【3つの死活問題】「習慣を追跡/記録しよう系」アプリはなぜ続かないのか

 

 

今回のテーマは、習慣構築を助けてくれる(はずの)「習慣を追跡/記録しよう系」アプリです。基本的には、私は習慣を追跡したり、記録したりすることに大賛成です。かなりの効果があります。しかし「記録するだけ」では、新しい習慣をつくることは、まず無理です。その理由をご紹介します。

 

実は、私も同じ理由で死ぬ程、失敗を続けてきました。

 

これからご紹介する3つの問題点を理解した上で、それへの対処法を実践してみてください。これだけで「ただの記録」を本当に習慣を構築する(何かを続ける)ためのシステムへとつなげることができます。

 

1. 習慣を「追跡する」のは事後的

 

 

まずは、こちらの問題点から。「追跡/記録する」というのは、事後的です。つまり、何かをした後に、それを振り返る行為です。こんな経験はありませんか?新しい何かを続けるために、カレンダーに記録し始めた(レ点をつけるなど)ものの…3日もしないうちに、めんどくさくなって終了。

 

そこでの問題は、「事後的」なチェックしか存在しないからです。習慣を行うように仕向ける、行動前の段階での何かが必要なのです。これを見落とすと、やる気のある1~2日だけ続きますが、その後、やる気が低下したり、他のことに意識が向いたりして、忘れてしまうものです。

 

対処法

 

行動を促す何か(スイッチやきっかけになるもの)を決めてしまいましょう。一番簡単なのは、日常的に既に行なっている行為に、新しい習慣をくっつけることです。例えば、「夜ご飯を食べる」という行為に「英単語を3つ覚える」という行為をくっつけることができます。

 

必ず、夜ご飯を食べ終わった時に、単語帳を手にとって、そこにある3つの単語を覚える。3つが少なく感じ「毎回20単語はいけるはずだ!」と意気込むのは、お勧めしません。1日目に、やる気に身を任せて高い目標を掲げる人ほど、数日も続かないものです。むしろ、1日1単語でも、ちゃんと1年続ける方が理想的です。

 

2. 報酬を感じるまでに時間がかかる

 

 

習慣化のためには「やってよかった」や「やった!達成できた」という感覚が必要です。これが、自分にとっての報酬となり「もっと続けよう」という原動力になるのです。ただ記録を取っているだけでは、報酬を感じるまでに時間がかかります。私の経験上、1ヶ月続けた上で、カレンダーなど(もちろん、記録系アプリも同様)の記録を見ると、かなりの達成感が湧き上がってきます。これが報酬です。

 

しかし、これを感じるまでには、数週間や、長い時には数ヶ月かかるもの。しかも、悲しいことに、ほとんどの挫折する人は、最初の数日間で折れてしまいます。この数週間や数ヶ月、そして、数日間の間のミゾを埋めることが重要です。

 

こんな例がわかりやすいかもしれません。ジムに通っている状態をイメージしてください。引き締まったボディーを目指して、どれだけ気合いをいれても、1週間や2週間で見た目に大きな変化はありません。普通、新しい何かを始めると、それによる変化を感じるまでには、ある程度の時間がかかるものです。そこで、いかに早い段階で(理想的には、1回1回の行動を行なってすぐに!)ちょっとした達成感を得らえるかが重要です。

 

対処法

 

報酬を早めに感じるための一つのコツが、フィードバックです。身近な人からのコメントが特にお勧めです。そのためには、パートナーがいるなら(同棲であれば口頭で、別の場所に住んでいる人であれば、メッセージで)、ぜひとも協力してもらいましょう。そして、毎日、その習慣を続けるたびに「おめでとう」や「素晴らしい!」という一言をもらうのです。

 

その日の習慣をこなすたびに「今日もできたよ!」とパートナーに伝えることで、報告をすることの喜びも生まれます。これは同時にある種の「嘘はつけない、ちゃんとやらないと」という強制力にもなり、効果的です。人は弱い生き物。何も制約がないと、楽をしてしまうものです。だからこそ、他者の力を借りましょう。そしてもちろん、協力者に報告をした上で、記録系アプリやカレンダーに毎日の記録をつけます。これで、ある程度習慣が続いてくると、記録を振り返る行為だけで、十分な達成感が得られるようになり、習慣がもっと強化されます。

 

誰か特定の人に頼むのが難しい場合には、不特定多数向けに、進捗を報告することもできます。例えば、Facebookのウォールに「ダイエットの記録」を投稿することができます。Twitterでも、インスタグラムでもいいでしょう。SNSのいいところは、周りからの応援がもらえることです。もちろん、頻繁に投稿しすぎると、うっとうしく思われる可能性があるので、頻度の加減は重要です。

 

3. いつどこでやるのかが決まっていない

 

 

これもありがちな問題です。例えば「毎日、腕立て伏せを50回」やるとします。そんな曖昧な予定では、99%続かないでしょう。なぜならば、「いつ、どこで」やるのか明確に決まっていないからです。「1日に1回」という決め方では「今日が終わるまでにやればいいんだ」という甘えが生まれ、最終的には「眠い」で終了です。

 

「1週間に1回」はもっとヒドイ設定です。1週間のうちの「いつ」やればいいのかが、全くイメージできず、定着しないことは目に見えています。

 

対処法

 

解決策は簡単です。「時間と場所」をはっきりと決めましょう。例えば「月曜から金曜の毎朝7:50分に、玄関で(会社や学校に出発するその瞬間)」などです。これだと、自分がその習慣を実行している姿が、想像できますよね?しかも、8:00などの大雑把な時間よりも7:50などの細かな区切りの方が頭に残り、続けられる確率が高まります。

 

さいごに

 

今回は習慣記録系アプリの3つの問題点とそれぞれの対処法に迫りました。冒頭で触れた通り、記録をすることには大きな意味があります。これは、どんどん活用すべきです。しかし「記録をする」という決まりごとだけでは、9割の人は大失敗、挫折(…そして、自信が低下)を経験することになるでしょう。

 

もう一度簡単にまとめておくと、以下の問題と対処法があります。

 

  1. 問題:事後的である→対処法:行動のきっかけを決める
  2. 問題:報酬が遅い→対処法:褒め言葉を毎日もらう
  3. 問題:予定が曖昧→対処法:時間と場所を明確に決める

 

これだけで、かなり大きな違いが生まれるはずです。これらを実践した上で、当然、記録は続けるべきでしょう。記録は「こんなに、続いたのか!」という段階に達した時点ではじめて大きな力を持ちます。その瞬間からは「もう、この流れを途切れさせたくない!」という最強のモードが始まります。そこまでいけば、かなりの確率で、習慣を続けていくことができます。ぜひとも、今回の3つの点は、記録が本当に力を持つまでの橋渡しとしてご活用ください。

 


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【3つの死活問題】「習慣を追跡/記録しよう系」アプリはなぜ続かないのか