今回の記事では、人生を変える(実際に、私の人生を丸っきり変えた)習慣をご紹介します。全て、具体的なものです。私自身、大学を卒業して以来、一度も就職することなく、すぐにフリーランス(…という自覚はありませんでしたが)の仕事をはじめ、そのまま起業して、今までやってきました。何年もかけて試行錯誤した結果、今では、ウェブマーケティング、ローカリゼーションサービスを海外(日本から見て海外)の企業に提供することで、世界のどこにいても仕事ができる生き方ができています。
ここにある習慣やコツは全て、何年も試行錯誤してきた結果であり、自分にとって、本当に人生を変える鍵になったものです。これの一つでも欠けていたら、今の自分はありません。ですので、間違いなく人生を変えた習慣です。文脈として、フリーランサーや起業家と記載していますが、会社でお仕事をされている方にも、共通して、お役に立てる部分もあるかと思います。
こんな方に、特にお役に立てれば嬉しいです。
- 会社に勤めているが、これから独立する予定
- フリーランスのお仕事を始めたばかり(または始めてある程度時間が経つがまだ軌道に乗っていない)
- 新しい生き方を模索している
- “アイデアはある”が起業に踏み切れていない
- 起業したものの、習慣作りに困っている(うまく時間や思考の管理ができていない)
- 個人事業主として、オンラインで仕事をする生活を始めたばかり/始めたい
習慣1. :日々のプロセスを記録する
他の人が監視してくれない。これが起業家やフリーランサーの弱みです。会社にいれば同僚からの目があったり、上司からの叱責があったりで、ある程度の仕事のリズムができます。しかし、一人での仕事となると、なかなか、自らを律することが難しくなります。

英語で、「Accountability/アカウンタビリティ」という言葉があります。これを意識することが重要です。この言葉の意味は、自らが行ったことに対する責任、または、説明責任。つまり、何を、どのように、どれだけやったのか、という仕事をちゃんと説明できるようにしましょう、ということです。
Accountability:: the quality or state of being accountable
especially : an obligation or willingness to accept responsibility or to account for one’s actions
つまり、こういう意味になります。
Accountability:説明責任のある質や状態
–特に、責任を受け入れるか、自らの行動を説明する義務または意欲
このために、是非ともやりたいのが毎日の記録を取ることです。どんな記録でも構いませんが、私がおすすめしているのは、2つのことです。
- 収益の記録(→毎日、毎月、どれだけ自分の手で稼げているのか。初期では特に、がむしゃらに働くことに集中して、これができていない人が多い印象を受けます)
- 日々の行動の記録(→時刻と共に、何をしたのかを記録します。これをすることで「惰性で過ごしている時間」が浮き彫りになり、罪悪感が爆発します。これが、日々の行動を変えていく大事な力になります)
あまりにも増やすと、記録することが目的になってしまうので、私は上述の2つに絞っています(記録はあくまでも、習慣改善のための手段であり、目的になるべきではありません)。まずは、収益です。(1)「毎日」、(2)「毎月」の目標の収益を決めて、それを達成できているか(ちゃんと稼げているか)監視しましょう。私はGoogleシートを使っています。毎日記録を取り、それを自動で集計して、毎月、いくら稼げているのかチェックしています。
収益の記録
これを行うことで、どのような新しいアイデアが生まれようとも(新しいアイデアは時に、注意散漫の原因にもなり得ます)、毎月、最低限のお金は稼ぐように自分の方向性をコントロールできています。起業家やフリーランサーは、往々にして、いろいろなアイデアやインプットにより、方向性がブレがち。だからこそ、毎月の収益をトラッキングして、確実なものにしましょう。これにより「今月の目標を達成するために、今週はもっと仕事を頑張ろう」と調整できます。
行動の記録

シートにある内容は、以下の通りです。
- 7:25に起床
- すぐにホテルの朝食
- 7:40朝食しながらYOSO記事アイデア考案
- 8:23から仕事開始->〇〇サイトのコンテンツチェック
- 9:20終了して一度散歩へ
- 散歩中のアイデア:記事の文字数を増やし記事そのものの執筆数は減らす
- 11:28から商品紹介文作り
ちなみに、このようにいちいち何時何分と記入するのは面倒です。私は、MacでDashというアプリケーションを使っています。あらかじめキーワードを登録しておくと、それを入力した時に自動で、対応数する言葉やデータが出力される仕組みです。なんでもいいのですが、私は ;time と記入すると、その時の時間が自動で出力されるようにしています。
習慣2. 知り合いに進捗を共有する
これと同時に、試して欲しいのが情報を共有することです。一番いいのは、FacebookなどのSNSを使って、日々の仕事や業務を公開することです。ブログでもいいのですが、開設してすぐにアクセスを見込むことはできず(Googleの検索からトラフィックを得るには、ある程度の時間がかかります)、このような理由で長続きしない場合がよくあるので、あえてこれに挑戦する必要はありません。しかも、ブログですと、書くことだけに時間が取られることもあります。
私の場合は、個人的にウェブサイトを作ることから勉強し始めたので、サイトで記事を公開するという選択肢が自然でした。今、他の方にこれをお勧めするかというと…実際のところ、SNSの方が始めやすいでしょう。すでにサイト構築の知識がある、勉強している、という場合には、ブログの活用は非常にいい判断になるかと思います。
そんな訳で、シンプルかつ簡単なオプションとしては、FacebookなどのSNSがおすすめです。周りの友達からの「いい意味での監視の目」を作ることで、自らを叱咤激励、自制しましょう。また、日々の努力を公開することで、そこにコメントがもらえるので、「一人でかんばることの孤独感」からも抜け出すことができます。
Facebookでもなく、かといって、本格的なサイトを作るでもなく…そんな中間の役割を果たすのが、以下のようなサービスです。
- はてなブログ:[日本語] 日記感覚で記事を書くにはもってこいです。また、本格的な記事を書くまでに(今後)成長することがあっても、このシステムのままで、他に乗り換える必要はありません。というのも、はてなブログで読者がたくさんブックマーク(いわゆる「はてブ」)をしてくれると、独自のランキングに表示されて、さらに多くの人に見てもらえる可能性につながります。
- pen.io:一瞬で、ブログを書きたい。すぐに利用を始めたい。そんな人にお勧めするのがこちら。個人情報の入力は一切不要で、URL(ページ名)とパスワードを入力するだけで、すぐにブログができます。無駄を省いたシンプルさを求める人に、しっくりくるはずです。
- Commaful:若者向け、という言葉が一番しっくり来ます。どれだけ記事を頑張って書いても、読んでもらえなければ意味がありません。「サクサク、気軽に読めますよ」というスタンスを意識するならば、この選択肢がお勧めです。「記事」というよりも、スライドでの公開となります。そして、読者は、タップして、次のスライドへ進みながら、読み進めます。直感的な表現に特化しているので、画像+ちょっとした言葉で何かを伝えたい時には便利です。
- Tumblr:[日本語対応] 世界的に圧倒的な知名度を誇るサービスです。ブログや記事、というよりも、情報をメモし、ネットの他の場所から引用し、それらを組み合わせる…といった用途に向いています。他のSNSとの連携もよく、動画、画像、テキスト、リンクなどを、放り込むように投稿できます。日本、世界の両方に対して、自分の活動を発信したい場合には優秀な候補になるかと思います。
ただし、ここで注意点があります。あまりにも、自分を良く見せようとしないことです。自慢話にならないように「投稿」ボタンを押す前に、もう一度チェックしましょう。泥臭くても構いません。ありのままを書いた方が、むしろ、大事な人からの後押しが得られるものです。
さらに、これを行うことのメリットはもう一つあります。あなたのビジネスが軌道に乗ってきた暁には、すでに、その場にある程度の潜在顧客が生まれていることになります。問題も課題も全て共有することで、あなたの物語に周りの人を巻き込むことができるのです。

このように物語を作り、自然なかたちで「ファンを増やす」ことについて、Forbsのこちらの記事に、面白いことが書いてあります。
Brand stories are not marketing materials. They are not ads, and they are not sales pitches. Brand stories should be told with the brand persona and the writer’s personality at center stage. Boring stories won’t attract and retain readers, but stories brimming with personality can.
以下のような意味になります。
ブランドのストーリーはマーケティング資料を介して語られることでも、広告でも、売り込でもありません。ブランドのストーリーは、ブランドペルソナと書き手の個性を中心に伝える必要があります。退屈な物語は読者を引き付けず、個性に満ちた物語こそが注意を引くものです。
びっくりするくらいに、読者は賢く、嘘を見抜きます。明らかに「仕上げた物語」は心に伝わらないどころか、広告の類として、見向きもされません。私は、最高の物語作りは「正確に事実を伝えることに徹する」時に成功すると思っています。人間の記憶は、不完全です。後から書こうと思っても、記憶は断片的になります。だからこそ、日々の出来事を主観的に記録することが、自然な方法であり、最善の近道です。
語ることそのものが商品にもなり得る
さらに、嬉しい波及効果も。決して狙って手にする結果ではないかもしれませんが、「語る」ことで、その記録そのものが商品になることも。ブログが書籍になるパターンです。例えば『Rules for my Unborn Son』という書籍は、ブログが元になり、書籍化しています。さらに、ブログ運営者/著者は、上記で紹介したtumblrなしでは、色々な人にコンテンツの存在を知ってもらうことはなかったと語っています。
他にもライブドアブログ(こちらも無料で使えるブログサービスです)の書籍化紹介ページには、『ただの主婦が東大目指してみた』や『「もたない暮らしの」のはじめ方』といったタイトルが並びます。ここからも、以下のような特徴が重要であることがわかります。
- 物語形式(特に時間の経過や成長を意識)で何かに挑戦する
- 知識の蓄積を公開する(テーマを絞ってそれの専門家という立ち位置でコツを紹介)
どちらの方向性でもいいですが、自分でプロジェクトを進めたり、起業をしたり…そんなプロセスを記録・公開する文脈では、一つ目の「物語形式」との相性が抜群です。
習慣3. 推測や推論に時間をかけないこと
成功しない人、いつまで経っても行動しない人の典型例が「計画好き」です。
計画に喜びを感じてる?
もちろん計画を練るのはいいことです。しかし、あなたの周りに、こんな人はいませんか?「素晴らしいアイデアだ、よし、徹底的に市場調査をして、計画を練ろう」、「ちゃんと皆に見せる前に、綺麗にパワーポイントにまとめよう」などなど…。そして、準備に時間をかけすぎて、いつの間にか、そのプロジェクトは消滅(コレほどまでにもったいないことはありません)。
セカンダリとプライマリ
Small businessの記事は、セカンダリリサーチ(オンランで見つかる、または公開されている情報を利用すること)は、一般的な広範囲にわたるものであり、概要を知るためには有用ではあるものの、これだけでは、不十分であるとしています。個別の事象を知るには、プライマリリサーチ(自らの体験で手にしたデータ:グループを絞った聞き込みなどもこれに含まれます)が欠かせません。
ちなみに、仮説を検証するためにアンケートを活用するのであれば、本格的なデータの集計ができるSurvey Monkey(公式サイトによると、hp、GoProなどの大企業も使用とのこと)、または、シンプルに意識調査を実施するのに便利なGoogleフォームなどがあります。
アイデアを過大評価してませんか?
どんなにいいアイデアであっても、それを実行しないと何も生まれません。文字通り、アイデアはゼロです。どうか、そんな「計画の専門家」にならないでください。ひとたび、これになってしまうと大変です。タチが悪いことに、計画を綿密に練ることは気持ちがいいのです(私自身、コレで多くの失敗をしています!)。そして、目標に向かっているのだと勘違いしてしまいます。でも、実際には、足踏みをしているだけで、進んだ距離はゼロ歩。
最善を予測するでも、最悪を予測するでもない
よく、こんな議論がなされます。
- 事業を始める前には最善を予測すべきだ
- いや、何かがあってからでは遅い…最悪の事態を予測すべきだ
私は、そもそもどちらでもないと思っています。上記のどちらもが、予測に頼りきっている前提です。一度、その「当たり前だとされている」予測の部分を脇に置いておくことがおすすめです。
答えは、予測を出来るだけしないこと、に尽きます。
私自身、これまで色々なアイデアを実践してきましたが、その中で、当初からの予測が当たったことなど、ほとんどありません。むしろ、予測通りにいったビジネスアイデアは、正直なところ一つも思い浮かばないくらいです。今ではオンラインでマーケティング関係の仕事をしたりしていますが、そんなもの、最初にアフリカ(ガーナ)に意気揚々と乗り込んでいった時には、想像すらしていませんでした。
ちなみに、ガーナでは、ゴミを拾ったり(環境関係の事業はいまだに情熱あり)、売店の前で立ち話をして(結果的に、または打算的に)教会の牧師さんにビスケットを恵んでもらったり…そんなこんなで、今は、ウェブマーケティングです。どんなデータを駆使しようとも、こんなシナリオを予想できるわけがありません。
アドバイザーの予測は当たらない
世の中には高給取りなお仕事がいくつもありますが、例えば、株のブローカーはどうでしょうか。このお仕事のキモは、予測、そして、大きなチャンスが掴める可能性という夢を売ることにあります。
どこから最大の利益を得ているかというと、手数料です。お客さんの株を売ったり買ったりして、その際に発生する手数料が生命線。ですので、出来るだけ、頻繁に売り買いする方が理想です。人の手間のかかる取引であればあるほど、収益が見込めます。そんなインセンティブが働き、出来るだけ、ポートフォリオマネージャーが管理するシステムをお客さんに進めます。
しかし、純粋なパフォーマンスで言うと、下手に(どれだけ知識と経験があるプロに運用を任せようとも)業者に任せるよりも、一番手間のかからないインデックス(業界の平均に従って動く)に投資する方が全然優れています。
投資業界の神様とも言えるウォーレン・バフェットは、S&P 500のようなインデックスに投資し、受動的に運用(つまり、余計な手を加えず保有)するのが、最も理にかなっていると言ってます。
そもそも、ブローカーが独立して自らの知識を駆使してトレードで稼ぐ、という道を選ばず…お客さんから手数料を取る方向を選んでいます。どちらの方が確実に儲かるのかは明白です。
つまり、このように、業界の動向を読むプロであっても、自らがその予測の力に頼り(今後の値動きを見事に捉え)お金を稼ごうとするよりも、細かな管理により手数料を稼ぐ方を選んでいるということ。そんな中で、事業を始めるばかり、または始める前の初心者が正確な道筋を立てることなど、できるわけがありません。
目の前の現実に立脚した進み方
大事なポイントです。サービスにしても製品にしても、それを売る相手は人間です。人間は、今、あなたの住む世界に住んでいる人々です。宇宙人ではありません。すぐそこに、こうして生きています。それが現実です。あなたの頭の中で、顧客層を思い描くのは大事なことです…しかし、頭の中で描いた「仮想の人物」に固執しすぎると、現実の顧客とはどんどん離れてしまうものです。
そして、現実の世界で、現実の人間に、あなたのサービスや製品が売れるかどうか試せる方法は、ただ一つ。現実世界で行動すること。この際に、さらに気をつけたいのは、完璧な選択肢を目指して、判断を先送りにしないことです。他にはない、唯一無二の、世界一の輝かしいアイデア。そんな虚像を追い求めて年老いていくのはやめましょう。今日、そのアイデアが出ないなら、明日も出ません。そんなことをするより、市場に実際に「何か」を売り込んで、その反応を見るのです。
そして、反応次第で、改善を加えましょう。このメソッドが、あなたのどんな綿密な計画をも上回る理由…それは、現実だから。現実の潜在顧客による反応と、あなたの頭の中の「理想的なバーチャルお客さん」…どちらを信じますか?自分にモノを売るなら話は別ですが、違いますよね?現実に即した「調査」の最善の形が、実際に売ってみることです。
この「実際に売ってみる」ことに関連した大事なポイントが製品やサービスを最小限にすることです。最初から、完璧な、あらゆる機能の搭載された何かを作ろうとする必要はありません。コレについては「習慣5」で詳しく説明します。
習慣4. アレもコレもを避ける
一人社長、フリーランサー、個人事業者…その全てに共通して言えることが、「悪魔のささやき」でもある、新しいアイデアです。「お、こんなアイデアはアリかも!」、「なるほど、その分野でも、自分も活躍できるかもな」…という具合です。確かに、新しいアイデアに対して柔軟になることは重要です。しかし、柔軟と中途半端は違います。あくまでも軸を設け、それに集中することです。
例えば、オンラインで手ずくりのブレスレットを売りたい、という大きな枠組みがあったとします。そんな時に、通訳もいいかも、ベビーシッターもいいかも…というブレがあるのはNGです。何も達成していない、どんなビジネスも軌道に乗っていない段階で、全てを試そうとするのは危険です。確かに、他の人がやっていることが魅力的に見えることもあります。しかし、中途半端に全てに手を出そうとすると失敗します。それどころか、成功か失敗かを試す段階にすらたどり着けないでしょう。
加えて、このように何も進まないと、必ず、焦りが生じます。そんなタイミングで、怪しげなビジネスに手を出したり、自暴自棄な決断を下したりしてしまうもの。心の安定を確保するためにも、軸になるビジネスを一つに絞りましょう。
その上で、新たなビジネスに展開するのは、大いにあり得るでしょう。むしろ、私はそれを推奨します。会社に勤める人との大きな違いは、その自由度です。二つのビジネスがあることで、それらの間をいったり来たりして、脳の違う部分を使うことで、結果的に効率的に働くことができます。
さらに、一つのビジネスを軌道に乗せた後であれば、そこから繋がった顧客向けに、必要とされているサービスや製品を提供することができます。先ほどの項目でも扱ったことですが、実世界に基づいた判断を下すのが黄金のルールです。少なくとも一つの業界でビジネスをしていると、そこで不便な出来事や、満たされていないニーズに気づくはずです。そんな時には、そこにビジネスの焦点を修正するのは大いにありでしょう。
このような意味で、他の人からの話を聞いただけで、ふらふらとブレることは避けて、一方で、自分のビジネスから得られる実世界の経験やニーズ、問題や課題をもとに、調整をしたり、ピボットをすることは非常に効果的な戦略です。この方法であれば、本当の需要にアクセスすることも、すでにいる顧客に対してアップセル(つまり、よりハイレベルであったり、大きな製品やサービスを売ること)をすることもできます。
「さぁ、一つの事業から安定した収入が得られるようになったぞ」という段階で、新しい何かも並行するとします。そんな時に、それぞれの事業が確実に進むようにするために、私が活用しているアイデアがこちら。
それぞれの事業について、進捗を管理するためのノートを作る。
ノートはそこらへんで売っているようなシンプルなもので構いません。または、デジタルで情報を記録したい、という人はEvernoteなどでもいいでしょう。Evernoteに言えることですが、デジタルで記録をとる場合には、是非とも、いろんなデバイス間で同期できるものをお勧めします。そうしないと、デバイス間で、時間軸がバラバラになって、後から読み返そうとしても、成長の流れが実感できなくなってしまいます。
成長の流れを実感することは、とても重要です。というのも、ノートに記録を取ることの目的は、確実に、少しであっても、日々の業務で自分が前に進んでいることを実感するためです。特に新しい事業を初めて最初の段階では、「結果」と言えるものが何も感じられず、気持ちの悪い無力感に襲われることがあります。これを避けるために、ノートを取り、日々の成長を感じることが重要です。
この際の注意点は、事業ごとに、明確にノートを分けることです。全てを1冊のノートに書いてしまうと、ただの日記になってしまいます。これをすることは危険です。実際にやってみればわかることだと思いますが、このような進め方にすると、各事業間に波が出てきます。つまり、ある事業については、1日7時間も投じているのに、あるプロジェクトやアイデアには1週間に1時間ほどしか割けていない…といった状況です。
この点、ノートを分ければ、簡単に進み具合、そして、各事業間の差をチェックできます。必ずしも、全てを全く同じ時間で進める必要はありません。しかし、何かが「記憶の隙間に落っこちて」そのままになってしまわないように、複数事業を確実に進めるためには、この習慣が非常に効果的です。
習慣5. 最小限の製品を売る
続いては、習慣3の「推測や推論に時間をかけないこと」で登場したテーマの続きです。実際に売ってみて、消費者(もしくは、B2Bのビジネスであれば、他の会社から)からの生の反応を観察するのを上回るデータはありません。
製品やサービスを売ってみましょう、と言われても、これを実行するのは簡単ではありません。例えば、1日や2日で「次世代エコバックパックの商品開発ができるでしょうか?…普通は、無理だと考えます。そこで、こんな、思考のシフトを提案します。製品やサービスとして市場に送り出すものを、最低限にとどめる。
つまり、こんな「最小限の製品」を作ることです。
- 出来るだけすぐに作れるもの
- 出来るだけ安く作れるもの
- 出来るだけ簡単に作れるもの
- 余計な機能を削ぎ落としたもの
ここでは、製品と言っていますが、形態は何でも構いません。例えば、ウェブサイトを作ってみて、それを見た人の反応を見てもいいですし、商品のモックアップをデジタルで用意してもOKです。大事なのは、必要最低限の機能を備えたコアな状態の製品やサービスを、出来るだけ早い段階で(そして、いつでも修正ができるように、安い費用で)市場に送り出すことです。
例としては、以下のようになります。
- ウェブサイト:ウェブサイト上で、特定のサービスを紹介して、それに対する潜在顧客の反応を探る。これは、コンサルティングや代理店などのビジネスとの相性が抜群です。サイトを作って、サービスの概要を説明します。そして、出来るだけ、ユーザーからのアクションを受け入れる要素を用意しましょう。例えば、メーリングリストへの登録機能を実装するのがおすすめです。これだけで、実際に、どれだけの人がこのサービスに興味を持ったのか探ることができます。
- 商品の試作品:決して、完全な製品に仕上げる必要はなし。素材を安いものにすることが考えられますが、サイズ感、色など、実際に手にしないと感じられないものは、忠実に再現することをお勧めします。サードパーティのサービスに3Dプリンターで出力してもらって、試作品を作るのが安くておすすめです。これを作ったら、販売対象として考えている年齢層、性別、趣味趣向の人向けに公開しましょう。シンプルなやり方としては、知り合いの中から、これに該当する人を選び、対面で使ってもらった感想をもらうことです。しかし、この際には「気まずさや、親しさ」から気を遣った答えが返ってくることが予想されるので、出来るだけ、匿名で意見を紙に記載してもらうなどの工夫が必要です。
上記の例で言えば、ウェブサイトを公開する方が圧倒的に安価です。本格的なウェブサイト(つまり、柔軟にカスタマイズができる)を作りたい場合には、WordPress+サーバー+ドメインの組み合わせがおすすめですが、素早く結果だけを測定したい場合には、Jimdo、Wixなどの無料ウェブサイト作成サービスで十分です。これのどちらを選んでも、Googleアナリティクス(サイトの分析に使う王道ツールです)を統合して、ユーザーの行動を分析できます。
“アイデアはある”のに成功しない人の例
アイデアはあるのに、起業家として(または、肩書きなんて何でもいいのですが)成功していない人の特徴として、アイデアの精錬にこだわりすぎている傾向があります。
例えば、これはフリーランスというお仕事からご紹介します。フリーランサーが成功するための肝は「いかにお仕事をもらうか」です。会社で勤務している訳ではないので、自動的に仕事が割り振られることはありません。
今まで、何度も、フリーランスのお仕事で成功するためのコツについて、相談を受けたことがあります(少しでも頼りにして頂いて、ありがたいことです)が上手くいっていない人に言えることはこうです。体裁にこだわりすぎて、安い、または、楽しくない仕事を進んでやろうとしない。
フリーランサーとして成功するための王道が、LancersやCrowdWorksなどのフリーランスサイトで、確実かつ継続的にお仕事を受注することです。そして、そのためには(どこか別の場所での実績よりも)そのプラットフォームでのレビューを積み上げる必要があります。どれだけ安いお仕事であろうと、超高給取りのプロジェクトであろうと、そこから得られるレビューは公平な1票です。ですので、現実に即して考えれば、仕事の選り好みをせずに、地道に仕事をこなして、満点評価をもらい続けることが成功への近道だと言えます。
この話を聞いて、次のような思いが湧き上がったなら、この段階で考え方を修正することをお勧めします。
- でも、自分の専門は〇〇だから(修正→専門は〇〇だけど、この仕事から得られることがあるはずだ)
- 〇〇だけで食べていくと決めているから(修正→〇〇で食べていくために大事なステップだから、頑張ろう)
- 〇〇をする仕事なんて面倒だなぁ(修正→〇〇は今まで割けてきたからこそ、今回は自分が成長するチャンスだ)
より具体的な例を挙げるなら、以下のような「足踏み」も危険なサインです。これのいずれかに当てはまるようなら、思い切って、不完全なまま先に進むべきです。
- フリーランスサイトにアカウントを登録する段階で自己紹介の文章で悩んでいる(修正→どうせ評価がゼロなので、圧倒的不利から始まっているわけです。無駄に足掻く必要はありません。悩んだ挙句、何も書けないくらいなら、「趣味」でも、「好きなこと」でも、人間味が伝わることを書きましょう。『満足頂けるまで、一生懸命、仕事をさせていただきます!』などの思いを込めた一言でも構いません)
- 潜在顧客に対するメールの文章を推敲し続けて、結局、1つのメールを送るまでに数日かかっている(修正→時間の書けすぎです。そして、それだけ時間をかけすぎると、往往にして、メールの文面が非常に堅苦しく、そして長くなりがちです。メールの受信者が<あなたのように>日々の仕事や家事で手一杯だと想定しましょう。誰も長ったらしい文面のメールが来たら、最後まで読みません。しかも、これだけメールに時間をかけて「思い」を込めると、返信がなかった時のダメージは相当でしょう。どれだけいい文面であっても、基本的にセールスのためのメールには返事がない–それどころか見てもらえない–のが当たり前です。数百件あたって、その中から、キラリと光るチャンスが1つ2つあれば、それでラッキーという世界です)
- 投資家に提示するなどの特別な理由もないのに、ビジネスアイデアを数年/数十年先まで綿密に練る(修正→大まかであれば、便利であり、今後の枠組みとして使えるので効果的です。しかし、細かく何が起こって、それにどうやって対処して…と考えるのは無意味です。そもそも、まだビジネスをはじめていない人が、そこでどんな障害が発生するのか予想できるわけがありません。もちろん、書籍やオンラインで先駆者の知恵を借りて、何が上手くいったか、何がダメだったかを学ぶことは、非常にお勧めであり、むしろ、必須です。しかし、これを飛び越えて「想像の世界で積み木を立てる」のはやめましょう。現実という巨人が現れ、次の瞬間には、綺麗に積み上がった積み木の城を破壊してしまいます。ちなみに、私の場合、ここまでで、全てのビジネスのなかで、計画通りにいった確率は0%です。大事なのは実世界の生のフィードバックにあわせて軌道修正をしながら進むこと)
“アイデアはある”という方には、少し申し訳ありませんが、現実として…それはつまりゼロです。アイデアは「誰にでも」あります。世界中の全人類が「こんなのがあったら、いいのにな」、「こんなことをしたら、大金持ちになれそう」と、大なり小なり、思っているのです。かたちになっていないアイデアを過大評価しないでください。アイデアそのもに価値はありません。実行して「空想の世界」から「現実の世界」に少しでも持ち込んだ人に、賞賛が送られるものです。
アイデアを無駄死にさせないためのツール
あなたの頭の中では、日々何人のアイデアが無駄死にしているでしょうか。輝かしき未来を掴み取ることを夢見て…そのまま、記憶のかなたへ。
そんな悲劇を二度と引き起こさないために、鍵となるのが、メモです。アイデアは頭に数時間もとどまりません。下手すると、數十分もあれば「あれ。何を考えていたんだっけ?」となってしまいます。そこで、以下のようなツールを使ってみることをお勧めします。
- EverNote:まずは、定番中の定番です。簡単に言えば、シンプルで使いやすいノート。これの良さはなんと言っても、あらゆるデバイス間で同期できることでしょう。スマホにメモ、パソコンでメモ…そして、どこに何があるのかわからない…なんてことになるくらいだったら、メモしない方がマシです。せっかくアイデアのメモを取るならば、デバイス間の同期を徹底するか、もしくは、特定のデバイスに限定しましょう。
- Wunderlist:こちらは、多機能なToDoリスト。アイデアのメモにToDoリストを使うのが、効果的です。なにせ、アクションを伴ってはじめて価値を発揮するのがアイデアです。アイデアを思いついたら、期限を決めてしまいましょう。具体的にわからない場合には1週間後にするのがお勧めです。そして、1週間後にアイデアのリマインダーが届きます。その時に行動するか、または、なんだこの酷いアイデアは(当初の情熱のせいで、良いアイデアに見えていただけの可能性も)となるのかチェックしましょう。
私は、このようなアイデア用のツールと「習慣1:記録」「習慣2:共有」の内容を組み合わせています。もう一度整理しておくと、こんな具合です。
- 収益と行動の記録にはGoogleシートを使う
- 共有するためにWordPress(もしくは他のサイトやSNSなどでもOKです)を使う
- ラフなアイデアはEvernoteで記録する
「1」は1日の終わりに記入するものです。「2」は1ヶ月に数回程度で問題ありません。そして「3」は毎日、アイデアが降ってきた時にすぐさま使用します。
習慣6. お金を借りない
「習慣3」では、出来るだけ早い段階で、お客さんに製品やサービスを提示して関わってみることを強くお勧めしました。それを聞いて「プランはないし、何もわからないけど、やる!」という極端な解釈をする人も、いるかもしれません。最低限の調査(セカンダリリサーチ)は必要であり、重要ですので、その点にはご注意ください。
そして、もう一つ、注意したいのが、無闇にお金を借りないこと。思い切りのいい人は、その強みをどんどん生かして頂きたいものですが…大博打かのようにお金を借りるのは避けてください。そもそも、どんなタイプの人にも、お金を借りないでビジネスを始めることをお勧めします。
会社=資金調達の賜物、という幻想
なぜだか、会社設立というと、多くの人が膨大な資金をイメージします。おそらく、これはニュースのせいでしょう。ネタになる、インパクトのある部分だけが注目されるので仕方がないことですが…数億といった、とんでもないケタが目に付くものです。
しかし、実際に、ビジネスを始めるのに大量な資金は必死ではありません。もちろん業態によりますが、多くのアイデアは自己資金だけで始めることができます。そもそも会社は事実、1円から設立できます。資本金を設定する際に、もっと多くするのは、結局のところ、取引先からの信用などの理由がメインです。
もちろん、1円だけで会社を回すことは現実的ではありませんが…例えば、数十万、数百万貯めて、会社設立、ということなら全然可能です。私は、資本金10万円ではじめています。その後、定款に記載する資本金を増やすかどうかは、ビジネスの流れで決めればいいと思います。得意先となる相手が、そのような数字を気にするなら増やし、そうでないならそこまで頭を悩ませる必要すらありません。
もう少し話を進めますと「資本金が多いから安心できる」という考え方は非常に危険です。資本金の大部分が外部からの借り入れの可能性もあります。さらに、資本金の額に応じて、税区分が変わったりもしますので、そのような理由で資本金を少なく抑えている大企業もあります。
ヒトのお金ほど無くなりやすいものはない
ヒト(他人)からのお金は、すぐ無くなります。それがもらったものであっても、借りたものであってもです。人間がお金に対して感じる価値は絶対的なものではありません。数字で価値が確実に定義されているように思えるものですが、実際は違います。同じ1000円でも、大事な1000円と、気にもしない1000円になり得ます。
例えば、こんな子供時代を振り返りましょう。慣れないアルバイトで必死に働いて稼いだ800円。そのお金を使って食べた、ハンバーグ定食。涙すら出るほど愛おしいものです。そして、お母さんからもらった800円で、学校の帰りになんとなくファミリーマートで食べたカレー。全く違いますね。
お金を借りると、ありがたみが減り、無謀な、無責任な判断が増えます。いきなり手元に使えるおかなえが増えると、心がウキウキして、どんどん消費したくなるものです。収入が高い人ほど貯金しない傾向にあるのにも、このような精神的な要因が関係しています。
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世界X周生活アカデミー
そもそも世界X周とは?
準備編
- 【こんな人に最適】“世界X周生活”適合者の16の特徴
- 世界旅行と生活が一体化すると「1日の流れ」はこのようになる(+7年後のダメだし)
- 【“自由”の落とし穴】 世界を旅する生き方の注意点
- 世界一周+仕事に挑戦する前に【9の自問自答チェックリスト】
- 世界を旅し思うこと─世界旅行中の「日々のちょっとした楽しみ方」
- 「世界X周生活」とは?旅行をしながら生活を続ける事なんて可能なの!?
- 【有名でない国こそおすすめ】マイナーな国を旅行・観光してみるべき理由
- 世界旅行をしながら海外で仕事〜実際にメリットだと実感する6つのこと〜
実践編
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