をお願いしてみると、実はこれは「かんばん方式」であることがわかりました。この日本語…ご存知ですか?業界関係者でないと、知らないかもしれません。私も知りませんでした。

 

この「かんばん方式」というのは、説明すると、非常に長くなります。ものすごく(私のような)初心者向けの説明にしますと「在庫がなくなった分だけ、無駄なく追加する」システムです。詳しい方には「そんな、簡単な言葉じゃ、言い表せないぞ」とお叱りを受けそうですので、詳細はこちらの外部ページをご覧ください。

 

この「かんばん方式」は、どうやらトヨタの生産現場で(もとを辿れば、スーパーマーケットでの手法をお手本にしたらしいが)生み出されたシステムのようです。これが、世界のあらゆる生産現場で採用されています。

 

なぜ「かんばん」と言われるのかはわかりませんが、このシステムではカードやタグが使用されています。これらを在庫に貼り付けたり、取ったりして、無駄が生まれないようにしているとのこと。このカードの部分が、冒頭に登場した「kanban view」や「kanban board」のカードと共通していますね。

 

まとめ

 

日本発の「kanban」が世界で大活躍しているのは、すごい誇らしいことですね。だからこそ、鼻高々になるためにも、この英語が使われた場合には、文脈に則して、正しい理解をしたいものです。

 

二種類の「kanban」が登場しましたが、それぞれ、以下のような意味です。

 

  1. プロジェクトマネージメント:ホワイトボードにポストイットが張り付いたような管理画面を使って、視覚的かつ直感的にプロジェクトを管理できる方式
  2. 生産現場:カード(やタグなど)を在庫と連動させることで、在庫管理の無駄を省く方式

 

ちなみに、生産現場での「kanban」の数ある特徴の1つとして「顧客による需要が、在庫の補充にそのまま反映される」というものがあります。考えてみれば、当然であり、非常に合理的ですね。これで、どの商品がどれだけ「さばけている(売れている)」のかが、一目瞭然になります。

 

 

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