「妖精の輪(Fairy Circles)」–名前からして、この世の物でない何かを想像してしまいます。絶景でありながら「何これ?どういうこと?」という疑問の尽きない不思議な景色をご紹介!
Useful source: Fairy Circles
地表に「謎の輪」が…?
地表にいくつもの輪が形成されています。しかも、現実のものとは思えないほど美しい形です。くっきりしています。しかし、人工物ではありません。実在する上、「恐らく自然に発生したもの」とされています。
この不思議な光景「妖精の輪(Fairy Circles)」が位置するのは、アフリカ南部にある国ナミビア。普段人が足を踏み入れない場所に、まるで「10円はげ」のように、小さな斑点が形成されています。
UFO説も囁かれる
その神秘的な見た目から、「妖精の輪(Fairy Circles)」と呼ばれるようになり(「10円ハゲ」と命名されずに一安心)、神の足跡であるという地元の説から、「UFOのホットスポット」とする世界的な説まで様々な話が飛び交っています。
正真正銘の自然現象
しかし、妖精の輪は決して、「やらせ」が疑われる、マユツバものの超常現象の類ではありません。化学的な研究により、これらの輪は自然に発生するだけでなく、まるで生きているかのように成長したり縮んだりするということが明らかになりました。
輪の内側や周辺の土壌を調べても、変わった昆虫や寄生虫、菌も見つかりませんでした。これまでの研究で分かったことといえば、いたずらではないということくらいです。
カビや胞子…それとも風?
この現象に関する有力な説の一つは、草を枯らすカビや胞子が原因だというものです。これらは放射状に成長するので、確かに奇妙な円形が発生する理由にはなりそうです。また、もう一つ、風や土壌による侵食が原因だという説もあります。こちらは奇妙の形状ができる理由の説明としては不十分ですが、他の場所でも観察されており「草の生えない斑点」を引き起こすことがあります。
あらゆる可能性が捨てきれない
今のところ、この奇妙な現象は地元住民だけでなく、世界中の植物学者、UFO愛好家を魅了し、関心を集めています。現在のところ確実に言えるのは「謎に包まれている、不思議な場所だ」ということです。
実は1920年頃から知られていた
妖精の輪は随分前から認識されていて、非公式にはその存在について長年、語られてきました。1920年代の技術的な文献で初めて正式に話題に。その後も断続的に調査がなされ…20世紀の第四半期に研究が本格化しています。
ヒンバ族によると…

ナミビアのヒンバ族の言い伝えでは、この輪は神や霊、自然の精霊の仕業だとされています。地元のブッシュマン(サン人:カラハリ砂漠に住む民族)は伝統的に精神的な魔法の力を神々と結びつけてきました。具体的には、「彼らの祖先であるムクルが妖精の輪の形成に関係がある」という説や「神々の足跡である」という説が信じられています。
ちなみに、上に出てきたサン族の言語は非常に興味深く、コイサン語族というものに分類されます。会話の中には、クリック音(舌打ちのようにして音を出す)などが使われます。この言語については、世界一難しい言語についての記事で触れています。
あなたの考えは…?
さぁ、あなたはどの説を信じますか?カビや胞子なのか…風のせいなのか…UFOなのか…精霊の仕業なのか…それとも、10円ハゲを患ってこの世を去った人々の呪い(?)なのか。今後の研究からは目が離せません。
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