大きなマンションにほぼすべての町民が集結!
最近流行のルームシェアやシェアハウス。一人暮らしも気楽でいいけれど、誰かが近くにいるとほっと安心できますよね。
実はウィッティア(Whittier)という町に、なんと約180人で住んでいる建物があるというのです。これは町の人口220人(2010年の調査時のデータ)の約80%に相当します。
この町はアラスカ州中南部のプリンス・ウィリアム湾沿いにある小さな港町です。
ちなみにプリンス・ウィリアム湾と言えば、遊覧船が有名です。5月〜9月に運行され、湾にはクジラ、イルカ、シャチなどが生息しています。そして夏であればフィヨルドの溶け落ちる様子が観察されることもあります。
夏は観光客でにぎわうのですが、寒い冬がやってくるとその喧騒はすっかり影を潜めます。
Images and source: imgur
まずこの町に向かうにはアラスカで唯一存在する
全長4㎞ のトンネルを潜り抜けなければなりません。
電車も車も両方使用するトンネルのため、車は一台ずつ先導車の後ろをついてゆっくり抜けていきます。
幅は車一台がやっと通り抜けられる幅しかありません。
しかも往復13ドルは観光客であっても地元の人であっても、毎度支払う必要があります。
これが町と外の世界をつなぐ 唯一の生命線 である以上、仕方のないことなのでしょう。
トンネルをぬけると、そこは一面氷の世界。
真っ白な雪で一面覆われ、凍てつく風と雪が吹き付けます。
そしてこちらが「Begich Towers」(ベギーチ・タワー)と呼ばれるマンション。
ウィッティアの人々が大集合するマンションです。このなかにほとんどの町の住民が住んでいるなんて、ちょっと驚きですね。
このマンションには ゲストルーム も作られているため、滞在も可能です。
数日の間、ウィッティアの住民になってみるのもいいかもしれません。
滞在中必要なものが出てきたときは、マンション内にあるお店を覗いてみましょう。
ここでしか売っていない貴重なものに、出会えるかもしれません。
窓からの眺めはこのようになっています。
過酷な環境の港町と、そこで暮らす人々の強さが感じられますね。
このマンションの向かいには、かわいいペットがいます。
犬でしょうか、猫でしょうか?いやいや、それはなんとトナカイです!
想像をはるかに超えるスケールのペットです。
名前はペンくん。この子と一緒に撮る写真は、必ず旅の素敵な思い出になることでしょう。
ウィッティアの町には、他にもマンションがあります。
とはいってもこちらは廃墟になっており、夜になると不気味な雰囲気が漂います。
この廃墟は第二次世界大戦中に建てられ、軍人が集まって生活していました。
戦争が終わった後も 集まって住む習慣は残り 、いまのウィッティアの人々は集まって暮らすようになっているという話があるようです。
私たちの日常とはかけ離れた気候、文化、習慣が垣間見えるウィッティアの町。
世界は驚きと不思議で満ちています。
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