語源なんか考えたこともないであろう、日本人の私たちでも知っている英単語をご紹介します。不思議で、変な…そしてちょっと怖い歴史が隠されています。
1.「Nice/ナイス」の語源
この単語はもともと「無知」や「愚か」であることを表すネガティブな言葉でした。
言語学者はこの単語の考えうる様々な起源を調べてきました。13世紀後半の古フランス語の「nice」、もしくはラテン語の「necius」に由来している可能性があるとされています。
もともとは滑稽なほど着飾っている人に対してしばしば使用されていたことから、長い時間をかけてポジティブな意味になっていったと考えられています。後に、洗練されたものや、「素敵な」格好をした人に対して使用する言葉と混同して使用されるようになりました。
2.「Tattoo/タトゥー」の語源
「tattoo」という言葉はポリネシア語で単に「肌についた印」を意味する「tatau」という言葉からきています。
現在分かっている限りでは、英語で初めて使用されたのは1786年のキャプテン・ジェームズ・クックの日記。クックがポリネシアを旅している中で出会った人々のタトゥーを入れる伝統について描かれた部分です。1691年に、ニューギニアのインドネシア原住民の男性が奴隷としてイギリスに引き渡された際、彼はその体の模様で有名になりました。
3.「Clue/クルー」の語源
英単語の「Clue」はギリシャ神話の「clew」という言葉に由来します。神話に登場する王、テーセウスが人間の体に牛の頭を持つ怪物、ミーノータウロス(ミノタウルス)によって迷宮に閉じ込められた時、テーセウスは糸の玉、つまり「clew」を使って脱出します。迷っても来た道を戻れるよう、糸を垂らしながら進んだのです。
そこから「clew」は道しるべとなるものを指すようになり、後に、より広義に「真実を発見するための手助けとなるもの」という意味に転じました。
4.「Hooligan/フーリガン」の語源
オクス(またはオックス)フォード英語語源辞典によると、1890年代の古い曲に登場する乱暴なアイルランド系の家族の苗字Houlihanから来ているとされています。
また別の説では、1745年ジャコバイト蜂起の際、イギリスの司令官がスコットランド・ゲール語で「小昆虫」を意味する「meanbh-chuileag」を聞き間違え、うるさい小さな虫への不快感を表すために「hooligan」という言葉を作り出したとされています。
5.「Shampoo/シャンプー」語源
Shampooという言葉はヒンディー語に由来し、「マッサージする」という意味の言葉からきています。サンスクリット語のchapati (चपति)から派生したこの言葉はもともと、押したり、こねたり、落ち着かせたりすること全般を指す言葉でした。その後、1860年に「髪を洗う」という意味にまで拡張し、1950年代になると、さらにカーペットやその他の素材を洗うことも指すようになりました。
6.「Nightmare/ナイトメア」の語源
「nightmare」という言葉の前半部分の語源は明確でしょう。一方、「mare」はどうでしょう?実は「mare」とは寝ている間にあなたの上に座り、窒息させ、髪の毛を巻きつけ、よくない考えに誘導しようとする雌のゴブリンのこと…です。恐怖です。もはや、悪夢そのものよりも、こっちの方が怖い。
7.「Whiskey/ウィスキー」の語源
Whiskeyという言葉は「命の水」を意味するゲール語「uisge beatha」に由来します。後に短縮され、英語風に変化しましたが、今でも多くの人がウィスキーを、生命維持のための飲み物とみなしています。
8.「Malaria/マラリア」の語源
このたちの悪い病気の名前はイタリア語のmal (悪い)とaria (空気)から派生しました。実際には沼地で繁殖した蚊が病気を運んでいたのですが、1700年代のローマ人は彼らの住んでいた都市の周辺の湿地帯の空気を吸うことでマラリアにかかると考えていました。
ガーナでの生活で2回マラリアにかかってきた私ですが、周りの人が心配してくれるので、その空気感はそんなに嫌いじゃありません。マラリアにかかったことがある。そう言った時の日本の人たちの反応は、完全に、マル・アリアです。
- 【焦った故に?】小型で可愛らしい「聖キリアキ教会/Church of Agia Kyriaki」 - 2022年6月9日
- 【危険なの?】飛行機内でコロナウィルス感染を避ける6の要点(+海外大手機関の見解) - 2020年11月6日
- どんな国?ジョージアという国を知る9の秘訣(ジョージアで有名なものなど) - 2020年8月24日