eコマース(業界ではECと呼ばれることの方が一般的ですので、以後「EC」)サイトでは、「order(注文)」が「fulfilled」であるという表現がよく使われます。日本語のサイトでは、「fulfillment」というかたちで説明されているのは見かけますが、「fulfilled」がどういう状態であるかについての説明はあまりないので、今回はこれを扱いたいと思います。
「fulfillment」の意味から
まずは、日本語でより広く説明されている傾向にある「fulfillment」の意味からです。ECにおいて「fulfillment」は、ShipBobによると、こう表現されています。
Ecommerce fulfillment is the entire process behind getting an order delivered to a customer after they order it online.
つまり、「eコマース(EC)における“フルフィルメント”とは、消費者がオンラインで注文した後、注文の品をそのお客さんに届けるまでのプロセス全体を意味する」とのことです。この解釈に従うと、注文を受けてから、商品がお客さんのもとに届くまでの全ての工程がこれに含まれます。
つまり、商品を梱包して、住所のラベルを貼って、発送して…という全ての作業です。ちなみに「e-commerce fulfillment service」というものがあり、これは、ECにおける「fulfillment」の部分を全て代行してくれるサービスです。
その代行サービスとは…倉庫に先に在庫を預けておいて、注文が入ったら、お客さんへの配送を全て任せることができる、というもの。自分はオンラインストアの管理やマーケティングに専念できるというわけです。とっても便利ですね。
Amazonにも「フルフィルメント by Amazon(FBA)」というものがあります。Amazon利用者なら実感としてわかると思いますが、配送元がAmazonになっている商品がたくさんあります。むしろ、私の経験上では、これが大半です。
これこそが、Amazonが「fulfillment」を実行している例です。Amazonの倉庫に、出品者が商品を預けておいて、注文が入ったら、すぐに(Amazon側の倉庫で働く人によって)出荷されるという便利なシステムです。
以上を踏まえた上で、ECサイトで、注文が「fulfilled」状態である場合の話です。これは何を意味するのか。
注文が「fulfilled」とは?
あちがりな誤解が「商品配送の全ての工程が完了した」という解釈。これは、違います。これだと「もう商品が配達された」という意味になってしまいます。そうではなく、「fulfilled」の意味は「発送済み」です。つまり、梱包、ラベル貼り、発送…「販売者側の作業は全てやりました(あとは、配送業者次第!)」という意味なのです。
ですので、海外のオンラインストアで洋服や書籍などを購入して「order(注文)」の「status(ステータス=注文が現在どのような状態にあるか)」の欄に「fulfilled」とあったら、それは「配送済み」であることを意味します。
決して、お届け完了ではありませんので、「え、まだ受け取ってないよ!」と焦らないでください。発送は済んでいて、日本に向けて輸送中です。ちなみにこの「発送済み」という意味では「dispatched」も使われます。
発送完了前後のステータス
せっかくなので、発送完了前後のステータスについてもご紹介します。
- Confirmed = 注文の受付完了(注文は無事に実行できたものの、まだ商品は発送されていない)
- Attempted delivery = 商品配達時に不在(不在だったという訳で、どこかで一定期間だけ保管するのが普通)
- Deliverd = 配送済み(無事に商品受け取り完了)
いつまで経っても商品が届かない場合
余談になりますが、海外のサイトで商品を購入して、いつまで経っても商品が届かない場合には(うちの母からよく「ちょっと、英語でわかんないから、助けて」と要請があります)追跡を利用してみてください。多くの場合、追跡コードが提供されます。
どのように追跡コードを見ればいいのかわからない場合には、メールを確認してみてください。普通は、商品の注文時にメールアドレスを入力します。そのアドレスに英語のメールが来ていないか確認しましょう。多くの場合「your order(お客様のご注文)」といった文言が含まれています。
そのメールにある「tracking code」または「tracking number」を探してください。そこにある数字や英語の文字列を、Global Package Trackingなどのサイトの検索窓に入力します。これで、商品が現在どこにあるのかがわかるはずです。
「前回は1週間で来たのに、今回は2週間経ってもまだ届かない」というようなことも、大いにあり得ます。税関での遅延が発生することもありますし、コロナなどの影響でロジスティクスそのものがうまく機能しないことも。ですので、ちょっとした遅れがあっても、パニックにならずに、落ち着いて追跡することをお勧めします。
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