IT系の文献を読んでいるときに、気になる表現に出くわしました。それは「at rest」です。普通であれば、「安静で、静止して」という訳語を思いつくかもしれません。
しかし、ITの分野ではこれとは違う意味でよく使われます。試しにオンラインで調べてみましたが、なかなか見落とされがちなようです。しっくりくる訳語を掲載するサイトが、見当たりませんでした。
1. 「at rest」のIT分野での意味
結論から言うと、ITの文脈では、よく「保管時(の)」という意味で使われます。なんとなく知ってはいましたが、改めて考えてみると面白い例外的な表現です。
訳語だけ見ると以上のように「例外的」だと感じますが、実際のところはどうなのでしょうか。そもそも「at rest」は、「ある場所に(動かずに)とどまっている」ことを意味します。
2. 「at rest」をデータに当てはめ考える
これを、データという文脈に当てはめて考えてみましょう。データが「at rest」な状態とは何でしょうか。データは、日々動くものです。フォルダAからフォルダBへ。デスクトップから、ドキュメントへ。そんな具合です。
そんなデータが「at rest」であり、とどまっている状態とは…そう「(ある一定の場所で動かずに)保管されている」ということです。これの対義語的に使われる言葉が「transfer」です。これは、データを「転送」することを意味します。
つまり、転送されていない、どこかにとどまっている、そんな状態が、「at rest」ということになりますね。まとめると、データが「保管時」であることを指します。
3. 「data at rest」の意味
結果的に、「data at rest」の意味は「保管(状態の)データ」となります。動いていない、一箇所に鎮座しているデータですね。これの発展形として、もう1つの表現をご紹介します。
4. 「at rest encryption」の意味
一歩先に進んで、こんな例もあります。「at rest encryption」です。ここまでの学びを使えば、自ずと答えは出るはずです。どういう意味になりますか?正解は…「保管時の暗号化」です。
これは、普通に使われる言葉です。ここで感じ取りたいのは「転送時ではなく、保管時」という点です。パソコンから他のパソコンにデータを転送する際に暗号化が適用されるのではなく、保管時にそれが適用される、ということですね。
最後に
今回は、意味はわかりやすいけど、日本語にするとしっくりこないことのある「at rest」のIT分野での意味をご紹介しました。個人的には、特にデータについて使われる場面を、多く目にします。
今回のポイントは「一箇所にとどまっている」という原義です。パソコンの中に居座っている、保存されているデータに使われます。
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