「marginal」というのは厄介な単語です。ネイティブでも誤解されがちだとされているのですから、日本人である私たちが正しく理解するのが困難なのは、言うまでもありません。日本語訳に惑わされずに、中核にある最も大事な意味、そして、具体的な使用例もあわせてご紹介します。
「marginal」の意味
日本語では「境目の, 縁にある」といった意味です。しかし、これだけでは、正しい理解だとは言えません。もう少し踏み込んで、意味を探ってみましょう。
Bryson’s Dictionary of Troublesome Words…には、こんな説明が書かれています。
「marginal」の正しい意味と使い方
…used to describe something falling near a lower limit
日本語にすると…「下限近くに下がっている何かを表現する」ということです。例えば、「a marginal profit(限界利益)」が文句のつけようのない使い方です。
「marginal」の避けるべき使い方
同書には「marginal」の避けるべき使い方、ありがちな誤解も書かれています。
But it is a lame choice when all you mean is small or slight…
日本語では…「しかし、“小さい”、“少し”を意味するためだけにこの単語を使うのは、いただけない判断…」ということです。ダメな例として「There has been a marginal improvement…」という例が紹介されています。
上の例では明らかに「marginal」が「わずかな」という意味で使われてしまっているので、これは是非とも避けましょうということです。繰り返しになりますが、「下限ぎりぎり」である何かを表現する時に使えば、文句なし(unobjectionable)です。
「marginal」の具体的な使われ方
「marginal」はこんなふうに使われます。
marginalの例
上の例を見ることからも「marginal」にある「下限ぎりぎり」という意味がよくわかります。
おまけ:「margin」は2つの量の差を表す
ちなみにですが、「marginal」の名詞は「margin」です。これは何かと言うと、ある2つの量の差です。
つまり(これについても、先の本の中で紹介されていることの言い換えですが)例えば、サッカーチームAが3点で、チームBが0点を獲得したら、3-0というスコアです。これを「margin」を使って表すと「The team A won by a margin of three(3点差で勝利)」となります。決して「a margin of 3-0」ではありません。
これは、つまり、「margin」が範囲(AからB)ではなく、差(AとBの開き)を表すということです。
確かに考えてみれば、原価と売値の差のこと(利ざや)をマージンと言いますね。この例からも「margin」が範囲ではなく差や開き具合を意味していることが確認できます。
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