今回は「safe」と「secure」の意味の違いを考えてみましょう。どちらもよく似ており「安全」という訳語を当てることができます。しかし、完全に同じ言葉というわけではありません。それでは、この2つの単語の違いの部分を掘り下げてみます。考えれば考えるほど、面白い気づきがあるものです。
まずは、簡単にそれぞれの意味を見てみます。
「safe」の意味
「safe(セーフ)」はもともと「無傷」を意味するラテン語の「salvus」から来ています。品詞としては、名詞としても形容詞としても使えます。ちなみに名詞での意味は「金庫」です。形容詞の方で「safe」であるということは、危険やリスクから保護されている状態です。また「危害を引き起こす可能性が低い」という意味でもあります。
「secure」の意味
「secure」は「何の懸念も感じない」ことを意味するラテン語の「securus」に由来します。「secure(セキュア)」は、動詞または形容詞として使用できます(名詞ではない点に注目)。ちなみに動詞では「〜を確保する、実現する、固定する」といった意味になります。形容詞では、危害または脅威に対する保護がある状態を意味します。
「safe」と「secure」の大事な違い
「safe」と「secure」の間には大事な違いがあります。上のそれぞれの意味だけを見ると、どちらも非常に似ています。しかし、深掘りしてみると、面白い違いがわかります。
Pediaaにある説明を引用すると、以下の通りです。
safe refers to protection from accidents and mishaps
日本語では、こうです。「safe」は、事故や災難からの保護を指します。
secure refers to the protection from deliberate dangers or threats
日本語では、こうです。「secure」は、意図的な危険や脅威からの保護を指します。
これこそが、両者の間にある大事なニュアンスの違いです。
これを踏まえた上で、それぞれがどのような文脈で使われているのか見てみましょう。
safeを使った例文
「safe」は比較的、口語的に使われることが多いことがわかります。
secureを使った例文
「secure」を使った例文を実際に探してみると、インターネットや電子機器に関連したものが多いことがわかります。
「safe」と「secure」は全く違う意味を持つのか
「safe」と「secure」の意味が全く違うのかと言えば、全くそんなことはありません。それぞれの間に、明確な違いを見つけることはできます(災難からの保護なのか、意図的な脅威からの保護なのか)が、必ずしも、2つの違いがはっきりとしているわけではありません。
つまり「safe」と「secure」で同じ意味が共有されています。どちらも中心にある意味は「安全」です。その部分については全く同じだと考えて差し支えありません。その上で、上のようなニュアンスの違いがはっきりすることがあります。
「safe/secure」なプログラムとは
「secure」がIT分野でよく使われているという実感はありますが、もちろん「safe」がIT分野で使えないというわけではありません。もちろん使えます。続いては「プログラム」にそれぞれの言葉を使った場合の意味の違いを見てみましょう。
「safe」なプログラムの意味
プログラムが他のユーザーに害を及ぼしたり、ユーザーから情報を盗んだりすることがないということ。 つまり、ウイルスやスパイウェアの類いではないということです。また、意図したことだけを正確に実行し、裏の目的がないことも意味します。
「secure」なプログラムの意味
プログラムの隙をついて改変したりすることができない、または、それが非常に困難ということ。つまり、許可の付与されたユーザーのみが特定の操作を実行できる、または、各ユーザーが許可されたアクションのみに制限される状態です。
さいごに
今回は「safe」と「secure」の違いに迫りました。どちらにも同じ意味があり、その上で、独自のニュアンスが出ることがあります。そして、分野による言葉の相性も確認できます。さらに、特定の言葉に使ったときに「safe」と「secure」がはっきりと違う意味になります。
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