【2020-2021年】コロナ禍のモロッコ入国の流れ（予想外だらけ）

今回2020年12月11日という、コロナ禍の今、日本からモロッコへの入国プロセスを経験することになりましたので、その時の流れを詳しくご紹介します。そうです。もう、モロッコへの入国はできる状態です。とはいえ、今までの空港の様子とは大きく異なることがいくつかありますので、注意が必要です。それでは、具体的な流れを見てみましょう。

通常のモロッコ入国の流れについては、こちらの記事「カサブランカ空港の入国手続きを7段階で世界一詳しく解説（ムハンマド5世国際空港）」をご覧下さい。

飛行機到着から空港内までの移動

基本的には、カタール航空について言えば、カサブランカのムハンマド5世国際空港に到着してからバスに乗って空港の建物へ移動するのが一般的なように思えます。少なくとも私の経験上はそうです。今回も例外ではなく、飛行機が着陸して止まってから、バスに乗り込んで、建物へと向かいました。

ディスタンス、特になし

少し意外だったのが、「特にソーシャルディスタンスがあるわけではない」ということ。バスに乗り込む人数が制限されるのかと思いきや、通常通りの混み具合のまま出発します。もちろん、1機の飛行機にいる全ての乗客が1台のバスに乗るわけではありません。しかし、コロナ禍だから、という人数を少なめにする配慮は特に感じませんでした。

空港の建物に入ってからの移動①〜乗客公衆衛生フォームのチェック

建物に入り、入国手続き/荷物受取の方へと進んでいくと、1つ目のチェックポイントがあります。突き当たりに女性職員がいて、ここで、「FICHE SANITAIRE DU PASSAGER」（便宜上、ここでは「乗客公衆衛生フォーム」と言います）の確認が行われました。この入国書類というのがくせものです。決して、飛行機内で配ってくれるわけではありません。日本出国前に、家なりコンビニなりでプリントアウトして、持参する必要があるのです。お気をつけ下さい。

↪ FICHE SANITAIRE DU PASSAGERはこちら

大慌ての日本出国

私は、当日に成田空港で印刷しました。大慌てです。成田空港第二ターミナルの出国ロビーは3Fにあります。そこからエスカレーターを上がったところ（4F）にセブンイレブン（2020年12月10日時点24時間営業）があります。

パソコンで入力しておいた書類を、セブンイレブンのネットプリントを使ってプリントアウトしました。

実際、この段階ではたくさんの乗客がいたもの、今回のチェックポイントを通り過ぎたころから、いきなり周りに人がいないことに気付きました。「あれ、さっきまでいた、他の皆さんは…？」という感じです。もしかしたら、この書類のことを知らずにいて、用意していなかったことで、足止めをくらっていたのかもしれません。

出国前日にたまたま気付いたという奇跡

実は、私もこの書類のことを、最初は知りませんでした。日本出国の前日に妻が最終チェックということで、ネットで色々な情報をあさっていたところ、偶然、こちらのWebページ「mtataes」にて、この要件を見つけました。なんとも、ギリギリ。

ちなみにドメイン名にある「mtataes」が意味するのは…モロッコ政府の「Ministère du Tourisme, de l’Artisanat, du Transport Aérien et de l’Economie Sociale」です。非常に長い名前ですが、つまりは、政府の観光省（※厳密には、もう少し広い分野を管轄）だとお考えください。

事前に在日モロッコ大使館に電話して、必要な準備について確認したのですが、そのときは「新型コロナウイルスの陰性結果」を持参するようにと言われたものの、この乗客公衆衛生フォームについては全く言及がありませんでした。なんとも危ないところでした。

Twitterの皆さんからのご報告

Twitterで「機内で配られました」という面白いご意見を頂きました。そんな親切な場合もあるのですね。航空会社によって対応の違いがあるようです。

空港の建物に入ってからの移動②〜陽性結果チェック

さらに通路を進むと、男性職員がいて、新型コロナウィルスのPCR検査結果を見せるように言われました。日本出国当日に受け取った結果をどや顔で見せつけたところ、あまりにも簡易的な確認でした。

“negative”であればいい

新型コロナウイルスの陰性を示す検査結果 — Negativeの部分に丸印がついているのは成田空港のチェックインカウンターで「鉛筆で書いていいですか？」と聞かれ「いいですよ」と言った結果（おそらく確認のための正式な手順）

こんな言い方をしていいのかわかりませんが、非常にいい加減です。なんと、検査結果の日付や細かな説明を読むことなく…「“negative（陰性）”という言葉だけ見せてもらえればいいから」とのことでした。

検査に6万円（2名）も払った自分としては、納得がいかないわけです。「さぁ、6万円分、穴があくほど見てくれ」と言いたい気持ちをぐっとこらえて、先に進みました。

ちなみに、新型コロナウィルスのPCR検査結果は、英語で提出するのが一番です。日本語では何も伝わらないことは言うまでもありません。そして、フランス語やアラビア語の翻訳はまず間に合いません（検査結果を受け取ってから72時間、つまり3日以内のものを提出する必要がある…とされているため）。英語については、検査結果を英語で提供してくれる病院が日本にあるためOKです。詳しくは「【実体験】モロッコ渡航のためのPCR検査はこうやればいい」をご覧下さい。

おいおい。ちゃんと検査をしたからいいものの。さすがに雑するぎる…。

「モロッコだなぁ…」としみじみ感動（？）しながら進むと、お馴染みの入国審査のエリアに到着します。コロナ禍の今ですので、あれこれと質問をされ大変でした…と言いたいところですが、正反対です。

（予想に反して）質問攻めはなし

聞かれたのは、「どこから来たのか」くらい。「成田からドーハ経由で」と答えて終了。ホテルの住所すら聞かれませんでした。ちなみに、この時点で、周りには乗客は２-3組しかいませんでした。

さいごに

「キレッキレのモロッコ対応」を存分に感じながらの入国となりました。背筋は非常に伸びます。「これは、自分自身で身を守らないといけない国だ」というスイッチが入るのには、妙なワクワク感がともなうものです。

今回の注意点は3つです。

乗客公衆衛生フォームを用意すること

まずは、乗客公衆衛生フォームをオンラインで記入・ダウンロードし、プリントアウトして、さらに、署名をしてから、持参すること。搭乗者の数だけ書類が必要になります。2名での旅行であれば、ちゃんと2枚用意しましょう。家族でも友達でも、皆1枚ずつ必要です。

陰性結果を用意すること（72時間以内）

続いて、新型コロナウイルスのPCR検査結果です。私の場合は「ドライブスルーモード」でしたが、これからもっとちゃんとしたチェックになる可能性はもちろんあります（むしろ、そうなってもらわないと困る）。「いいかげんな検査結果でもいいんだ、やったぁ！」となるのではなく、気を引き締めて、ケチをつけられないだけの書類の準備をしておくことをお勧めします。