日本人の知らないカカオ
・・・ガーナで実際にカカオからのチョコレートづくりを実践し、さらに日本での発信を行う中で感じたことがあります。それは、本当のカカオがあまりにも知られていないということです。
日本人がみんな大好きなチョコレート。でもほとんどの人が「カカオ豆の味」を知らない。
チョコレートの原料がカカオ豆であることはみんな知っている。でも、カカオ豆がどうやってチョコレートになるのかは知られていない。
ガーナはチョコレートの国だということはみんな知っている。けれど、ガーナでどうやってカカオ豆の生産が行われているのかは、知られていない。
そこで、皆さんに「ガーナのカカオに関する6の真実」をお伝えします!
1. ガーナは世界第2位のカカオ豆生産国!
image: by Kazunori Miyasaka
まずほとんどの日本人が見た事無いであろう、カカオ豆。写真はカカオ豆を乾燥させているところです。
世界市場に年間出回るカカオ豆の総量はおよそ400万トン。ガーナは隣国のコートジボワールに続く、世界第2位の生産国で、年間およそ80~100万トンを生産しています。
ちなみに、この2ヶ国だけで世界のおよそ60%のシェアを持っているんです!
2. 日本へのカカオ、約80%はガーナから
image: by Kazunori Miyasaka
日本人に「ガーナと言われて思い浮かべるのは?」と聞いたら、おそらくほとんどの人がチョコレートと答えるでしょう。それは意外にも事実に沿っていて、日本に輸入されるカカオ豆・カカオ関連製品のおよそ80%以上がガーナから来ています。日本はおよそ4~4.5万トンのカカオ豆をガーナから年間輸入しているんです。
もしかしたら今あなたが食べているチョコレートの原料となったカカオ豆も、こうしてガーナのどこかの村の人達が生産し、出荷したものなのかもしれません!
3. ガーナでもチョコは売っている?
image: by Kazunori Miyasaka
よくテレビなどを見ていると、「ガーナの子ども達はチョコレートを知らない」なんて言っていたり・・・。でも、実際ガーナに行くとそんな事はないという事にすぐに気づきます。なぜなら、ガーナでもしっかりとガーナのカカオ豆から作られたチョコレートがスーパーに並んでいるからです。
このチョコ、1枚およそ70円ほど。ちなみに農村へ行っても、安価な外国製のチョコ菓子が普通に売られています。
実際このチョコレート、道路で普通に物売りの人達が売っていたりもします。炎天下でも溶けないように、バター分を極力少なくし、溶けにくくしているのが特徴で、口溶けはすごく悪いのですが。
4. カカオは発酵されてチョコへ
image: by Kazunori Miyasaka
さらに知られていないのが、この事実。カカオは発酵物であるということ。
写真にある白い部分が果肉でこの部分で発酵現象が起きます。ちなみにこの果肉に包まれる形で中にカカオ豆があるんです。1週間ほど発酵されて、さらに1週間天日干しにされることで出荷準備が整います。ちなみにガーナでは一般的に、バナナの葉で包んで発酵されます。
5. カカオはそもそもフルーツ!
image: by Kazunori Miyasaka
そう、これがカカオフルーツ!大きさは大体ラグビーボールを一回り小さくした程度。この1つ1つの中に30~50粒の白い果肉に包まれたカカオ豆が入っています。このフルーツを収穫して、中に入っている果肉部分を取り出して、発酵させていくんです。
6. ガーナでカカオ豆はぜんぶ国が買い取る?
image: by Kazunori Miyasaka
ガーナでは、農家が生産したカカオ豆を全て国が買い取る制度が敷かれています。
また国際市場価格に応じて、買い取り価格も国が決めています。大体、170円/kgくらい。こうして収穫されたカカオ豆は発酵、乾燥を経て、村にそれぞれ設置されている、国から認可を受けた集荷業者のもとへと運ばれていきます!
おわりに
意外とカカオ豆やチョコレートは深い食べ物なのかもしれません。
ぜひ、これからチョコを食べるときに、少しガーナに想いを馳せてみては?
- 現地チョコづくり経験者が教える!日本人が知らないガーナのカカオ【6の真実】 - 2014年2月28日
写真もすばらしいですけど文章もたくみです!!
とってもためになる内容です。見てるだけでも楽しくなってきますね。