巨人のお絵かき…?森に現れた謎の輪「フォレストリング/Forest ring」

 

フォレストリング(Forest ring)というものをご存知でしょうか?森に出現する謎の「輪」のことです。今回は、そんな不思議で壮大な景観に迫りたいと思います。

 

Useful source: Forest ring, CBC

 

巨人が描いたような謎のリング

 

カナダ北部の森の中にある、大きなリング状に木の密度が低くなっている模様。これがフォレストリング(Forest ring)と呼ばれています。

 

森に現れた謎の輪「フォレストリング/Forest ring」
確かに上空からでないとフォレストリングには気づけない!

 

この輪の大きさは、直径50メートルから約2キロメートルのものまで様々。縁の太さだけで(画像からは規模感がわかりにくいですが)約20メートルにもなります。

 

フォレストリングの正体とは?

 

この現象の原因は不明ですが、いくつかの説が唱えられています。

 

森に現れた謎の輪「フォレストリング/Forest ring」の隕石説
* 隕石落下のイメージ画像

 

放射状に繁殖した菌、地中のキンバーライトパイプ(火山噴火後のマグマが冷え固まってできる鉱床: Kimberlite pipes)、隕石衝突によるクレーターが原因というものなどなど。

 

森に現れた謎の輪「フォレストリング/Forest ring」の火山の流れ方
マグマがこのように逆三角形状に流れる(あるシンプルなマグマの流れ[Volcanic pipe]を表した図)
森に現れた謎の輪「フォレストリング/Forest ring」のキンバーライトパイプ
キンバーライトパイプは世界中で販売されるダイヤモンドの主要な採掘場所(採掘後は、この画像のように大きな穴となる)

 

ちなみにキンバーライトというのは、岩石(正確には火成岩)の一種で、これの一部からダイヤモンドの原石が産出されます。

 

空を飛んでみて初めてわかること

 

規模があまりに大きいため、フォレストリングは1950年代に航空写真の技術が測量機器として一般的になってきて初めて地質学者により発見されました。フォレストリングという言葉は、「妖精の輪(Fairy Circles)」と区別するためにオンタリオ州立地質調査所が考案した言葉です。

 

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キノコが原因という説もあった

 

フォレストリングは当初、クロトウヒ(学名Picea mariana)の根系の中で、オニナラタケなどの菌が放射状に成長したことが原因であると考えられていました。最初は一箇所の感染から始まり、次第に外側に向け全ての方向に成長していきます。輪の内側の感染した木は全て枯れ、そのうち新しい木が代わりに成長します。

 

森に現れた謎の輪「フォレストリング/Forest ring」とクロトウヒ
クロトウヒ

 

森に現れた謎の輪「フォレストリング/Forest ring」とナラタケ
ナラタケ

 

しかし、菌が原因という仮説は十分な証拠が見つからなかったため、今ではあまり支持されていません。ケベック州のアビティビ地域のフォレストリングを調査したところ、病原菌が原因で木が大量に枯れたという証拠は確認されませんでした。

 

謎は深まるばかり

 

となると…謎は深まるばかりです。今後の調査には、是非とも期待したいものですね!ちなみに、フォレストリングは、ロシアオーストラリアにも見られます。

 

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