5つの要点で知る「enable」と「activate」の意味の違い(+脱「有効化」のススメ)

 

今回のテーマはenableとactivateです。どちらも正直、大好きな言葉ではありません。英文を読んでいて出くわすのはいいのですが、「日本語にしなくてはいけないとき」がとても、うっとうしいのです。気持ち悪さやイライラを何度も経験してきたからこそ、他の同じ思いの誰かのお役に立てるように、私の持ち得る情報を共有します。

 

1. enableとactivateの嫌な日本語訳

 

きっと、私と同じ嫌な気持ちになっている人もいるはずです。このenableとactivateの日本語訳として一番よく使われているのが、「有効にする」や「有効化する」ではないでしょうか。気持ち悪いですね。どうもたどたどしく、しっくりきません。

 

2. enableとactivateの意味の違い

 

そんな気持ち悪い日本語訳に本気のパンチを喰らわせるために、正しい意味を理解しておきましょう。あらためて明快な説明を探していたところ、Redditのこんな投稿に出くわしました。

 

enable vs activate ?
I try to find out the difference between enable and activate. In my main language German both translate to the same.

I want to use it in a tool to activate/enable a special view. To make it easy lets take “dark view” as example. What would be correct:

“enable dark view” or “activate dark view”

and do this 2 sentence have a different meaning for a native English speaker?

 

上の質問は「enableとactivateの違い、教えてよ」という趣旨です。質問者さんはドイツの方で、ドイツ語では、どちらも同じ訳になるので、困っているとのこと。私自身、大学でドイツ語は勉強しましたが、そんなところまで、気づいたことはありませんでした(ドイツ語については、「世界一難しい言語とは?」についてのこちらの記事をどうぞ)。

 

これに対する答えが、クリアでスッキリしました。下にご紹介します。

 

“enable” means “allow or assist to happen”. You can enable something by providing an object which is needed by someone or something else (or they can do it themselves), i.e. “buying these boots will enable me to climb the mountain” – the implication is that you couldn’t climb the mountain without boots, or if you could then it wouldn’t be easy. You can also enable someone simply by not doing something – people sometimes describe those who don’t do enough to stop alcoholics from drinking more as “enablers”.

In other words, “enable” is very indirect.

“activate”, on the other hand, is very direct. “activate” means “make something active when it was inactive”. You activate a machine, for example. Or Dark View. You aren’t assisting here, you are directly assuming control of the process.

 

全ての訳出はしませんが、ここから大事な部分をお伝えします。

 

enableの意味

 

「enable」とは、「発生を許可または支援する」ことを意味し、誰かまたは他の何かが必要とするものを提供することで、何かを「可能にする」…とのことです。

 

こんな例が続きます。靴を購入することで、山登りができる。もともと山に登ることができなかった状態が、その靴を経ることにより、可能になったということです。非常にわかりやすいですね。

 

ここからは私の解釈と補足ですが「can not」が「can」になるというコアのイメージを持つとわかりやすいかと思います。

 

activateの意味

 

続いて「activate」の意味です。「activate」とは「停止状態」だったものを「稼働状態」にすることを意味します。もちろん、パソコンなどの機械であれば「停止」と「稼働」でしっくりきますね。

 

そういえば「activate」って、どんな文脈や分野で使われることが多いかな。そう考えて調べてみると、圧倒的に機械、IT関係が多いようです。Googleの検索から、「how to activate」と入力すると、自動で以下のように表示されます。

 

  • Windows 10
  • Siri
  • Facetime
  • Airdrop
  • Microsoft Office

*本当は全て小文字で表示されています。

 

このように「activate」とされるもののは、多くが機械、IT系だと考えて差し支えないでしょう。

 

ここで重要なポイントとして「activate」は、直接的に「稼働状態にする」という意味を持ちます。続きをご覧ください。

 

3. enableとactivateの強制度の違い

 

強制の度合いから「enable」と「activate」の違いを考えるとすごいわかりやすいです。

 

enableはサポート役

 

「enable」はその対象をサポートします。先ほどの靴であれば、山登りをできる状態にしてくれます。実際に山登りをするかどうかは、あなた次第です。

 

activateはオレオレ系

 

それに対し「activate」は「行動あるのみ」といったところでしょうか。直接的に「オフであるもの」を「オンの状態」にします。簡潔であり、シンプル。レバーをOFFからONへガシッと動かすようなイメージです。スイッチでもいいのですが。

 

4. 私が実際に出会ったenableとactivateの紛らわしさ

 

もう誰でもウェブサイトが作れる時代です。コーディング技術がなかろうと、問題ありません。サイト構築の火付け役とも言えるであろうオープンソースがあります。それがWordPressです。知らない方のために簡単に説明しますと、要は「誰でも、簡単にウェブサイトを作れるようにしたいよね」という素敵な人たちによるプロジェクトです。

 

WordPressさえあれば(もちろん、他にサーバーやドメインなどは必要ですが)、あらゆる種類のサイトを構築することができるわけです。そんなWordPressのある記事を英語と日本語で読んでいるときに、問題が起きました。

 

enableもactivateも有効化

 

WordPressではテーマやプラグインというものがあり(詳しい説明は省略します)それを、サイトに適用することを「有効化」と言います。もともとは英語で「activate」です。考えてみてください。スイッチをONにする行為ですから「activate」です。

 

ここまではいいのですが、なんと「enable」という表現も出てきました(気になる方のために補足しますと、マルチサイトでの「ネットワーク有効化」です)。ここで事故が起きそうな予感がしますね。なんと、日本語では「有効化」となっています。そうです、「enable」も「activate」も「有効化」で処理されてしまっています。

 

非常に紛らわしいですね。もちろんWordPressで日本語化をされた方を責めるつもりはありません。むしろ、色々と難しい部分があったと思います。そんな私からのメッセージは「使う側の方、お気をつけください」です。

 

5. enableとactivateに対するそもそも論

 

もしある人が私に「そもそも、enableは“可能にする”で、activateは“有効にする”で、使い分ければいいんじゃないですか!?」と正論を投げかけてきたら、私は、ただ黙ってうなずきます。まあ、今回は、気持ち悪さを感じたおかげで、両方の深い意味を考えることができた。それだけで、いいことにしましょう。

 

 

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