「eradicate」と「annihilate」の意味の違いがどうしても気になり、整理することにしました。どちらも非常によく似た意味を持っていますが、全く同じかと言えば、そうではありません。それでは、それぞれの英単語の意味の違いを見てみましょう。
「eradicate」の日本語訳
「eradicate」は日本語では「〜を撲滅する、根こそぎにする」という意味です。
「annihilate」の日本語訳
「annihilate」は日本語では「〜を絶滅させる、無にする」という意味です。
「eradicate」と「annihilate」の大事なニュアンスの違い
上の日本語訳の違いだけでは、どちらも同じように思えます。日本語訳だけでは頼りになりません。もう少しだけ踏み込んで、それぞれの意味の違いを考えてみましょう。
「eradicate」のニュアンス
「eradicate」はよく「病気の根絶」という文脈で使われます。例えば「AIDSを根絶しましょう」というシーンなどです。ちなみにこれは、イギリスの有名シェフが崖っぷちのレストランを改革する番組である『Kitchen Nightmares』のあるエピソードを先日見た時に出てきました。もちろんAIDSに限らず、以下のような使い方もできます。
eradicate
このように、病気や忌まわしき問題を解決するという意味で使われることが多いことがわかります。また「eradicate」は、多くあるもの、広く蔓延っているものを対象にする傾向にあります。つまり、1つの建物を破壊する…といった意味で使われる言葉ではありません。
「annihilate」のニュアンス
「annihilate」はより「破壊されるという帰結」や「それに伴う恐怖」が強調される傾向にあります。ラテン語「nihil」が要素としてあり、これは「何も残さない/残らない」ことを意味します。
annihilate
このように「annihilate」では対象をゼロにする、無にする、というニュアンスが強いことがわかります。軍事、天災、政治といった分野でも頻繁に使用される言葉です。
人に使われるのか物に使われるのか
辞書による明確な定義ではありませんが、ネイティブの感触として、このような違いも意識されるようです。
さいごに
「eradicate」と「annihilate」を日本語訳で見てみると非常に似通っていますが、実は、ニュアンスの違いがあります。前者は、病気や社会的問題を解決するという意味でよく使われます。後者は、戦い、天災などの話で使われる傾向にあります。
ちなみにですが、「annihilate」は最近、スポーツ業界のドーピングの問題を扱ったドキュメンタリー映画『イカロス/Icarus』で耳にしたのを覚えています。そこに登場するGrigory Rodchenkov氏が、ロシアという国に「annihilate」されると言ったことが、非常に記憶に残っています。なんとも言えない迫力です。
- 【焦った故に?】小型で可愛らしい「聖キリアキ教会/Church of Agia Kyriaki」 - 2022年6月9日
- 【危険なの?】飛行機内でコロナウィルス感染を避ける6の要点(+海外大手機関の見解) - 2020年11月6日
- どんな国?ジョージアという国を知る9の秘訣(ジョージアで有名なものなど) - 2020年8月24日
- 【探し物が多い人は必見】「rummage」の意味と使い方
- 【正義と恐怖?】「eradicate」と「annihilate」の意味の違い
- 【安全…じゃ終われない】1分で知る「safe」と「secure」の違い
- 【怒りの末に決着】「include」に“含まれる”本当の意味がこちら
- 【明快】「impractical」と「impracticable」の違い(TV番組でお馴染み)
- 整理すると30秒でわかる「imply」と「infer」の違いと関係性
- 【混同するとダサい】「hippie」と「hippy」の違いに要注意
- 【え?悪口なの?】使用を避けるべき「homely」の2つの意味
- 「fact that」は基本的に99%撲滅できる説(と例外をいくつか)
- 【要注意】英語での「facile」の意外な意味(+フランス語との比較)
エイゴノートトップページはこちらからどうぞ
エイゴノートのフィードはこちら↓