Image: New York Times
アフリカの各国(特に西アフリカの国々)と関わることが多く、アフリカ諸国に多くの友人がいる@Shunya_Ohiraです。
・あるガーナ人の一言:「ナイジェリア人…とりあえず気をつけな」
・あるブルキナファソ人の一言:「ナイジェリア人…じゃあ騙されてもしかたないよな」
そんな偏見に満ちた“西アフリカの人々”からの声を確かめるべく、詳しく調査をしてみました。私の体験談と調査結果をあわせて、ナイジェリアの治安をご紹介します!
前評判の悪すぎるナイジェリアの治安を暴く
それでは早速、「世界最悪の治安」と称されることすらある、ナイジェリアの治安のリアルに迫りましょう。
1. ナイジェリア人の性格が怖すぎる!?
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まずは私が最も身近に感じる情報から。
国の治安を形成するのは言うまでもなく“人”です。
どれだけ人が優しいかで、その国の平和度が決まるといっても過言ではないでしょう。
そんな中で、皆さんに衝撃的な一言をお伝えします。ずばり、ナイジェリア人は色々と癖が強い人が“多いかもしれないなぁ”というのが私の率直な印象です。
知り合いにナイジェリア人は複数人いますが、その全員が、良い意味でも、悪い意味でも、“ユニーク”なのです。
数あるナイジェリア・エピソードの中から、一つをご紹介します。それは、私が、ナイジェリア人とシェアハウスをしていた時の話です(話の始めからインパクト強めですが…)。
ガーナでエイズやHIVの啓発運動を行うボランティアに参加していた時に、部屋をあてがわれました。一つの部屋の中に、私の他に3人が宿泊しています。
私、ナイジェリア人2人(男女のカップル)、そしてカメルーン人(女性)で、年齢は皆、20代前半の学生です。その時は私も大学生でした。
多少のカルチャーギャップは感じつつ(楽しみつつ)も、基本的に平和な毎日でしたが、ある日、火花が散ります。例のナイジェリアのカップル2人が大げんかを始めたのです。
私のベッドが2階(2段ベッドの上)だったのですが、そこから下を見ると、2人がとっくみあいに。日本のカップルの口喧嘩とは迫力が違います。20-30倍増しでしょうか。いや、それよりもうちょっと上です。
お互いが襟元を掴んで、ぐいぐいやっています。壁に後頭部が、がんがんぶつかって、必死に止めに入りますが、2人の力がとっても強いこと。ちなみに女性の方でも、力こぶがはっきりでるくらいの立派な腕をしています。
しまいには、“女性の方が”、床に置いてあったコンセントを延長するための巨大なプラスチックのかたまりを手に取り、これで、彼氏の頭をばこばこ叩いていて、私は完全に棒立ちでした。
これが私のナイジェリア人のイメージ…の一部です。付け加えておきますが、もちろん全体ではありません。知り合いのガーナ人の言葉を借りれば、「ナイジェリア人は攻撃力の高い国民性」というところでしょうか。運動神経がいいと言うこともできなくもないかもしれません。
<1章のまとめ>
半端ない身体能力の高さと物怖じしない性格が「怖い」イメージを助長しているのかも!
2. ナイジェリア人から「詐欺」が連想される理由とは?
Image: BBC
あくまでも、私の知る限りの話ですので、全てのナイジェリア人に当てはまるわけではありません。しかし、私の周りにいるアフリカ諸国(特に西アフリカ)の友人が口を揃えて言うのが、「ナイジェリア人には警戒すべし」といった類の教訓です。
決して嫌っているわけではないと思うのですが(思いたいのですが)、少し、彼らの中には、犯罪や詐欺を行う人がいる国というイメージがあるみたいです。もちろん、これがナイジェリア人全てに当てはまるわけがありません!なので、もう少し、犯罪や詐欺といった“イメージ”がどこから来ているのかご紹介しましょう。
西アフリカでは、ナイジェリア人の犯罪組織、または個人が国外に出て、犯罪を行うパターンが多発しています。日本で生活をしていると、全くわからない事情かもしれませんが、彼らにとっては生活を脅かす恐ろしい事態です。
ガーナのメディアでナイジェリア人の関わった事件が報道されることもしばしばあり、そのようなイメージ形成の背景にあるのかもしれません。これについて、私自身は、「ナイジェリア人はビジネスに貪欲な気質があるのでは」と考えています。もちろんそれを悪用すれば、許されるべきではありません。
友人のナイジェリア人は、Facebookのメッセージをよく送ってきてくれます。その内容が、例えば「ナイジェリアから鉱山資源を日本に輸出するビジネスを一緒にやらないか」といったもの(ナイジェリアは資源の豊富な国なので)です。
「協力してほしいのなら、もう少し計画を具体的にまとめて送ってくれる?」と聞くと、だんまり。数週間後に、他のビジネスの話をしてくるといった具合です。
あくまでも私の例ですが、どことなく、他人任せな雰囲気が漂っていますね。
もう一つ、ナイジェリア人とビジネスというキーワードに関連して思うことがあります。それは、“日本人がよくも悪くもターゲットになりやすい”ということ。よく言えば、日本人であるだけで、ビジネスパートナーとして選んでもらいやすくなる。悪く言えば、単純に利用されるだけ。日本で有名な、ナイジェリアから連想される詐欺には、ナイジェリアの手紙というものがありますね。
<2章のまとめ>
「ビジネスに対しての俊敏さと貪欲さが飛び抜けすぎた一部の人々」が、詐欺や犯罪に手を染め、世界的にナイジェリアのイメージを汚している傾向が見られる!
3. 実際…ナイジェリア渡航でテロは大丈夫?
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続いては、現地ナイジェリアに渡航してもいいのかという、大事なお話です。先に、私からの個人的な結論から言いましょう。適当な気持ちなら、行かない方がいいと思います…!詳しくは、以下をご覧ください。
ナイジェリアに渡航するなら、まずはここに注意しましょう。テロです。とはいえ、テロが発生しやすい場所はある程度特定されますので、「ナイジェリア」としてひとくくりにせずに、地域ごとに理解することが重要です。
テロが多く発生しているのはナイジェリアの北東部となります。中でもボルノ、ヨベ、アダマワ、ゴンベ州は警戒区域でしょう。カノ、アブジャといった大きな町でも、いまだに、テロに警戒するのが得策とされています。
では具体的にテロを回避するためには、どうすればいいのでしょうか?まずは、人混みを避けてください。市場、交通機関の乗り場(乗り合いバスのステーションなど)、集会場はテロリストにとっての格好のターゲットです。もちろん、周囲でテロ発生の情報が入った場合も、ただちにその場から離れるようにしましょう。
ナイジェリアを旅行するなら、必ず、ボコハラムという名前も頭に入れておきましょう。ボコハラムは、ナイジェリアを拠点に、ナイジェリア国内でイスラムによる秩序を確立し、そこから西洋の影響を完全に取り除くことを目的に、テロを行う集団です。テロ組織、アルカイダとの繋がりもあります。
ボコハラムとは…(公安調査庁ホームページからの引用)
ナイジェリア北部を主要活動地域とするスンニ派過激組織。近年,攻撃対象は,キリスト教会,警察,政府関係施設などから国連施設にまで拡大。
ボコハラムは、ナイジェリアの北部で、再三、テロ行為に及んできました。中でも、先ほどお話しした北東部が危険地域として挙げられます。近年では、多くの人が集まる場所での、自爆テロが増加傾向にあります。
<3章のまとめ>
ナイジェリアにおけるテロは一過性のものではないので、全土で注意をしつつ、北部では特に警戒をする必要あり。それ以前に、渡航を控えるのが得策!
4. ナイジェリアで…誘拐される?
Image: Humanosphere
ナイジェリアの治安には、まだまだ奥があります。次にご紹介するのが誘拐事件です。ナイジェリアでは、地域を問わず、テロ組織による誘拐が多発しています。
特に警戒すべきは北部ですが、それでも、(大事なのでもう一度言います!)ナイジェリア全土で、誘拐発生の可能性があるので、十分な注意が必要です。誘拐の理由は何パターンかあります。
1. 身代金目当て
2. 政治的な強硬策として
3. テロ活動の一環として
日本人である私たちは、この中でも特に、1と3を最も警戒すべきでしょう。つまり、治安を理解せずに、ふらふらっと軽い気持ちでナイジェリアを旅行した結果として、あなたが誘拐される可能性は十分にあるということです。
また、ナイジェリア南西部のニジェールデルタでは、誘拐に加えて、武装攻撃にも警戒が必要です。このエリアには、油田や天然ガスの施設が存在することから、これを狙った犯行が増加しています。例えば、日本人を含む外国人は、お金持ちとして認識されるので、その際にターゲットになりやすい傾向にあります。
ニジェールデルタの上空からの写真
Image: wikipedia
<4章のまとめ>
ナイジェリアの治安を知る上で誘拐も欠かせない。油田関係の施設を狙う犯罪や、外国人そのものを襲う犯罪も発生しているので、場所を問わず警戒が必要!
5. え、ナイジェリアには…門限が?
Image: The dream project
まだまだナイジェリアの治安についての衝撃の事実は続きます。ナイジェリアでは、門限が適用されることがあります。つまり「この間は、外に出ないでください」ということですね。ナイジェリアの中でも特に、ボルノ、アダマワ州などで、外出制限が実施されることがあります。
現に、2017年2月、異なる民族の衝突を発端として、14人の死者が出たことでナイジェリア中部で24時間の外出禁止令が出されています。
このような外出禁止令は、ふつう、突然出されるものです。ですので、現地にいる場合には、常に、このような情報をチェックできる状態を確保することが重要でしょう。せっかくですので、現地の治安情報をリアルタイムで獲得するための基本的な方法を、次の章でご紹介します!
<5章のまとめ>
ナイジェリアでは突然、外出禁止令が出される可能性が。常に現地の最新情報獲得に努めること!
6. ナイジェリアの治安情報をゲットする方法
ナイジェリアへの渡航前、またはナイジェリア滞在中に、治安に関わる最新情報を獲得することはとっても重要です。もし、どこかでテロが発生していて、それに気づかないでいたら…考えるだけで恐ろしいものです。
治安情報獲得作戦1. Googleアラート
まずは、Googleアラートをご紹介します。これの強みは、無料であること、そして、自分から意識してチェックする必要がないことでしょう。
使い方は簡単です。Googleアラートの画面へと移動し、虫眼鏡マークの横に「ナイジェリア」と入力するだけ!
ちなみにアラートとは、自動で最新の更新情報などを教えてくれる機能「Alert(英語)」を指します。
あとはニュースを受け取るメールアドレスを下の欄に入力して、「アラートを作成」をクリックしましょう。これで、頻繁に、ナイジェリアに関連したニュースがメールに届きます。
治安情報獲得作戦2. 現地の人に質問
ナイジェリアでは広く英語が通じます。しかし、田舎などに行けば、現地の言葉しか通じないことも。そんな場合には、あらかじめ、ローカルな言語にも対応できるように、一冊本を用意しておくのがおすすめです。
難しい文法などは覚える必要はありません。あくまでも、基本的な単語を組み合わせて、最低限の情報が確保できればいいのですから。例えば、ハウサ語であれば、以上のような会話の本がAmazonから簡単に購入できます。
<6章のまとめ>
ナイジェリアの治安について最新情報を獲得するために、「ネット」と「人づて」の両方を活用すべし!
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