今回も、ご多分に漏れず、非常にマニアックなテーマです。とはいえ、サイト制作、ブログ運営、Webデザインといった、キーワードに関係のある人ならば、必見です。それでは、フォトギャラリーでよく目にする「masonry」と「justified」の意味と違いに迫りましょう。
後半では、私がどうしても許せない、矛盾(だと思われるもの)についてもお伝えします。
フォトギャラリーの「手つかずの英語」たち
ウェブサイトで画像をきれいに紹介するためのものとして、WordPressには、フォトギャラリー系プラグインというものがあります。これに関係するお仕事を、何度か英語でしてきました。そこから、感じるのがこれです。フォトギャラリーのレイアウトの話になると、「英語表記のままである言葉」が多い。
レイアウトの種類として、「masonry」と「justified」は、日本語の説明であっても、大抵、英語表記で登場します。まだ、完全な訳語が定まっていないのでしょうか。カタカナで言うならば、それぞれ「メイソンリー」と「ジャスティファイド」です。これが、いつの日か、日本で定着するかもしれません。
「masonry」の意味とレイアウト
「masonry」の意味は「石/レンガ造り(の構造物)」です。ちなみに、(都市伝説好きが歓喜する)フリーメイソンの「メイソン」はもともと「石工」から来ているようです(石工職人のギルドであった名残)。
そして、「masonry」の実際のレイアウトは以下の通りです。
「masonry」レイアウト=縦が揃っている
「justified」の意味とレイアウト
「justified」の意味は、ここでは「揃っている」となります。普通、会話で「justify」というと「〜を正当化する」の意味が一般的ですが、デザインの話になると「並べ、揃える」という意味合いになります。ちなみに、「left-justified」で「左揃え」、「right-justified」で「右揃え」です。
そして、「justified」の実際のレイアウトは以下の通りです。
「justified」レイアウト=横が揃っている
各種デザイン系の(英語の)サイトを調べた結果は、このようになりました。ここまでは、スッキリです。しかし、一つだけ、気に食わないことがあります。
どうにもネーミングが気に食わない
「masonry」の意味は「石/レンガ造り(の構造物)」とお伝えしたとおりです。これを検索してみると、ふつう、レンガ造りの壁の画像がでてきます。レンガの壁を考えてみてください。
縦と横、どちらで整列していますか?
正解が、こちら。そう、横を軸とした並びです。上のレイアウトと比較すると、どちらに似ていますか?…そうです、レンガ造りが「justified」のレイアウトになっているのです。反対です。
私は、どうしても、このズレ(と感じているのは、私だけでしょうか…)が気になって、気持ち悪いのです。壁の話をする時の「masonry」は間違いなく、上の画像のようなものです。
でも、Webデザイン、フォトギャラリーのレイアウトとなると、途端に、縦を軸にした整列に。なんとも、気持ちが悪い話です。大事件ですね。
「justified」が「レンガ状」と呼ばれている
他の日本語サイト(デザイン系)を見ていると、そこでは、「justified」が「レンガ状」と表現されていました。(そのサイトは決して何も悪くないのですが)もう、矛盾を認めた言い方です。もはや「レンガ」と言ってしまっています。そして、レンガなのであれば「masonry」であって欲しいわけです。
今回は、そんな憤慨を抱えたまま、皆さんに判断を委ねます。
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