「under the same umbrella」の意味と変則的な訳し方(ビジネス関係で頻出)

 

今回扱うフレーズは「under the same umbrella」です。意味が分かりやすそうで、しっくりこない。そんな経験がありましたので、まとめておきたいと思います。

 

そもそも、ここで言う「umbrella」は「under the umbrella」というフレーズで紹介される、そして使われるのが一般的です。これの意味は「〜の傘下で、〜の保護のもとで」となります。傘の下なので「傘下」という訳は、日本人にとっては、非常にストレートで分かりやすいですね。

 

しかし、この日本語訳ではしっくりこないこともあります。例えば、こんな例です。

 

Many organizations provide A and B packages under the same umbrella.

 

AとBはそれぞれ、製品の種類です。ここでは重要ではないので、あくまでも商品のまとまりについて話しているとご理解ください。これは「同じ傘下で〜を提供している」ではしっくりきません。普通、日本語で「傘下」がしっくり来るのは「ある会社が、もう一つの会社の傘下に入る」状況です。

 

つまり、登場人物が両方、会社や組織である時には、しっくりきます。ちなみに、上の場合の「傘下」は「ある会社が吸収合併されて、連結子会社になった」時に使えます。

 

では、今回のテーマである、ものが主体となった時には、どうすればいいのでしょうか?色々と調べてみると、ここで言う「umbrella」が「組織、会社、ブランド」を意味することが分かります。そこで、「同じブランドのもとで、A、Bというパッケージを(両方とも)提供している」という意味になります。これならしっくりきますね。

 

*注意点として、決して「umbrella」=「ブランド」と言っているわけではありません。「一つのまとまりの中にある」という意味合いから、文脈を考慮して「組織、会社、ブランド」と訳せることがある、ということです。

 

ちなみに上で“両方とも”としたのは「umbrella」という言葉に内包されている意味合いを考慮して、敢えて強調したものです。ルミナス英和辞典によると、これの語源はラテン語の「小さな陰」とのことです。つまり、何か大きな存在の下に、何か(それが単数にも複数にもなり得る)が入っている、という光景が連想されます。

 

複数のものがここで言う「傘」の下にある時、それらは、共に、同じ「日陰」にまとまって入っていることになります。他の場所ではなく「その下」に共に存在するという部分が感じ取れます。

 

このように「umbrella」がしっくりこない時には「組織」としての意味合いから訳語を探るのは便利かもしれません。ちなみに同じくルミナス英和辞典によると、「an umbrella organization」は「包括的組織」という意味になります。そして、「an umbrella term」は「包括的用語、総称」です。ここからも「umbrella」に「傘の下で、あらゆるものをひとまとめにする/グループにする」というニュアンスがあることが分かります。

 

 

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