【デジタルノマドとは?】6つの要点で徹底解説(言葉の意味、必要なスキル、仕事の種類)

 

「デジタルノマド」という働き方を知っていますか?近年では多様な働き方が広まって来ているので、言葉だけは聞いて知っているという人も多いでしょう。でも、実際のところ「デジタルノマド」とはどの様な働き方なのか、よく知らない人も多いことと思います。そこで、この記事ではデジタルノマドという働き方について要点をまとめてご紹介していきます。

 

1. 「デジタルノマド」の意味

 

デジタルノマドの意味とは?-言葉としての解釈

 

一般的に、デジタルノマドとは「遠距離通信技術を用いて仕事をする人」のことと定義されます。この遠距離通信技術とは、簡単に言うと離れた場所でもコミュニケーションが取れる技術のことで、従来からの意味では電話やラジオなども含みます。とは言え、デジタルノマドに関して話す際には、主にインターネットのことを指すと考えれば良いでしょう。特に、これまではデスクトップ型のパソコンでインターネットも使いながら仕事をするのが主流だったのに対して、軽量で小型のノートパソコン、更にはタブレットやスマートフォンでも仕事をすることが出来るようになってきたので、このような技術を駆使して仕事をする人たちが「デジタルノマド」と呼ばれていると言えそうです。

 

では、デジタルノマドは、普通にノートパソコンで仕事をする場合とはどう違うのでしょうか。デジタルノマドの働き方に特徴的なこととして、その多くがワイヤレス通信を活用して場所を選ばずに仕事を行っているということが言えます。つまり、仕事用の機器がケーブルに繋がれていないので、カフェやコワーキングスペースで仕事ができるのです。なかには、このデジタルノマドの自由さを活かして、海外の国々を転々としながら仕事をしている人までいます。このような働き方を、皆さんも耳にしたことがあるかもしれませんね。また、ワイヤレス通信技術に加えて、最近はクラウドベースのアプリケーションやストレージも充実しているため、これらもデジタルノマドの働き方には欠かせないものになりつつあります。

 

2. デジタルノマドとして働いているのはどんな人?

 

デジタルノマドの意味とは?-どんな人が働いているのか

 

さて、「デジタルノマド」の意味については分かりましたね。では、実際にそのような働き方をしているのは、どんな人たちなのでしょうか。言葉自体は耳にするようになったものの、自分の周りで実際にデジタルノマドをしている人を知らなかったり、そのせいで実態がよく分からないという人も多いと思います。

 

まず一番分かり易い例としては、インターネットを介して殆どの業務をこなせるIT関係の仕事をしながら、旅をしたり多拠点生活をしている比較的若い世代の人たちでしょう。パソコンひとつでウェブ関連のプログラマーなどをしつつ海外に住む人も、SNS上で見かけるようになりましたよね。このような場所を選ばない仕事の他、出社の必要がなくリモートワークが可能な職種の人もデジタルノマドをしています。例としては、ウェブ媒体のライターが有名かもしれませんが、漫画家やハンドメイド作家などでもデジタルノマドを実行している人はいます。

 

デジタルノマド生活を始めたひとたちは、なにもITに強い若年層だけではありません。経験を積んでから起業した人たちや、定年を迎えてリタイア(もしくはセミリタイア)した人たちのなかにも、デジタルノマドワーカーになった人がいるのです。このような人たちは生まれながらのデジタル世代ではないかもしれませんが、経験を積んでいる分、仕事の受注や進め方にも慣れているのが強みと言えそうですね。

 

どの世代のデジタルノマドでも共通しているのは、仕事の場を選ばないような職種を選んだり、独立してそのような環境を整えたりしていることでしょう。デジタルノマドを実行に移した人たちは、経済的に会社から独立したいと思ったり、場所に縛られないキャリアを築きたいという動機が多いそう。もちろん、デジタルノマド生活を実現するには困難も伴うので、強い動機や行動力を備えていることも大切な資質です。

 

3. デジタルノマドのメリット

 

デジタルノマドの意味とは?-メリット

 

デジタルノマドの働き方や、デジタルノマドワーカーの人物像が見えてきたところで、現実的にはデジタルノマドをすることのメリットとは何でしょうか。

 

1)生産性が上がる

 

オフィスでの仕事では常に同じ建物、同じ部屋、もしくは机まで同じ場所に決まっている上、同じ同僚や上司と毎日顔を合わせて仕事をすることと思います。このような環境では、場合によっては時間の経過とともに生産性が落ちてくることもあるでしょう。ですが、デジタルノマドでは違います。インターネットに繋げられる環境や設備さえ用意できれば、仕事をする場所は選びません。もし仕事場が自分には合っていないとか集中できない環境だと感じたら、場所を変えればよいのです。極端に言えば、常に同じ一か所で仕事をすると生産性が下がっていくような場合には、定期的に場所を変えながら仕事をすることだって可能になります。これは、デジタルノマドではない通常のオフィスでの仕事では難しいことなので、デジタルノマドをすることの最大のメリットと言えるでしょう。

 

2)クリエイティブになれる

 

場所を選ばないということは、常に新しい環境に身を置くことができ、新鮮な風景や人々からの影響を受けられるということ。プロジェクトの現状に行き詰って斬新なアイデアが見いだせないような時には、往々にして環境を変えることが打開策の閃きに繋がります。また、上記の生産性の向上もそうですが、定期的に様々な刺激を受けられる環境の変化があれば、通常業務をこなしている間もクリエイティビティが高い状態を維持しやすいとも言えるでしょう。これはハンドメイド作家やライターなどクリエイティブ業界の仕事をしているひとだけでなく、多様な職種でプロジェクトを担っている人にとって大いにプラスに働く側面ですね。

 

3)柔軟な対応力が付く

 

常に変化する環境においては、予想を超える状況が生じることも。また、コワーキングスペースで他業種の人たちと接する機会が増えたり、異文化圏に滞在して仕事をすれば、異なる考えに触れる機会も必然的に増えることでしょう。このような状況を経験することで、仕事の上でも新しい提案を柔軟に受け入れたり、斬新な発想を積極的に取り入れたりすることのハードルが下がるはず。新たな状況への適応力や予期しない事態への対応力が自然と鍛えられ、もし仕事上で困難な問題が発生した場合にも、創意工夫によって乗り越えやすくなることが期待できます。

 

4)時間の余裕ができる

 

デジタルノマドワーカーになると通勤時間に縛られなくなるため、時間に余裕ができます。更に、デジタルノマドを始める際には独立・起業していたり、ライターなど場所だけでなく時間も自分で決めやすい職種を選んでいることも多いでしょう。このことから、仕事のスケジュールさえも自分で調整がしやすくなると考えられます。一日の中での時間の使い方は自分次第と捉えれば、今まで挑戦を渋っていた自分のスキル向上などに時間を投資することも可能に。また、長期的に考えても使える時間は増えるはずです。なぜなら、長期的なスケジュールは会社勤めだと自由になりにくいものですが、デジタルノマドでは場合によって柔軟に計画的に組むことができるから。デジタルノマドへの移行は、新たなスキルの習得など自己投資をしたい人にもメリットが多いと言えそうです。

 

5)人脈が広がる

 

常に同じ職場への通勤を繰り返す日常では、毎日顔を合わせるメンバーも一定になりがちですよね。でも、デジタルノマドでは公私ともに新しい人たちに出会う確率が上がるので、人脈が広がりやすくなります。コワーキングスペースなどを通して同業種の人たち以外と出会えるだけでもメリットがありますし、どこで仕事をするか次第では、様々な人たちと繋がれる可能性がありそうです。もし外国に滞在して仕事をするなどすれば、プライベートでも意義のある新たな人脈を築くこともできるかもしれません。

 

4. デジタルノマドのデメリット

 

デジタルノマドの意味とは?-デメリット

 

もちろん、デジタルノマドをすることは良い面だけではありません。従来の働き方にも安定性などメリットがある反面で柔軟なキャリアの足かせになるデメリットがあるように、自由な印象のデジタルノマドにも、その働き方に移行する前に考慮すべき点があります。

 

1)職種を選ぶ可能性がある

 

デジタルノマドワーカーの職種を見るとIT関係の仕事やライターをしている人が代表的だと述べましたが、これはデジタルノマド的な働き方の特徴として「出社せずとも仕事ができる必要がある」という条件が付くからです。つまり、どんな職種でもデジタルノマドに移行できる訳では(少なくとも現状では)ないのです。これは、デジタルノマドを始めたいと思っている人にとって、デメリットになり得ます。例え同じ業種で完全にリモートワークができる求人を見つけたとしても、その業務内容は、今あなたが持っているスキルを最大限に発揮できる保証はないかもしれません。もしくは、現在持ち合わせているスキルで仕事をするには、他業種も含めて検討する必要が出てくる場合もあるでしょう。

 

2)収入が減る場合もある

 

場所を選ばない働き方を手に入れる代わりに、収入が出社していた頃よりも減る可能性があります。これは、上記で述べたように持ちうる能力を最大限に発揮できないせいで減収になる場合も考えられますし、募集がある仕事量に影響を受けて結果的に収入が少なくなることもあるでしょう。一つの会社に勤めれば自由度は低いものの、収入の面では少なくとも一定の安定性があるのも事実。そこから脱しようとすれば、収入の管理はそう簡単には行かないようです。

 

3)仕事量が変動する

 

収入の変化とも関連して、デジタルノマド生活によって仕事量が左右される人も多いです。今までと同程度の収入を維持するために仕事量を増やす必要が出てきてしまったり、時期によって仕事のペースが増減する働き方になってしまう人もいることを理解しておきましょう。逆に、仕事量も仕事時間も自分の裁量次第とも考えられますが、会社勤めの時と同様の働き方とは異なってくる可能性が高いことには要注意と言えます。

 

4)持っているスキルの比重が重くなる

 

デジタルノマドをするには企業したりフリーランス契約になったりする場合も多いので、その場合には自分の持ちうるスキルや仕事能力によって仕事の獲得や収入が決まります。会社に出社して働く場合には、一度雇われたら仕事を貰い続けられる働き方の場合が多いはずなので、この点はデメリットにもなるでしょう。ただし、自分の能力をもっと柔軟に発揮したい人や、新しいスキル獲得に時間を当てたい人などには、スキル重視の環境は合っているとも考えられます。これがデメリットになるかどうかは、自分次第でもあるでしょう。

 

5)テクノロジーの知識は必須

 

比較的若いデジタルネイティブの世代の人には問題ないかもしれませんが、もし最新の技術やインターネット環境の整備、アプリケーションの操作などに不安がある場合には、それがデジタルノマドでは仕事に直接的な影響を及ぼしてしまいます。また、新しい技術は常に開発され更新される上に、どのテクノロジーがリモートワークで利用されるかにはトレンドがあるのも事実。最新技術に関して常に敏感に情報収集し、変化があった際には知識を更新して付いていく必要があるのです。

 

5. デジタルノマドを始める方法

 

デジタルノマドの意味とは?-実際に始める方法

 

メリットとデメリットが分かったところで、これらを吟味した上でデジタルノマドに本格的に移行したいと考えた人もいるでしょう。そこで、デジタルノマドの働き方をするために考えるべきことを順にみていきましょう。

 

1)どのような仕事が出来るか?

 

インターネット環境などを活用して完全にリモートワークで仕事が完結するものであれば、デジタルノマドを始めることができます。工夫次第では今の職種のまま移行することもできるかもしれません。また、これからデジタルノマド生活に変えるために新しく仕事を見直す場合にも、上記の「完全にリモートで仕事ができるか」という視点で考慮してみましょう。

 

実際にデジタルノマドの先例が散見される職種は、以下のようなものがあります。

 

  • 会計・経理
  • カスタマーサービス業務
  • デザイン関連
  • 編集者
  • IT関連
  • マーケティング
  • プロジェクト管理者
  • ソフトウェア開発
  • ライター

 

上記は一例ですが、想像よりも多くの業種でデジタルノマドができる可能性を感じられますよね。また、意外なものでは以下のような職種でもデジタルノマドに移行した人たちがいます。

 

  • アーティスト・作品制作者
  • 販売担当者
  • サービス・商品の品質管理者
  • 講師・チューター
  • 秘書
  • 栄養管理・ヘルスケア関連業務

 

こうして見てみると、デジタルノマドを始めるに当たっては職種もある程度は重要ですが、業務内容の最適化や働き方そのものの調整などが関わってきそうだと分かります。慣習的には対面で行ってきた仕事でも、インターネットやデジタル機器の利用によって同様の仕事ができるものがあるからです。そこで、まずは現在の職種や雇い主のままで、週に数日から在宅でリモートワークが出来ないかを掛け合ってみるというのも一つの手でしょう。もしこれで支障が無ければ、いづれは完全リモートワークに変更できるよう交渉がしやすくなります。また、違う職種などに移る場合には、実際にどのような環境やツールを用いて仕事ができるのか見当し、実現性を見極めておくことが大事です。

 

どのような仕事があるか調べたりする際の参考として、フリーランスで仕事をする人にはランサーズクラウドワークスが有名ですね。またハンドメイド作家などのクリエイターには、minnecreemaなどのプラットフォームがあります。

 

2)支出面の整理をしておく

 

希望の職種の目安が決まったら、デジタルノマド生活に飛び込む前に支出面を見直しておくと安心です。契約時から見直していないネット環境やテレビチャンネルの契約、サービスのサブスクリプション、ジムなどの会員登録など、無くても生活に困らない出費や安く出来る支払い契約が無いか確認しましょう。これらは小さなことのようですが、デジタルノマド生活への移行直後は生活面でも収入面でも変動が大きいので、予め見直して一度整理しておく必要があります。

 

3)貯金をし、セーフティネットを確保

 

デジタルノマドを始めるに当たっては、新しい仕事を始めたりフリーランスになったり、独立・起業する場合もあるでしょう。その際にはリスクは付きものと言えます。そこで、収入が一時的に安定しなかったり、仕事に関して試行錯誤の期間があったりする場合に備えて、貯金を最大限に増やしておく必要があります。これには生活習慣を多少変更して無駄な出費を抑えたり、不必要なものを整理・売却したり、場合によっては住居の見直しや住み替えをして備えることも考えられるかもしれません。また、デジタルノマドへのスムーズな移行に失敗した際の安全策として、当面の最低限の支払いに割けるお金や、緊急対策的な収入源の当てを考えておきます。

 

4)インターネット環境などの整備

 

実際に仕事をする際に必須のインターネット環境や仕事に使うガジェットを確保しましょう。自宅のインターネット環境は既にあるという人や、カフェでWi-Fiを使うという場合でも、信頼できる接続スピードかどうかチェックします。また、手持ちのノートパソコンは実際に仕事でフル活用できるだけのスペックはありますか?もしソフトウェアの追加なども必要なら、今のうちに検討しておくのが良いです。

 

ネット環境の他に、デジタルノマド生活で多拠点での仕事を考えていたり、旅をしながら仕事をしようと考えている場合には、その準備も必要になります。移動手段を調べ、クレジットカードなどの契約を確認し、スマートフォンなどの連絡手段も最適化しておきましょう。また、保険も検討すべきでしょう。実際にデジタルノマド生活が始まってからより、今の段階で準備できることは行っておくのが吉です。

 

6. デジタルノマドワークができる場所とは

 

デジタルノマドの意味とは?-ノマドとして働ける場所

 

デジタルノマドを始めた人たちは、実際にどのような場所で仕事をしているのでしょうか。「場所を選ばずに、どこでも仕事ができる」と言われて、どこで働くことをイメージしていますか?もし、漠然とカフェで仕事をしたいと考えているなら、もう少し絞り込む必要があります。

 

まず、自分の今いる都市や近隣のエリア、もしくは他の滞在先のエリアで仕事をする場合について考えてみましょう。カフェや図書館で優雅に仕事をするのは理想的ですが、コストや現実的に仕事ができるかも吟味してください。仕事が捗り易く、経済面でもメリットがある場所としては、やはりコワーキングスペースやシェアオフィスの利用を第一選択とするひとが多いようです。コワーキングスペースやシェアオフィス探しの際には、有名どころとして、首都圏や大きな都市に展開するWeWorkや全国各地から探せるRegusがあるほか、その時々で場所を変えたい人にはOffice Passという選択肢も使えそうですね。前者のサイト2つは海外の主要都市からも探せるので、海外に滞在して仕事をしたい人にもおすすめです。

 

以上、6つのポイントからデジタルノマドについてご紹介しました。実際にデジタルノマドをする場合の生活イメージが掴めたのではないでしょうか。これからデジタルノマドへの移行を考えている人は、ぜひ上記のポイントを含めてよく検討してみて頂ければと思います。

 

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