危険度800%の殺害予告!ジャマイカ,モンテゴベイ一人旅の治安【レゲエ恐怖症】

 

危険度800%の殺害予告!ジャマイカ,モンテゴベイ一人旅の治安【レゲエ恐怖症】

 

よく、ジャマイカの治安は悪いと言われます。「ジャマイカは危険だ!」という人にも何人も会ってきました。

私はというと…ジャマイカのモンテゴベイMonteo Bay)である事件に巻き込まれました。

簡単に言えば…「誘拐」と「殺害予告」です。

 

私がジャマイカ、モンテゴベイの治安を「いいと思うか」それとも「悪いと思うか」は最後にはっきりとお伝えします。

複雑な出来事と、複雑な心境ですので、順を追いながら説明していきましょう!私のようには“絶対に”ならないで下さいね。

 

Useful source: GOV.UK

 

1. 全員が明るい人々…レゲエの男も?

 

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ジャマイカはとっても陽気で明るい国です。少なくとも私の第一印象はそうでした。モンテゴベイの空港に着いた瞬間から、知らない人でも、「友達であるかのように」親しく話せます。タクシーの運転手もノリノリで、感じがいい人たちばかりです。だからこそ、私は油断したのでしょう。モンテゴベイでは、ある小さなゲストハウスに宿泊しました。20代の若い男女がアルバイト感覚でフロントを任されている仕組みでした。わりと、このタイプのゲストハウスは、アフリカで多いので、私は慣れています。何も事前に調べていなかったことから、親しみやすいフロントの二人(男と女:シフト制)に色々と、周りにある観光地を聞いてみました。

すると、どうやらビーチがメインとのこと、海の近くの通りにはお土産屋などもあり、全力でお勧めされました。それ以外の場所はどうやら、バスを使ったり、自分で車を運転したり、またはタクシーをハイヤーしないと難しいとのこと。早速、私は浮かれ気分で海の方へ出発。ゲストハウスは丘の上にあったので、海の側へと真っすぐ坂を下っていきます。すると、ゲストハウス付近の第一村人(?)として、道端で、テンションの高めなレゲエの男に遭遇しました。ここから、この人のことを「レゲエ男」として紹介していきます。

 

2. 地元で大人気のレゲエ男

 

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このレゲエ男は、非常に人当たりがよく、私に色々と話しかけてきます。見たところは20代後半から30歳くらいでしょう。身なりも清潔感があり、決して悪い印象ではありません。今までと同様に、彼には優しく接しました。「アメリカ一周の旅をしてから、ジャマイカにも立ち寄ったんだよ。何も調べていないからサッパリ、観光情報がなくて…」といった具合です。すると、レゲエ男は「よし、俺が案内してやろう!」と言い出したのでした。どちらとも返事をせずに考えていると、レゲエ男は、私の手をとって、近くにあった小屋へと向かいました。どうやら、私用があるようで、そこの家の人と話し込んでいます。

その用事が終わるとまた歩き出します。向こうから歩いて来た人と「よう」と挨拶をしています。どうやら、この辺りでは顔の知れた人らしいのです。しかも、たった一人ではありません。色んな人と握手をしては、笑顔で会話をしています。その後には、「実は俺の奥さんは日本人なんだ」と言って写真を見せてくれました。30代くらいの女性で、間違いなく日本人だと分かりました。「そうか、その縁も感じて、優しくしてくれてるのか」と納得する私。

 

3. レゲエ男と…もう少し遠くまで?

 

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丘の下の方まで行くか行かないかくらいの時に、レゲエ男は「車に乗ろう」と言いました。「そんな遠くに行く気はないんだけど」と私。「大丈夫、1時間くらいちょっと観光案内してあげるよ」とレゲエ男。その時の時間が昼頃だったので、特に気にせず、観光をお願いすることにしました。ちょっとすると、一台のタクシーが到着。運転手はかなり無愛想な大男。レゲエ男は助手席に乗り込み、私は後部座席を陣取ります。どうやら、レゲエ男と運転手は仲がいいらしく、ぺちゃくちゃと談笑。

そこから15分程で車は山の中に停車。天然のわき水があるらしく、それを飲ませてくれる(その人の所有物ではありませんが…)とのこと。獣道を進むと小さな川があり、そこの水を手ですくって飲んでみると…とっても冷たくて美味しい。次の目的地はボブ・マーリーが住んでいたと言われる家です。門が立派で、外から見るだけですが「ああ、まあ、ここに住んでいたのね」と思いつつ「ほぉ〜」というリアクションをしました。

 

4. レゲエ男は…二重人格か?

 

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楽しいツアーは続きます。続いては海!海といってもビーチではなく、地元の漁師がたくさんいる場所に案内してくれました。ボードゲームを楽しむおじさんたちもいます。地元の人に案内してもらう観光はいいものです。観光客が知らない穴場に連れて行ってもらえますからね。…そんな「旅のまとめ」的な文言を頭の中で考えていた時、雲行きが一気に変わりました。スッと変わったのです…レゲエ男の表情が。タクシーの助手席から私の方を振り向くと単刀直入に「金を払え!」と叫びました。私のリアクションは恐怖というよりも、驚愕です。こんなに一瞬で人の雰囲気が変わるものなのですね。

さすがに、私も「おっけー」とは言いません。なるべく穏やかに、かつ理論的に責める作戦に出ました。「今日は楽しかったよ、ありがとうね。これで日本からの観光客も増えて、経済的にイイ感じになるね」という無理のある説得は、もちろん効果がありませんでした。「金を払え!!」の一点張りです。壊れたスピーカーみたいに、お金を要求してきます。次に私が考えたのは、「同情を買う作戦」です。当時、私はまだ大学生でしたので「お金のない貧乏大学生にそんな怖いこと言わないで」といった、涙を誘う声、そして表情、姿勢、首の角度…もろもろをフル活用したのでした。それでも効果はありません。

 

5. 怒り狂うレゲエ男!

 

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むしろ、レゲエ男は逆上!「金を払わないと殺すぞ!」を連呼し始めます。今でも、レゲエ男がジャマイカ人特有の英語(「メン!」を頻繁に使用)でタクシーの中いっぱいに響き渡る声で怒鳴り散らす光景は、脳裏に焼き付いています。私が「お金を持っていない」と言うと、「じゃあ、ホテルまで行く」と言い出しました。これはマズいので、クレジットカードを持っているという設定にしました。町のどこかのATMでお金をおろすタイミングで助けを求めようと考えたのです。これが、まさに、人質に取られている人や誘拐されている人が抱く心理状況なのでしょう。紙に「助けて下さい」という内容のメモを書いて、誰かに渡すという作戦も考えましたが…何も書くものがありません。

タクシーはすぐに町のATMに着きました。銀行の前には警備員らしき人がいます。私が恐れていたのは2つです。一つ目は「ゲストハウスの場所がバレている」のではないかという心配。そして、もう一つが「を持っていたらどうしよう」という不安です。誰かに助けを求めてもその場で射殺されたらどうにもなりません。タクシーを降りてATMからお金を下ろしに…とその時、レゲエ男もタクシーを降りて、私について来ました。いかにもドラマでありそうな展開…。ATMの機械は銀行のすぐ前、つまり外側の壁に設置されています。クレジットカードを入れて、わざと間違った暗証番号を入力。「ダメだった」と伝えると、レゲエ男は、いかにも煮えたぎる怒りをこらえた表情に。

 

6. まるでドラマみたいな展開に

 

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ATMの問題だと考えたレゲエ男は、他の銀行へと移動することに、次の銀行までもタクシーで移動します。ここのATMでも挑戦しましたが、ダメ。もちろん私が違う暗証番号を入力するので。すると、焦ったような雰囲気でレゲエ男は、銀行の中にいる職員を呼びに行きました。これはチャンス。でもを持っていたら。そして、もう一つの情報が頭をよぎりました。タクシーの中で、レゲエ男は、「この町のマフィアとは完全に繋がっている。どこにいてもお前を見つけるから、逃げようと思うなよ!殺すからな!」と言っていたのです。これは嘘か本当か。本当だとしたら、逃げた瞬間から、モンテゴベイ全体を舞台として逃走劇を繰り広げることに…。とはいえ、黙っているのも気にくわない。一か八か、走って逃げることにしました。

銀行の階段を下り、タクシーや様々な車が止まっている駐車場の端の方を駆け抜けます。もう、あのタクシーがどこに居たのか、運転手がこちらを見ているのかは、気になりません。というよりも前を向いて思いっきり走ることしかできないのです。なるべく人がたくさんいる道を選びました。歩行者を避けながら、ひたすらに走ります。後ろから声は何も聞こえません。ちょうど通りかかったタクシーに乗りました。その運転手の顔を見ると…知らない人でした。安心です。ゲストハウスの住所を告げ、直行してもらうことに。その間も「どこかで目撃されるのではないか」と警戒し、タクシーの中で、妙に体を傾かせたり、横になったりしていたのでした。無事にゲストハウスに到着です。不思議なくらい静かで、さっきまで聞いていたレゲエ男の怒鳴り声が、嘘みたいです。

 

7. 一番怖い真実

 

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頭がくらくらしました。うまく思考ができません。そんな様子を見て、フロントの人には心配されました。なんとかゲストハウスで、一日の出来事を話すと、思わぬ言葉が。「ああ、その人ね、知ってるよ。でもいい人じゃない?」この瞬間には、さすがに背筋が凍りつきました。あのレゲエ男は完全に、近所では「とってもいい人」で知られているのです。怖いですね。いかにも、「普段は良き夫、裏では殺人犯」みたいなパターンですから。つまり、このゲストハウスは、例のレゲエ男の支配下にあるようなものです。その日はただただ、部屋でうずくまりながら夜を過ごしました。

 

8. モンテゴベイの観光とは?

 

危険度800%の殺害予告!ジャマイカ,モンテゴベイ一人旅の治安【レゲエ恐怖症】

 

次の日はゲストハウスから一歩も出ませんでした。充電期間です。あまりにも不安感が高まっていたので、その次の日もほとんど外には出ていません。ようやくその次の日になって、「ちょっとでもまともなモンテゴベイを味合わせてくれ」という思いで、「ドクターズケーブ」という名前のビーチに向かいました。すると、そこは…完全なるパラダイス!しっかりと治安が整っていて、料金を払ってビーチに入れるようになっています。まるで別世界です。いわゆる、これが、観光客の住む世界なのでしょう。

 

9. ジャマイカ、モンテゴベイの治安は結局のところ…?

 

危険度800%の殺害予告!ジャマイカ,モンテゴベイ一人旅の治安【レゲエ恐怖症】

 

ジャマイカ、モンテゴベイの治安は…二つあるのではないでしょうか。一つは、何が起こってもおかしくない状況で、もう一方は安全で楽しい場所。もちろん二つ目が観光客の選ぶべき道です。時に、現地の人と関わり合ってみたいと思うものです。しかし、ジャマイカ、モンテゴベイでは、その好奇心をうまくコントロールする意思が試されるでしょう。当時の私のように、調子に乗って、誰かにホイホイとついて行かないで下さい。今考えると、本当に馬鹿な判断でした。完全に、無経験で騙されやすい大学生でした。

是非とも、ジャマイカ、モンテゴベイを観光する場合、また一人旅する場合には、治安に気をつけて下さい。敢えて言うのならば「ジャマイカ、モンテゴベイの治安はいい」です。殺害予告を何度もされた私でも、治安のよさは感じます。というのも、あの事件以外は、全ての思い出が最高だからです。あの日以外に危険を感じたこともありません。なので、怪しい男と関わり過ぎない限り、さらに、危険な地域に立ち入らない限り…そして、観光地を楽しむ限り、安全です。

モンテゴベイの海は、目が飛び出る程にきれいです。基本的に、ほとんどの人が陽気で親しみやすいのも特徴です。安全に気をつけた上で、最高のモンテゴベイ観光を楽しんで下さい!