「sales rep」という言葉は、要注意です。日本語訳の際に、少し見当違いになる可能性があります。オンラインで実際に使用例を調べてみても「これは、もしかしたら、大事な意味を取り違えている可能性が」と思うケースがあります。というわけで、今回は、「sales rep」の注意すべき意味合いやニュアンスを考えてみましょう。
「sales rep」の意味とニュアンス
「sales rep」の意味についてですが、注意すべきは「代理店」と訳してしまうことです。実際に、ネット上では「sales rep」が「販売代理店」と訳されている例が、散見されます。必ずしもこれが間違いかというと…そうではないでしょう。しかしながら、「sales rep」は、多くの場合、「販売代理店とイコールではない」ということです。
「販売店」と「セールスレップ」の違い
「販売店」と「セールスレップ」の違いを考えてみましょう。
販売店(distributor)
販売店(distributor)は、製造元から製品を仕入れて、それを販売するお店という意味です。仕入れをするので、当然、購入する、在庫を抱える、というリスクが介在します。
■ 販売店 = 在庫を抱え、それを所有して販売する
セールスレップ(sales rep)
これに対して「sales rep」(そして、これをカタカナで記述した「セールスレップ」)の意味は、異なります。「sales rep」は、すでにそれが関係を築いてきた卸売業者のバイヤーに対して、ブランド(や製造元)の代わりに売り込みを行う、経験豊富なセールスのプロフェッショナルであると定義されています。
■ セールスレップ = 在庫を抱えず、商品の受け渡しや配送(order fulfillment)に関与せず、販売に対してコミッションをもらう(注文が入ったら、それをそのままブランドに取り次ぐ)
さいごに
英語圏と日本語圏で、そもそもの仕事の役割が違うことは、よくあります。「sales rep」もその一例かもしれません。これを日本語にするときに、わかりやすさのために「販売店, 代理店」としてしまうことがあるのでしょう。実際に、これで意味の矛盾が生じない場合にはいいですが、そうでないことがあります。むしろ、意味がずれるのが大多数でしょう。
だからこそ、注意が必要です。かといって、一般向けの(専門的でない)文章で、皆が知っているかのように平然と「セールスレップ」と言うのも考え物です。打開策としては、やはり、「セールスレップ」という言葉を使いつつも、カッコ内で、その定義を説明することが考えられます。
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