今回は、図書館という文脈における「loan(ローン)」の意味です。おそらく、多くの日本人がパッと頭に思い浮かべる意味とは違います。それでは、実際にどのような意味なのか見てみましょう。
図書館における「loan」の意味
図書館で「loan」は「貸し出し」という意味で使われます。この場合、決して「融資」というお金の貸し借りに関係した意味ではありません。本を貸し出すという意味です。
日本語でもカタカナで「ローン」という言葉があることから、どうしても「loan」という英単語を見ると、「借金」の類いを想像してしまう人が多いのではないでしょうか。だからこそ、要注意です。
もう少し発展して、例えば、「Interlibrary Loan(図書館相互貸借)」という言葉もあります。これは、図書館同士による、相互の助け合いの一種で、図書館Aが図書館Bに図書を貸し出してあげる、というものです。英語では「Interlibrary Loan」を略して「ILL」などと表記されます。
「loan」という動詞について
上述のように「loan」が名詞として使われることはいいのですが…動詞となると、ある程度の議論の余地があるようです。というのも、これについて、Bryson’s Dictionary of Troublesome Words…で面白い記述を目にしました。
Loan as a verb (“He loaned me some money”) is now more or less standard in America and is found increasingly throughout the rest of the English-speaking world.
これを日本語にすると…「動詞としてのloan(「He loaned me some money/彼がお金を貸してくれた」)は今やアメリカでは多かれ少なかれ標準的であり、他の英語圏でもますます見られるようになっている」ということです。
これに続いて、1542年の英国議会制定法 (Act of Parliament in Britain)で動詞としての「loan」が登場している、とも紹介されています。というわけで、実は、歴史ある用法ということです。
Cambridge Dictionaryにも、動詞としての「loan」が掲載されています。そこでの意味は、以下の通りです。
to lend something to someone
おそらくご存じの通り「lend」は「〜を貸す」という意味です。ですので、実質、これと同じ意味で「loan」を使うことができる、ということがわかります。ちなみに、同ページでは「loan (the) money(お金を貸す)」と「loan (my old) book(s)(本を貸す)」というフレーズが紹介されています。
さいごに
今回は、図書館における「loan」から始まり、動詞としての用法まで考えてみました。まずは「loan」が「必ずしもお金の融資や借金に限定されずに使われる」という前提から正しく理解しておきましょう。日本語にある「ローン」に惑わされがちです。そして、図書館での「貸し出し」という意味でよく使われます。さらに、動詞としても、「〜を貸す」という意味で使われます。
図書館については、以前に「patron」という言葉を扱いました。
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