カサブランカ在住の@Shunya_Ohiraがお届けします。
「何でカサブランカ在住の人間がラバトの観光を紹介するの?」とお思いでしょう。ただ、ご心配なく!カサブランカとラバトは電車でたった1時間。すぐ近所です。
世界遺産にも登録されたラバトの底力をとくとご覧あれ!
モロッコ在住の人間だから分かるラバトの観光
今からご紹介する内容には、実際にラバトに住むモロッコ人(つまり「ラバト民」!)からのお勧め情報が、ぎっしり凝縮されています。
1. ムハンマド5世廟 / Mausoleum Mohammed V
Images: MoroccoTR
まずはこちらのムハンマド5世廟。廟とは亡くなった人を祀る場所のことを言います。つまり、ムハンマド5世(モロッコの過去の国王)を祀る霊廟ということですね。ちなみにムハンマド5世は、フランスの植民地となっていた当時のモロッコを独立に導いた、力強い英雄として知られています。*モロッコの発音だとムハンマドというよりも、「モハメド」となるので、私はむしろそっちに慣れ親しんでいます。
このムハンマド5世廟には、不思議な神々しさを感じます。建物は奇麗な白で、それを取り囲むようにして、何人もの衛兵が凛々しく立っています。ここに来たら、衛兵と写真を撮らせてもらうのがお勧めです。そしてもちろん忘れてはならないのが、霊廟の中でしょう。吹き抜けになった空間は美しいの一言!天井の装飾は特に要チェックです。
タイミングが良ければコーランを読む(詠む)人を眺めることもできます。荘厳な雰囲気と絶妙にマッチして最高です。この空間で、モロッコ独立の立役者となった人物に思いを馳せてみてはいかがでしょうか?
さらにさらにセットで絶対に見ておきたいのが、この霊廟の向かいにある…「いかにも古い」ハッサンタワーでしょう。ただのタワー(塔)とは一味違う奥深さがあります。実は、このタワーは「未完成」なのです。普通モスクにはミナレットという塔がつくられるのですが、このハッサンタワーが、それの一部です。1195年に建造が始まり、当初は世界最大のモスクと世界最高峰のミナレットになるはずでした。しかし当時の権力者ヤアクーブ・マンスールが死亡したことで、このプロジェクトは中止になってしまったのです。
観光の際に見逃してはならない点はまだあります。例えば、ムハンマド5世廟とハッサンタワーの間にある柱の残骸たち。この光景はどこか映画のワンシーンかのような不思議な雰囲気を醸し出しています。(かくれんぼしたら…ちょっと楽しいかも?)さらに、ムハンマド5世廟の入り口すぐ脇には、小さな噴水(私が訪れた時には、水が出ていませんでしたが!)があります。ここの幾何学模様のデザインはとても繊細で美しいものです。是非ともズームレンズなどを駆使して写真を撮っておきたいものです!
2. ル・ドウ / Le Dhow
Image: Le Dhow
歴史の勉強をするとお腹が空いてきますね。ちょっと休憩しましょう。そんな時にお勧めなのがLe Dhow(発音:ル・ドウ)です。「Dhow」の意味は分かりますか?これの意味は「ダウ船」となります。これは、「インド洋・アラビア海などの沿海貿易用帆船(参照元:Weblio)」です。つまり、「歴史の深い、アラビア人が使用してきた貿易用の木の船」です。そんなオシャレな船が丸ごとレストランになりました!もう、この時点で「絶対行きたい」ですよね?さらに朗報があります。なんと、こんなにオシャレであるにも関わらず、決して高くないのです。
さらにお酒好きにもう1つのいいお知らせがあります。そうです、アルコールも飲めます。私が行った時にちょうど生ビール(フランス語:Pression/プレッシオン)が無くて残念でしたが、カクテルやワインなども幅広く揃っていました。座席は完全に海賊気分(←?)を味わえるつくりになっています。低めの椅子やゆったりとしたソファーがどーんと広がり、やはり海賊気分(←??)に浸ること間違い無しでしょう!
3. ウダヤのカスバ / Kasbah of the Udayas
タイトルだけ見ると「ウダヤ?…カスバ?何それ。オイシイノ?」と完全にハテナマークが頭の回りを飛び交いますね。一つ一つ、落ち着いて説明していきましょう。まず、カスバです。カスバとは簡単に言えば「城塞」です。壁を張り巡らせて、守りが固められたエリアのことですね。そんなカスバは色々な場所にあります(町にカスバを建造することは、そこを牛耳る人の権力を誇示する手段にもなったそうです!)。その中の一つの名前が、「ウダヤさん」といったところです。このカスバの中は何だと思いますか?お考え下さい…。
答えをお教えしましょう。二つあります。一つ目は町です。中には膨大な数の家がひしめいています。巨大な迷路のようです。さらに、海沿いには…とっても奇麗な庭園があります。その名も「Jardin Andalou / ジャルダン・アンダル(地図はこちらをクリック)」です。これは特に超お勧めです。「アンダル」という名前から気付いた人もいるかもしれませんが、これはスペイン南部アンダルシア伝統が息づく作品なのです!もちろん無料で入れますし、地元ラバトの人々にとっても、フラッと立ち寄る憩いの場になっているのです!カスバという「ものすごい戦闘をイメージさせるもの」の中に足を踏み入れると…可愛らしい庭が現れる!そんなギャップに私はやられました。ラバトへの移住も本格的に考えてしまいます。(決して広くはありませんが)それだけ素敵な場所なのです。
さあ、これだけでは終わりません。次はもっとカスバの中に入って行きましょう。驚くことなかれ、こちらも目を見張る「青と白」二色の町でございます!しかもこの光景は細い路地に入れば入る程…「外の世界」のことを忘れさせてくれます。メルヘンの世界に飛び込みたい人は絶対に訪れるべきでしょうね。地元の人々のセンスには脱帽です。青…白…と来て…次に真っ赤な花。コントラストが素晴らしい。カメラの充電をMAXにしてから来て下さいね。
実はもう一つ秘密の場所があります。本当だったら教えたくないのですが、仕方なく公開しましょう。先ほどの公園「ジャルダン・アンダル」に直結する小道があります。そこを進むと…小さなカフェがあるのです。このカフェがあるのは、カスバの“さきっちょ”です。つまり、崖のちょうど先端ですね。ここからの眺めは最高です。カスバから海を臨み、ラバトの歴史に浸りましょう!そして、嬉しいことにカフェや紅茶が激安なのです。ちなみにモロッコ語でお茶は「アツァイ」です。アツァイは小さなコップ1杯なのですが、たったの100円前後(安〜!)です。
4.スーク / Souk
Image: Writings from Rabat
スークをご存知でしょうか?スークとは、簡単に言えば「迷路のような屋外市場」です。屋外といっても入り組んだ家と家の間の通路にあったりするので、半屋外のような不思議な空間です。このスークは、モロッコのあらゆる都市にあるのですが…ラバトのスークは正直凄いです。ここを歩いた時の私の感想はこちら→「平和か!!」
どうでしょう?この気持ちがあなたにも伝わりましたか?普通、大都市のスークというと、人で混雑していて、途方もないくらいに「ねえ、買って行ってくれよ〜」と物売りに話しかけられるのです。落ち着いて品定めもできません。しかし、ここラバトのスークは違います。いつものようにスークをふらふらと30〜40分ほど歩きましたが、私にアプローチしてきた人は見事にゼロです。感謝の涙が頬を伝うかと思いました。
私が普段生活している町カサブランカはモロッコ最大の都市です。巨大で、時に“カオス”という形容がぴったりです。そんな町の生き方に慣れた私をそっと包み込んでくれたラバトの人たち。ありがとう。是非ともモロッコの複数都市を周遊する場合には、それぞれの雰囲気を比べてみて下さい。驚く程違うので面白いですよ。(カサブランカも奥が深くて面白い町です…是非遊びに来て下さいね…渾身のお勧め記事→見所!カサブランカ旅行のおすすめ観光スポットまるごと9選)
さすが…政治の中心地だね!
最後は少しだけ無邪気な(?)見出しになりました。
ラバトは政治の中心地です。主要大使館は全てラバトにあり、いかにも(私の感覚ですと)よい育ちの人々が住んでいる場所といった雰囲気です。
モロッコの中でも随一の治安と気持ちの良さです。
是非ともフラッと立ち寄って、「観光客としての忙しさ」から解放されてみるのはいかがでしょうか?
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