禁断のタブー?ネパールの食事マナーと習慣、文化、生活

著者:ネパール在住 さくらぷらす

【お箸の持ち方が悪いと、お育ちがわかる】

そう言われて私は大人になりました。

 

私たちの国、日本はマナーをとても大切にします。

海外からも、そのマナーの良さは賞賛されるほど。度々ニュースとして取り上げられているのを見ると、嬉しくなります。

 

ところ変わって海外でも、その国独自の文化やマナーが存在します。

外国人として旅行に行ったとしても、そこはもう異国の地。

 

知らないと、 とっても恥ずかしいネパールの食事マナー 

 ネパール文化のタブー って!?

 

旅行先で恥をかかないためにも、いまここでネパールの食事マナーをしっかり学びましょう!

 

まずはネパールの文化を知ろう

 

 

ネパールの文化とひとくちに言っても、いろいろ挙げられます。

その中でも3つ選んで簡単にご紹介しましょう。

 

敬意と礼を重んじる国

 

ネパールのあいさつは、「ナマステ」

相手と目を合わせながら、胸のあたりで 両手を合わせて挨拶 します。目上の人には「ナマスカール」といって、さらに敬意を示す場合もあります。

年上の人や、両親、祖父母、先生に対する敬意をとても大切にします。いくら仲が良かったとしても、目上の人にタメ口を使うのは言語道断です。

 

美しい民族衣装たち

 

文化として欠かせないのは、今も廃れていない民族衣装。

 

普段着は クルタ・スルワール という民族衣装が鉄板です。※女性のみ

鮮やかな色使いと、豪華な刺繍が旅行者の視線を奪ってやみません。

 

 関連記事:「え?ネパールの民族衣装を知る5つの事実(服にまつわる話)

 

365日同じご飯を食べる

 

 

ネパール人の 主食ダルバート をご存知ですか?

日本食の定番、ご飯に味噌汁、漬物のセットのように、ネパールにも定番食が存在します。

 

ダルバートは【カナ】と呼ばれます。

細長いインディカ米【バート】に豆のスープ【ダル】+野菜の炒めたおかず【タルカリ】+漬物【アチャール】

このセットが定番です。これに肉料理【マス】や青菜の炒め物【サーグ】が付く場合もあります。

 

もちろん日によって野菜の種類は変わるといえど、このセットを365日、1日2回食べるというのですから驚きです!

よく飽きないものだなと、未だに思ってしまう私はまだまだネパール人にはなれそうにありません。

 

基本!食事マナーのポイント

 

ダルバートが大皿にのって運ばれてきました。

日本食はワンプレートではないので、さてどうやって食べようかと戸惑われるかもしれませんね。

ネパール人の国民食、ダルバートの正しい食べ方を学んでみましょう!

 

スプーンの代わりに自分の手!?

 

ダルバートの正式な食べ方はで食べること。

大事なことなので、もう一度言いますね。

スプーンなんて邪道! 右手で食べるのが正式 です!

 

これはかなりカルチャーショックのはず!食事中に手を汚すことを嫌う日本人は、びっくりしてしまうこと間違いなし。

しかし、冗談ではなく本当に手を使って食べます。

 

ポイント

【3ステップで簡単!ダルバートの食べ方】

  1. 山盛りご飯の上に豪快に豆のスープをIN!
  2. 野菜の炒め物や肉を崩しながら、右手でよくまぜまぜ
  3. 漬物も好みで加えながら、指先ですくい口に運びいただきます。

 

この3ステップで食べることができたら、あなたもネパール人の仲間入り!

 

もっと詳しく
しかし実際挑戦すると、とても難しい! 普段手だけで食べる習慣のない私たちにとってかなり難易度は高めです。

「私にはレベルが高い」とお困りの方は、 遠慮なくスプーンを頼みましょう 。最近はネパール人もスプーンを使う人が増えてきました。

しかし、手で食べるダルバートはスプーンで食べるより数倍美味しいとのこと。 友人の中には、カルチャーショックを乗り越え、ダルバートは手を使ってなんぼというひとも存在します(笑)

 

ダルバートは食べ放題

 

もともと物価の安い国ネパールですが、このダルバートのコスパの良さには当初驚きを隠せませんでした!

ネパールの定番料理ダルバートは、なんと どこで食べてもおかわり自由 。食べ放題なんです!

ご飯を何回おかわりしようが、野菜炒めを何回頼もうが、変わらない安心価格!

 

大抵100~300ルピーで食べ放題!ちなみに肉料理はおかわりできませんので要注意。

 

こっそり教えます…
女性の方や、こんなに食べられないという方はハーフで注文がおすすめ。 ハーフといえど、量はほぼ変わりません。

おかわり制度がないことをハーフと言います。 お値段も半額ちかくになるのでおすすめですよ。

 

観光客のためのマナー違反

 

さてここからが本番です。

 うっかりやってしまいがちなマナー違反 。ツーリストだからって気を抜いては大変です。

絶対にやっていはいけない食事のマナーをしっかり覚えておきましょう!

 

左手の使用禁止!

 

先ほどダルバートは右手で混ぜると書かせていただきました。

「わたしは左利きなので・・・」そうした方でも必ず右手で食べてください!

 

これには深い深い事情があります。

ネパールにおいて、左手は不浄の手とされています。一体何が不浄なのか。

そう、トイレ用の手が左なのです!

 

さらにさらにびっくりなことに、ネパール人は トイレットペーパーなんて使いません 

左手で水をかけて洗い、それで終了です。

 

お分かりですね。そんな左手でご飯を食べているなんて絶対マナー違反です。

白い目で見られること間違いなし!特に左利きの方、なにとぞご注意ください。

 

口をつけるのは禁止!

 

ミネラルウォーターを買ったとします。ペットボトルなのでそのまま、ぐいっと口をつけて飲みたくなりますね。

でもこれも実はマナー違反。

ネパール人は決して口を付けません。(付けないように気をつけています)

 

なぜならネパール人の中で水は、 みんなで回して飲むもの 

人が口をつけたものは不浄とされるので、回し飲みをするためには口をつけてはいけないのです。

 

ポイント
最近は一般的なレストランでも初めから、コップを出してくれるようになってきました。 コップや炭酸飲料などは、そのまま口をつけて飲んでもOKです。

 

ネパール生活のタブー

 

食事のマナーだけで、日本とはかなり違うことがお分かりいただけたと思います。

私たちの常識は常識ではない、ということですね。

ほかにもネパール生活では、タブーとされていることがいくつかあります。その驚きの事実をご紹介しましょう!

 

水は限りある資源

 

どこかの環境ポスターのような見出しですが、 水は本当に限りがあります 

水道をひねっても、水は当たり前のように出るわけではありません。特に首都カトマンズでは年中深刻な水不足に悩まされています。

 

日本では災害時でもない限り、水は毎日必ずあるものと信じて疑いませんが、カトマンズでは朝顔を洗おうとして蛇口をひねっても水がない、なんてことはしばしば起こりえます。

 水を贅沢にじゃばじゃば使って無駄にすること は、ネパールではタブーとされています。

 

道路は必ず歩いて渡ろう

 

深刻な水不足に加えて、ネパールではしょっちゅう停電がおきます。

最近では随分少なくなったものの、なかなか安定しない日もあります。そのため、ネパールには ほとんど信号がありません 

未だに警察の手信号だったり、車同士が合図を出しながら走っている、いわば無法地帯です。

 

しかし移動の為には、そんな危険な道路を渡らなければいけません。

走ってすぐに渡らないと危ない!と感じることがあるでしょう。でもそれは逆に危険です!

 

歩行者が渡ることに車も慣れているため、渡る人間が走るということは予想していないためびっくりしてしまいます。

車の走行速度はそんなに早くないため、 落ち着いて歩いて 渡りましょう。一人で渡るよりも、多くの人と一緒に渡ると安全です。

無法地帯、みんなで渡れば大丈夫?を標語にしてください(笑)

 

もちろんネパールでのみ通用するので、日本ではちゃんと信号を守りましょう。

 

口笛は禁止!?

 

私の友人が実際に経験したことです。

人は嬉しいことがあると、自然に歌ったり口笛を吹いてしまうものですが、ネパールで口笛はタブーとされています。

それも 室内での口笛のみタブー です。

 

これは迷信なのですが、室内で口笛を吹くと悪い神様がやってくるとネパール人は信じています。

友人もこれが原因で、大家さんから叱られていました。ホテルやゲストハウスでも注意したほうがいいかもしれませんね。

 

屋外なら全く問題ないそうなので、口笛が吹きたいあなたは外で存分に演奏しましょう。

 

常識やマナーは国でこんなに変わる

 

驚きのネパールのマナーやタブーはいかがでしたか?

特に左手のくだりでは、かなりカルチャーショックを受けたのではないでしょうか。

 

いろいろな文化をこの目で感じて初めてわかることは、たくさんあります。

自分の殻を破る機会の1つとして、ぜひ違いを楽しんでください!

 

禁断のタブー?ネパールの食事マナーと習慣、文化、生活