旅をしながら仕事をするという生活は、まだまだ一般的ではありませんが、可能性としては、多くの人に普及しつつあるように感じます。そして、この生き方を選んだとすると、まずは、こんなことを考えるはずです。
収入源はどうするのか。どのような形態でお金を稼ぐのか。
大きく分けて3つの方法があります。
- 個人事業主として働く
- 会社を設立する
- どこかの会社に雇ってもらう
それぞれについて、詳しくご説明します。何となくそれぞれの違いがあることは知っている、どれが自分にとってベストなのか決め悩んでいるという人のお役に立てれば嬉しいです。私自身は、1番と2番の方法を実践してきました。
1. 個人事業主として働く
個人事業主という言葉に馴染みのない方も多いと思います。今では、少しだけ話題になりつつある働き方であるフリーランスは、実はこの個人事業主にあたります。ですので、簡単に言えば「会社を作らず、会社に属することもなく、個人として仕事をする」ことだとお考えください。非常に自由な生き方です。その一方で、全てが自分の努力次第という、残酷な運命も待ち受けています。
メリット
- 自由に自分のスケジュールが組める
- フリーランスという立ち位置が世界的に受け入れられているので、個人であることで信頼性が欠けるという事態はそこまでない(もちろん企業に比べると劣ることはあり)
- 趣味をそのまま仕事にできる可能性がある(イラストを描いたり、ハンドメイドの小物を販売したり)
- いつでも方向転換ができる
- 初期投資がほぼゼロで済む(あえてお金をかけるとすれば、商品やサービスを販売するサイトを構築するなど)
デメリット
- 仕事の量が変動しがち
- 仕事を確保するための努力がネックになりがち(仕事をもらうために営業をしたり、メールを送ったりといった作業に膨大な時間がかかる)
- 自らの時間を管理する能力が要求される(いかに集中して仕事をするのか、いかにダラけずに日々を過ごせるか、いかに習慣を構築できるか)
個人事業主のパターン
- フリーランス(イラスト、データ分析、データ入力、動画編集、インタビュー、オンライン記事作成などなど)
- YouTuber(YouTubeで動画を公開して、一定数以上のフォロワーが獲得できたところで収益化のオプションが利用可能になる)
- ブロガー(旅をしながらブログを運営して、広告収入や、もしくは、自らの商品・サービスを販売するなどして生計を立てる)
- インフルエンサー(インスタグラムで有名になり、ファッション関連商品を紹介する等)
こんな人におすすめ
個人事業主は、「旅人」という言葉から多くの人がイメージする「ザ・自由な生き方」がしやすい形態です。とにかく自由に、気ままに生きることを重視する人であれば、個人事業主がぴったりです。誰かに仕事の仕方を指示されることがないので、そのようなストレスからは解放されます。逆に言えば、自分を律するのが苦手な人は、低空飛行に悩まされることがあるかもしれません。とは言え、収益の大きさを重要視しないのであれば、個人事業主は便利な選択肢です。
既に、オンラインで提供することのできる特技や強みを持っている人であれば、早い段階から収益を上げることができる可能性があります。なにせ、最初の1円を稼ぐまでには、それ相応の努力が必要ですが、獲得した瞬間の喜びはひとしおです。特に突出した強みがない…という方であっても、ブログ運営などは、気軽に始めることができます。また、YouTubeでビデオコンテンツを作ることに特化するのもアリです。
個人事業主は、自分自身のブランディングをいかにうまくこなすことができるかが重要です。会社であれば既にクライアントがいたりするものですが、あなたが生身で市場に飛び出すので、全くの別次元。自分を積極的に露出する(SNSで顔写真を出したり、自分が出演するビデオを公開したり)ことに居心地の悪さを感じない人が、向いています。しかし、必ずしも、自分を全面に押し出す戦略だけが道ではありません。顔を出さず、そして、本名を使わずに、お金を稼ぐこともできます。ただし、フリーランスサイトに登録することを検討している人は、「できるだけ身元を公開した方が、高い確率で信頼を勝ち取り、仕事をもらえるようになる」という事実は、念頭に置いておきたいところです。
2. 会社を設立する
こちらは、自分が会社の創設者であり、社長、はたまたCEOになる方法です。会社を設立する、というと難しそうに聞こえるかもしれませんが、実際には簡単です。私もやりましたが、法人を作るだけであれば、難しいことはありません。例えば、会社といっても様々な種類がありますが、その中でも合同会社は要件が簡単で、資本金は実質1円でも設立可能です。ただし、1円であることで、信頼性に欠けるといった、マイナスの面はもちろんあります。1円というのは極端な例ですが、例えば、数十万円でも全く問題ありません。
なお、ここでは日本で会社を設立した場合として話を進めます。
メリット
- 会社があることでの信頼度が増す(大きな仕事を獲得するために特に重要)
- 税金面での優遇が受けられる
- 会社を設立することで中途半端ではないコミットメントを自らに強制できる(中途半端な関わり方ができなくなる)
- 実際に会社を設立すること(登記)自体は難しくない
デメリット
- 書類の管理や保管が面倒(当然、オフィスを借りることが必要になり、コストになる)
- 物理的に日本にいなければいけないことがある(決算書の提出など)
- 財務系の知識が必要になる(自分で本を読んで勉強するか、それとも、税理士を雇うか)
- 事務系の人を雇うことで費用がかさみがち
- 事業としてのフットワークが重くなっていく(会社が大きくなっていくと、どんどん、変化を加えることの面倒さや難しさが増える)
- 多くの場合、先にある程度の蓄えを確保することが必要になる(超重要:ランニングコストを上回る利益が出るまで、通常は1年〜数年かかるもの)
会社を設立するパターン
- フリーランスから会社設立へ移行する(会社設立を最初から行わず、フリーランスとして世界を旅しながら感覚をつかみ、貯金もある程度貯まったところで会社設立)
- 志を同じくする仲間と共同で会社を設立(会社勤めの仲間数人と発起して、会社を辞め、貯金をあわせて会社を設立)
こんな人におすすめ
会社を設立することの強みは、とにかく、成長率が無限であること。複数の労働力を結集し、大きな成長を目指すことができます。複数人でのプロジェクトを検討している場合には、会社設立が非常に自然な選択肢でしょう。会社設立からの1年目は、大抵、暗闇の中をもがきながら進むことになります。ですので、この期間に(そして、その後数年も)気楽に世界を旅することができるかと言ったら、必ずしもそうとは言えません。
既に顧客をある程度獲得している場合を除いては、早い段階で、顧客を獲得することん奔走することになるでしょう。この段階で大事なのは、戦略的なアプローチを取ることです。ロケットスタートを切るには、広告を出したり、アフィリエイトマーケティングをしたり(売り上げに貢献してくれる人に対して、その額に応じたコミッションを払う)、専属のマーケティングマネージャーを雇ったりする必要が生じることもあります。これらに対してどれだけの資金を投じることができるのか、会社の設立前に考えておくことが重要です。
3. どこかの会社に雇ってもらう
3つ目が、どこかの会社の被雇用者になることです。この方法は、自由度を考えると、正直、一番現実的ではないでしょう。リモートワークが普及してきましたが、それでも、ある会社に所属しながら自由に旅することが許可される、という可能性はかなり考えにくいです。そのような自由な会社があるとすればもちろん考えてみるのがいいでしょう。ただし、最初からそのような選択肢に狙いを定めると、何も話が進まない怖さがあります。
メリット
- 安定した仕事が最初からもらえる
- 会社設立に比べて前準備が全然ないという意味で非常にラク
デメリット
- 会社の方針次第では自由な暮らしではなくなる
- 残業などの曖昧な部分が原因で無給の仕事が発生する可能性がある(これについては、契約を結ぶ段階でちゃんと明らかにすることが重要)
- 更新してもらえない場合には一気に(旅先で)無一文になる可能性あり(このような意味で、第二の作戦も常に考えておくのが得策→例えば個人ブログも並行して運営するなど)
どこかの会社に雇ってもらうパターン
- 日本の会社に海外在住者として雇ってもらう(この場合だと特定の国にずっといることが要求されるもので、実際に世界を旅しながらというのは難しい)
- 日本の会社にオンラインでできる仕事を行うスタッフとして雇ってもらう(例えば、典型的なものでは、毎月一定数の記事を執筆するなどのお仕事=個人の執筆可能数やトピックの知識量に左右されるものの、あまり多くの給料はもらえない傾向あり)
- 海外の会社にオンラインワーカーとして雇ってもらう(海外ではバーチャルアシスタントという位置付けで雇用を行う会社が数多くあるので狙い目)
こんな人におすすめ
海外を旅しつつも、継続的に同じ額の給料がもらえる、という安定性を求める人には、被雇用者という選択肢がおすすめです。正社員として、海外を旅しながら仕事ができる、という待遇はそうそう出会えるものではありません。ですので、そんな場合には、数ヶ月〜1年くらいの契約で、バーチャルアシスタントとして採用してもらうことを狙ってみましょう。契約内容にもよりますが、これと併用して、オンラインでフリーランスの仕事をすることもできます。
このように、特定の会社に長期間雇用してもらうという選択肢は、安定を確保するための優れた手段です。これを土台にした上で、他の2つの選択肢(フリーランスの仕事も掛け持ちする、または、会社設立に向けての貯金をする…など)へと移行するというやり方もありでしょう。
さいごに
今回は、形態として挙げられる主要な3つのパターンをご紹介しました。それぞれにはわかりやすいメリットやデメリットがあります。また、どれをどのタイミングで採用するのかも重要です。
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