あなたは動物が好きですか?いえ、好きを通り越して『愛して』いるでしょうか?
もし彼らを愛していて、動物たちの幸せを心から願っているなら、これからご紹介する情報は役立つでしょう。世界中にはあなたのように、動物を心から愛し、単に愛でるだけではなく命を救うために全身全霊で働いている人々が何万人もいるのです。
今回はそんな動物を心から愛する人々が活動しているグループを7つご紹介させていただきます。
1. 世界最大の自然環境保護団体WWF
あまりにも有名すぎるこちらの団体は、おそらくあまり動物ボランティアや愛護活動を知らない方でも、きっとどこかで目にしたことがあるはず。
その名もWWF(世界自然保護基金)白黒パンダのロゴをいつかのテレビCMでみたことはありませんか?
WWFは世界約100の国で地球や野生動物を守るために日夜活動しており、本部はアメリカのニューヨークにあります。かれらの活動は野生動物の保護のみならず、「人類が自然と調和して生きられる未来」を目標に環境問題にも熱心に取り組んでいます。
WWF公式ページにはこれまでの活動の記録レポートとともに、絶滅が心配されている動物について知ることができる紹介ページも準備されています。
さらに全国の動物園やそのほかの場所で、動物についてのセミナーやワークショップも開催され人気を集めています。
過去に行われた子供向けのイベントでは、動物の「あるもの」のにおいを嗅いでスタンプを集めて動物園を巡るというものや、田んぼや水路に暮らす淡水魚を絵に描いて知ってもらうというイベントも行われていました。お休みの土日にご家族で参加してみるのはいかがでしょう?
お子さんも、さらにぐっと動物たちへの関心が高まるかもしれません。
2. カランビン・ワイルドライフ・サンクチュアリ
さて、ここからは海外に目を向けてみましょう。
まずはオーストラリアから。オーストラリアは自然と動物の宝庫です。たくさんの自然と、固有種がたくさん生息している国で最大の野生動物病院が。
ここはただの病院ではなく、野生動物保護園「カランビン・ワイルドライフ・サンクチュアリー」に併設されているオーストラリア最大の動物病院です。この野生動物保護園はとても有名で、海外の観光客も、広い敷地内を見学するためにやってきます。
この動物病院は、動物の保護のためこれまでに16の保全活動に参加し、コアラやヒクイドリ、ワオキツネザルなどを保護してきました。
毎年行われている野生動物保護のためのチャリティーイベントも今年は特別な方法で開催されました。2020年はコロナウイルスのため通常のチャリティーイベントは開催されず、オンラインで参加者が集められ、合計19ヵ国より計1,535名が参加しました。インターネットによって、どこにいても参加できるというのはすごいことですね!
オーストラリアといえば、森林火災で多くのコアラが被害にあったニュースが日本でも報道されていました。そうした野生動物を救うため、この動物病院は24時間体制でフル稼働しつづけているのです。
3. セーブ・ザ・マナティー・クラブ
人魚は本当に存在するのでしょうか?ファンタジーとして人気のあるモチーフですが、その人魚伝説の由来とされる動物は存在します。水族館でも時折見かける動物、マナティーです。
マナティーはちょっぴりとぼけた穏やかな顔と、3mほどにもなる丸めの大きな体が特徴です。さらに魚のような形をした平たいしっぽが、マナティーにかわいさをプラスしています。性格は温厚で、食べ物は水草や海藻をもごもぐ食べる、子供たちにも人気の動物。
しかし近年、マナティーは水質汚染や生息場所の破壊によりぐっと個体数を減らしてしまいました。
おっとりした性格ゆえか、食用や皮を目当てに乱獲されることもしばしば。そんなマナティーを救うべく立ち上がっている団体があります。
アメリカフロリダ州にあるSave the Manatee Clubは、マナティーとその生息地を保護するために活動しています。創設は1981年からと、歴史もある世界的にも有名な団体です。
彼らはケガや座礁してしまったマナティーを救助したり、マナティーを害する人たちから守る活動に力を入れています。さらにはボランティアを募り、人々にマナティーについて知ってもらう教育活動も行っており、世界中で一頭でもマナティーが増えることを願っています。
彼らの活動のかいあってか、フロリダ州では過去最多となる6000頭を超えるマナティーが確認されたというニュースもあります。このまま増え続けていけばマナティーだけでなく、他の動物たちや海の水質改善にも役立つことでしょう。
4. カタ・プロジェクト
さてさて、これまでとは全く新しい切り口で、保護活動を推奨するチームもあります。
彼らの名前はカタ・プロジェクト。仮想イルカ「バンディッド」を生み出しその技術を医療、はたまたイルカたちの保護活動につなげようと日夜模索、研究しているグループです。
バンディッドは、本物のイルカのようにジャンプしたり魚を頬張ったり、動きはまさに本物のイルカそのもの。しかしそれはシミュレーションゲーム。当然、操るのは人間です。この仮想イルカは科学者やアニメーター、動物学者などたくさんの専門家の技術を結集してつくられました。
さて、具体的にどのようにこの技術をイルカ保護につなげるのかというと、一言でいえば「なりきり」。リアルな動きのイルカを自由に操作し、自分がイルカになりきるのです。このシュミレーションゲームは、自分自身がイルカの世界にどっぷり浸かることで、イルカが何を見て何を考えているのか、人々の真理に訴えかけることを目的として制作されています。
毎年たくさんのイルカが漁や混獲によって命を落としています。この悲しい現実で、このゲームを通してイルカとの絆や愛情が芽生え、保護活動に関心を持ってくれることを、チームの代表者は望んでいます。
5. 1000頭犬の命を救うTerritorio de Zaguates
野良猫が目の前をさっと通り過ぎると、胸がきゅんとするのは私だけではないはずです。
では野良犬は?日本で野良犬は全くと言っていいほど見かけません。もし首輪がついていない犬が突然目の前に現れたら、ひやりとするのではないでしょうか。
日本は別として世界を見ると、外国には野良犬があふれている国がたくさんあります。身勝手な理由で捨てられ、虐待され、避妊手術を行わなかったために増えすぎてしまった犬たちです。生まれなんて関係ない、野良犬であっても命は命。
そんな犬たちを救おうとコスタリカで活動しておられるリヤという女性に目を向けましょう。
彼女が共に暮らし、愛を注ぐのはなんと約1000頭の犬たち。Territorio de Zaguates(野良犬たちの場所)と呼ばれる保護施設で、彼女は様々な事情を抱えた犬たちと暮らしています。
一頭の捨て犬を飼い始めたことから始まり、野良犬や捨て犬を拾っては保護し続けているうちにここまで広がっていきました。しかし毎日の犬の食費だけで600ドルが飛んでいくという厳しい現実とも向き合っていかなければなりません。
それでも1000頭一匹一匹に名前を付け、愛情を注ぐ彼女とご主人、そしてサポーターの人々の愛が犬たちには必ず伝わっているはずです。
6. ユキヒョウを守るSNOW LEOPARD CONSERVANCY
深く積もる雪の中を、岩陰に隠れながらじっと獲物を狙う動物がいます。
ユキヒョウです。小さい耳に、凛々しい目。白っぽい体にふさふさの毛が生えて温かそうですが、その印象をぎゅっと引き締めるのがはっきりとした黒い斑点。
真っ白な銀世界で見るユキヒョウは、なんとも神々しい印象を与えます。
しかしこの美しいユキヒョウも毛皮や薬の原料のための密猟、さらには害獣としての駆除などにより数が激変しています。
美しいユキヒョウを守りたい。その思いからユキヒョウの生息地に住む地元の人が共存できることを目的として、SNOW LEOPARD CONSERVANCYは起ち上がったのです。
この団体の創設者であるロドニー・ジャクソンさんは、ある時ユキヒョウの脅威は主に人であることに気づきました。ユキヒョウは時として家畜を襲うため、地元の人々はユキヒョウを害獣とみなし駆除しようとします。しかし人々も生きるため仕方なく行っているだけ。ジャクソンさんは地元民の声をを無視して、ユキヒョウだけ守るということはしませんでした。
まずは人々に教育を行いました。ユキヒョウはどんな動物か知ってもらうためです。対策もしました。地元民の大切な資産である家畜を、柵を作りユキヒョウから守るためです。こうして地元民とユキヒョウが共存できるよう尽力しているのが、このSNOW LEOPARD CONSERVANCYです。
また別の活動として、ユキヒョウの通り道を予想し定点カメラを設置することに加え、ユキヒョウの現在地がわかるアプリを用いて、過酷な環境に住むユキヒョウの保全活動に力を注いでいます。
7. 世界で最初のウミガメ保護団体SEA TURTLE CONSERVANCY
日本でも知名度があるウミガメの保護活動。夏のシーズンにはテレビでも時々取り上げられる話題かもしれません。ウミガメの産卵は感動的な場面となります。
しかしこのウミガメも今、絶滅の危機に瀕しています。ウミガメは一回の産卵で100個ほどの卵を産みますが、人間による卵の乱獲や、孵化した後もほかの動物によって食べられてしまうことがほとんど。
さらに海へ出たとしても厳しい自然界で生き残れるウミガメは、ほんの一握りと言われています。
世界を見てもウミガメの保護活動は盛んにおこなわれていますが、その中でも一番初めに活動グループを立ち上げたのはSEA TURTLE CONSERVANCYというウミガメの保護と研究を目的としたグループです。創立は1959年ととても古く、活動の主な範囲は中央アメリカとカリブ海全域です。
彼らは様々な教育プログラムを通して、大人から子供までウミガメについて知ってほしいと呼びかけています。そのプログラムの中にはタートル・ウォークといって、夜にガイドとともにカメの散歩にお付き合いし、その目でウミガメについて知ることができるものもあります。
ウェブサイトにはウミガメがデザインされた多種多様なグッズも購入できるよう準備されていて、見ているだけでわくわくしてきます。収益はすべてウミガメの保護と研究のために使われるとのこと。自分のお買い物が、大切でかわいい動物に役立ててもらえると、心が温かくなりますね。
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