【驚きx恥ずかし】中世ヨーロッパに本当にあった奇妙な風習や流行11選

 

ヨーロッパは日本やアジア諸国から遠く離れており、私たち日本人からすると、その文化や風習は常に興味深いものがあります。そして、それは現代に限らず中世に関しても同じ。特に中世は時代的に貧しく、戦乱や疫病も蔓延していた為か、変わった風習が流行ったりしたようです。今回は、そんな中世ヨーロッパに存在した奇妙な風習や流行についてお話しします。

 

1. 先の長い靴が流行

 

中世ヨーロッパに本当にあった奇妙な風習や流行11選
Image: Wikipedia – Crakow

 

1330年代を皮切りに、先の長い靴が男性の間で大流行しました。つま先が細く長く装飾用に上に向かって伸びた形の靴が、最先端のファッションだと捉えられていたようです。この靴は発祥地であるKrakow(ポーランドのクラクフ)にちなんで「Cracow shoes」と呼ばれました。ちなみに、靴の先が長いほど、裕福で社会的地位が高いことを示すことができ、時にはクジラの髭で補強してまで長さを保っていたようです。

 

2. 男らしさの象徴はタイツ?

 

中世ヨーロッパに本当にあった奇妙な風習や流行11選
Image: Wikipedia – Henry VIII of England *東ローマ帝国滅亡(1453年)を中世の終わりと見ると、ヘンリー8世はギリギリ中世の後の人ということになる(1491年6月28日 – 1547年1月28日)

 

14世紀には、服装もすごく変わっていました。男性は筋肉質な体をアピールするため、際どいほど短い丈のチュニックにぴったりしたタイツを合わせていたのです。更にはこれに留まらず、コッドピースと呼ばれる詰め物をした袋をズボンの前側に下げて、男らしさの象徴とするファッションも流行りました。現代人的には、ちょっと恥ずかしい気がしてしまいますね。

 

3. 弓の練習は法律で課されていた

 

中世ヨーロッパに本当にあった奇妙な風習や流行11選

 

エドワード三世が治めた中世イングランドは弓の名手が多かったことで知られますが、この時代には、日曜日には必ず弓の練習をすることが法律で定められていたらしいのです。戦乱がいつ勃発してもおかしくない中世の世において、弓の使い手を常に揃えておくことは大事だったのでしょう。エドワード三世はイングランドを強国にしてフランスを相手に百年戦争を始めた人物なので、弓の練習を法律で課したことにも納得です。ちなみに、エドワード三世の在位期間は50年にも及んだそう。

 

4. 死者が出るほど危険なサッカー

 

中世ヨーロッパに本当にあった奇妙な風習や流行11選
Image: Wikipedia – Medieval Football

 

中世のサッカーには現代のようなルールがなく、参加者の人数も無限でした。このことから、サッカーには村中の人が参戦することもあり、蹴るのはボールではなく敵チームの人間だったとか。記録から、勝つためにはどんな手段を使っても許されることや、勝つために人を殺す場合もあったこと等が分かっています。1314年になってようやく、これを見かねたエドワード二世によって市中でのサッカーは禁止されたそう。中世ヨーロッパでは、現代のスポーツ精神とは真逆を行く攻撃的なサッカーが行われていたなんて驚きですね。

 

5. サッカーは悪を引き寄せる?

 

中世ヨーロッパに本当にあった奇妙な風習や流行11選
Image: Wikipedia – エドワード2世

 

現代でも世界的に人気があるサッカーですが、これは上記の4でも述べたように中世イングランドでも流行っていました。しかし、エドワード二世をはじめとして歴史上で何度かに渡って、市中でのサッカーが禁止に。しかも、禁止令が出されたのは、上記で触れた「死人が出る」という至極もっともな理由の他にもありました。その理由が、現代人からすると信じられないものなのです。なんと、「大きなボールを取り合って騒音が酷いため、神が禁止する邪悪なものを引き寄せる可能性がある。従って王に代わって市中でのサッカーを禁止する」とロンドンにお達しが出た記録が残っているそう。

 

6. 動物も裁判にかけられた

 

中世ヨーロッパに本当にあった奇妙な風習や流行11選
Image: Wikipedia – Animal trial

 

中世では人間だけでなく、家畜や虫まで様々な生き物が裁判にかけられました。実際、実に85もの動物裁判が記録に残っています。中でも中世は豚が危険な動物として有名で、人間の肉を噛みちぎったり、時には子供を食べてしまったり。そんな際に裁判にかけられた豚は大抵は有罪になり、絞首刑になったそうです。また変わったものでは、卵を不自然に産んだという理由で鶏が有罪になったり、ネズミへの判決として家屋から出ていくよう厳しい口調で要求するものまでありました。動物たちにとっても、中世ヨーロッパは決して住みやすい時代ではなかったようです。

 

7. 離婚裁判は戦いの場

 

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Image: Wikipedia – Trial by combat

 

中世の結婚そのものは家と家の取り決めによることが多く、恋愛とは無縁でした。それが理由かは分かりませんが、離婚も珍しくなかったようです。そして、離婚を争う際には男女が決められた武器を持って戦ったと言うから驚きます。まず、男性は腰の高さまである穴に入ってバットを持ち、女性は石が詰まった袋を持って穴の外から応戦したそう。この武器による離婚争いの記録は多く残っているのですが、実際にどのように勝敗を決めたかは謎で、双方の負傷は免れなかっただろうと推測されています。離婚裁判は泥沼の戦いになりがちですが、武器を使うとなると更に怖いですね。

 

8. 死を悲しむのはタブー視された

 

中世ヨーロッパに本当にあった奇妙な風習や流行11選

 

ペスト流行し、多くの人が望まない死に方をした時代的背景から、中世の人も死について悩んだそう。そこで、中世イタリアでは死を悲しんで大声で泣いたり手で顔を覆ったりするのを禁止し、罰金を科すことで社会の平穏を保っていました。また、疫病や戦乱で突然にして死を迎えるのは無様だとして、死を計画的に迎えられるよう準備することも中世ヨーロッパの様々な国において行われていました。こうした中世の人々の死生観や風習については、多くの絵画や天井画などに残されているそうです。

 

9. 罵りの言葉は多言語で

 

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中世ヨーロッパは移動手段も発達していたためか、中世イングランドに暮らした英国人は多言語を操る人が多かったそう。現代人が想像するように英語だけを話していたわけではなく、フランス語、ラテン語、ヘブライ語なども使われていたのです。それも、現代で考えられる多言語話者のイメージとは少し異なって、用途や場面に応じて適切だと考えられる言語が採用されていました。例えば、宗教にはラテン語やヘブライ語が好まれ、法律の話にはフランス語が選ばれました。今でも英語にはフランス語やラテン語由来の言葉が多いことからも、これには納得できますね。ですが、ひとたび喧嘩が勃発して汚い言葉で罵り合うときには、少し事情が違ったよう。こんな時、人々はどんな言語でも使えるものは全て使って罵倒したというから笑ってしまいますね。

 

10. 入浴習慣が定着していた

 

中世ヨーロッパに本当にあった奇妙な風習や流行11選
Image: Wikipedia – Public bathing

 

中世になると、身体を常に清潔に保つことが「教養の証」だと捉えられました。そして、現代のようにシャワールームもないので、清潔にすること=入浴することでした。そこで、人々はワインの樽を作るのと同じ技術で作られた風呂釜に入って入浴するのが習慣になっていたのです。町には公衆浴場や湯屋が作られたほど、入浴が習慣になったんですね。それから、入浴は医者によっても治療目的ですすめられ、腎臓結石の患者も入浴させられていたとか。ヨーロッパに入浴習慣はなさそうなイメージでしたが、中世の人たちはお風呂に入っていたと知ると少し親近感が湧きますね。

 

11. 秩序をひっくり返す祭り「万愚節」

 

中世ヨーロッパに本当にあった奇妙な風習や流行11選
Image: Wikimedia Commons

 

春になると、エイプリルフールの語源となった祭り「万愚節」を盛大に祝っていました。この祭りでは全ての秩序がひっくり返されます。つまり、万愚節のあいだは高貴な人と身分の低い使いの者が入れ替わり、召使が主人になり、少年が説教をし、お祈りは逆さまに読まれたのです。ちょっと不思議なお祭りですが、エイプリルフールをお祭りにしたような感じだとすれば楽しそうですよね!

 

最後に

 

以上、中世ヨーロッパの風変わりな習慣や流行について、紹介してみました。現代にはなくて良かったと思えるような危険な流行から笑えるものまで、想像以上に色んな風習があったようです。中世というと貧しく暗めの印象を持っていた人も多いかもしれませんが、現代の私たちと同じように流行を追ってみたり、日々の中で楽しみを見つけたりして暮らしていたんですね。

 

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