【World News】チェルノブイリの放射能が山火事によって世界に拡散!?

 

チェルノブイリの放射能が山火事によって世界に拡散、という穏やかでないニュースです。チェルノブイリ原子力発電所での事故は過去の話として語られることが多いですが、その影響は現代にまで続いています。今回はそんなテーマに迫りましょう。

 

Image: In Focus

 

1. チェルノブイリの放射能が世界に拡散?

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(Image: Fire Management)

ウクライナチェルノブイリ原子力発電所(以下チェルノブイリ)で事故が起きたのは1986年のことです。世界の歴史の中でも最悪なレベル(分類:レベル7)の原子力事故だと言われています。(詳しくは:チェルノブイリ原子力発電所事故 – Wikipedia

2014年になった現在、チェルノブイリに関する新たな問題が懸念されています。それが山火事による放射能の拡散です。

Source: Radiation risk from Chernobyl forest fire smoke worries ecologists  – SCI GOGO

 

2. チェルノブイリの木は土に帰らない?

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(Image: Thirteen)

チェルノブイリの付近には広大な森があります。サウスカロライナ大学のTim Mousseauとパリ第11大学のAnders Mollerという二人が、その森の中でもより放射能による汚染が深刻なエリアであるレッドフォレスト(Red Forest)で調査を行いました。

その調査によると、このような結果が出ています。レッドフォレストにおける落ち葉などの堆積物は“土に帰りにくい”という事実です。そのエリアで、地面に倒れた木を観察し続けたところ、15年〜20年経っても土に帰らず、“以前のまま”の状態だったのです。普通、木が地面に倒壊すると、10年ほどで“おがくず”へと変化していくものなのですが・・・。

 

 

3. 放射能と葉っぱの分解は関係あるの?

 

この状況を不思議に思った彼らは二つ目の実験も行っています。それは、チェルノブイリ付近の放射能に汚染された森の広範囲に渡って、メッシュの袋に入れた“汚染されていない葉っぱ”をばらまくというものです。場所によって“葉っぱが分解されて土に帰る度合”を見ようとしました。

その結果が、「放射能による汚染が強いほど、葉っぱが土に帰らない」というものです。さきほど倒壊した木が土に帰らずに15年〜20年もそのままでいるという話をしましたが、これの説明もつきますね。

 

 

4. バクテリアが放射能のせいで動けない?

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(Image: Wallpoper)

さらに二人はこう結論付けています。

“植物を分解するバクテリアや菌類の動きが放射能によって妨げられている。”

さて、土に帰らずに地面に残ってしまった木や葉っぱの状態はどうなるでしょうか?これらは非常に乾燥しています。乾燥して密度の低い堆積物は簡単に発火してしまいます。山火事が発生しやすくなるということですね。そして、この山火事によって大量の煙が発生します。この“放射能を含んだ”煙が世界中へと拡散する恐れがあるという訳です。

 

 

簡単にまとめると

 

まとめると、このようになります。放射能によって汚染された地面ではバクテリアや菌類が正常に植物を分解出来ません。土に帰らずに乾燥した葉っぱや木は簡単に発火します。これが山火事に繋がり、その煙が放射能を世界中に拡散してしまう危険性があります。

放射能が自然の生態系を大きく破壊し、人間の手に負えない問題を次々と発生させています。これが“ある地域の問題”という片付け方は絶対にされるべきではありませんね。「自然の中に存在する絶妙なバランスを壊さないことの重要性」と、「世界規模で環境を考えることの必要性」を教えてくれるニュースかもしれません!

 

 

 

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