【3 Mbps地獄】モロッコでWi-Fiの遅さに3回激怒した話(とアドバイス)

 

【3 Mbps地獄】モロッコでWi-Fiの遅さに3回激怒した話(とアドバイス)

 

以前、モロッコはWi-Fi天国であるという記事を書きました。

 

今思えば、そんなの嘘です。真っ赤な嘘。

 

モロッコのWi-Fiのひどさにようやく気付いたので、こうして、お伝えしています。なかなか、やっていけないレベルです。

 

こう表現するとわかりやすいかもしれません。

 

  • アフリカ大陸にあると考えるなら、目をつむれるレベル。
  • 日本の常識では、訴えてもいいレベル。

 

それでは、詳しく見てみましょう。

 

ことの発端

 

そもそも、どんなきっかけでWi-Fiの遅さに気付くことになったのか。

 

決して高性能とは言えないMac Book Airを愛用しているのですが、そこに、辞書データをダウンロードしようと思いました。オンラインで決済。2500円ほどです。

 

ローカルに保存して、いつでも言葉が調べられるようになれば、との思いです。意気揚々とダウンロードをはじめるも…ものの数秒でエラーの表示が。何度挑戦しても、全くダウンロードできません。おかしいですね。

 

こうしてモロッコのWi-Fiを疑った

 

ファイルに問題があるのではと思い、販売元に連絡をしました。その際の私のスタンスは「うちのネットワーク環境には問題がないようですので、お宅のファイルの状態を見直してください」というもの。Wi-Fiの速度を計測した結果も添付して送りました。

 

それに対する返事は、端的に以下のようなもの。

 

あなたのWi-Fi、ゴミレベルです。出直してきなさい。

 

もちろん、そんな言葉遣いではありませんので、あしからず。丁寧に、大人の対応で、やんわりと「うちのWi-Fiが話にならない」ことを教えてもらいました。

 

その人の説明をもとに「そもそもWi-Fiの平均速度とは」というテーマで、いろいろと調査をしてみました。すると、我が家のWi-Fiが文字通りゴミであることが判明。

 

それどころか「ゴミ」と呼ぶと…ゴミ界隈からは「お前のWi-Fiと一緒にするな」とお叱りを受けることでしょう。

 

なんと「3 Mbps」です。

 

モロッコのWi-Fiの心許なさを物語るスクリーンショット
お見事としか言いようのない「3 Mbps」

 

Wi-Fiやらなんやらに詳しい人からすると「は?2021年に?」という疑問すらわく数字。どうやら、そういうことです。

 

脱ネアンデルタール人

 

そんなこんなで、私は「過去を生きている」ことが明らかになりました。このままではいけません。YOSO-Walkの更新も、お家でのお仕事も、捗らないわけです。「脱ネアンデルタール人」を目標に掲げ、前傾姿勢で歩き始めます。

 

今更、この性能を目の当たりにして恥ずかしくなりました。三輪車で首都高に乗ってしまった気分です。今すぐにでも、四輪車を購入したい。 そんな気分。善は急げ。

 

そしてWi-Fi強化を始めた

 

そして、今にいたります。

 

Wi-Fiを強化…というよりも、まずは「まともなレベル」にまで持っていくことが目標です。「仕事の100%がオンラインである」身としては、一大事です。

 

具体的には、以下の方法で強化に乗り出しています。

 

1. ルーターで強化

 

まずは、既存のWi-Fiを小手先の機械設置だけでどれくらい強くできるか挑戦。

 

購入したのは、近所の電化製品店で見つけた「D-Link EXO AC3000 Smart Mesh Wi-Fi Router」というもの。

 

スマートメッシュはどうなのか

 

もはや、どこからどこまで商品名で、どこが型番で…という区切りが謎。おそらく一番わかりやすい名称は「スマートメッシュWi-Fiルーター」という部分です。

 

これで「速くなるよぉ〜」とお店の人に超絶おすすめされたので購入しました。その人曰く「既存のモデムをこれに交換すればいい」らしいのです。

 

そして設置してみると、わからないことだらけ。YouTubeで説明動画を探そうにも、該当する商品の説明がない。しかたなく、電化製品店で別の店員さんに「お金あげるから、家に来て助けて」と懇願。

 

日曜日に来てもらいました。30分、あれこれと設定をして完了。結果から言えば、モデムの代わりにはならず、既存のモデムを使ったままになっています。

 

この「スマートメッシュWi-Fiルーター」は、あくまでもモデムにつなげることで、速度を強化する役割を果たすようです。購入したお店のスタッフのハッタリが大胆であることだけが、明らかになりました。

 

設置前のWi-Fi速度は驚異の「3 Mbps」です。「逆オリンピック級」ですが、これが一体、どれだけ高速化したのでしょうか。

 

なんと…「6 Mbps」です。驚きの2倍。そして、未だに、揺るぎないゴミレベル。ゴミに毛が生えた状態。つまりは、毛深いゴミ。

 

50m走に100秒かかっていた太っちょ少年が50秒までタイムを縮めたようなもの。2倍速にはなりましたが、未だ、見るに堪えない領域です。

 

2. 遠くに飛ばす

 

勢いで色々な機器を買いました。ここ一週間で、モロッコのWi-Fi業界(テレコミュニケーション業界)に貢献した、誇らしい気分です。続いては、遠くに飛ばすためのルーターを購入します。

 

そもそもオフィスにWi-Fiが届かない

 

「3 Mbps」でもひどいスピードですが、それ以前に、オフィスとして新たに作った部屋にはWi-Fiそのものが届きません。つまり、我が家のインターネット予報は「3 Mbps」ときどき「0 Mbps」です。

 

この「0」の方をなんとかするために「Tenda」というルーターを買いました。これも、先の人に設定してもらうことに。そして、何とか、オフィスにも届くようになりました。そちらの速度を計測してみると、平均で「1.5〜2 Mbps」です。

 

低レベルな戦いが繰り広げられていますね。

 

そして、ついに根本的な問題に向き合うことに。Wi-Fi「そのものの契約」です。

 

さあ、これで、太っちょ少年はキレキレのフォームで走ることができるようになるのか。乞うご期待です。

 

3. スターバックスで仕事をしてみた

 

Wi-Fi目当てでやってきたスターバックス
このスターバックスはいわゆるヴィラスタイルなので広々として雰囲気はいい(しかしWi-Fiが話にならず…)

 

ちなみにあまりにもWi-Fiが遅いので、工事の間に、スターバックスに出かけました。そこで仕事をしようと意気込んだものの、ここのWi-Fiもダメダメ。

 

二行だけ書いて帰宅

 

「Wi-Fi」ではなく「Dame-dame」に改名すべきレベルです。一度もつながらず、ただオフラインで、この文章を二行書きました。そして、帰宅。

 

今思えば、周りに仕事をしている「らしき」人もいましたが、おそらく、携帯電話からテザリングをしているか、そもそもオフラインで仕事をしているのでしょう。

 

Wi-Fiが遅すぎたことでコーヒーを買いに行った
しかたなく帰り道に薄々アメリカーノの写真を撮る(背後から絨毯をかぶった野外生活系の人がやってきたので焦り気味)

 

心なしか、アメリカーノのお味は、水みたいに薄々。

 

Wi-Fiダメダメ、コーヒー薄々です。

 

禁煙はありがたい 禁煙はありがたい

スターバックスは、禁煙であるという点だけでも崇拝に値する─そんな神々しいカフェではあります。しかし、今回のWi-Fiの一件で、一気に、信頼度は下がりました。

 

4. 光回線を設置してみた

 

Wi-Fiを設置してもらう現場
年季の入った工具箱

 

ついに、この時が来ました。光回線です。光ファイバーは、英語では「optic cable」、フランス語では「fibre optique」 です。これを Orange(オレンジ) という会社で契約します。

 

既にOrange配下にあったことが判明

 

なぜこの会社を選んだかというと、建物の設計から。うちの建物には、すでにOrangeの回線が通してあるとのこと。

 

それなら話は早い─ということで、これに決めました。選んだのは「200 GB」です。日本的には大したことないかもしれませんが、モロッコでは、羨望の眼差しレベルです。

 

ケーブル行方不明というハプニング

 

ということで、通信会社の人を呼びました。気弱そうな兄ちゃん二人です。申し訳なさそうに、ケーブルが見つからないと、訴えます。そう言われても困りますね。何ならその場で「一緒にひと泣きしようか?」と誘いたいくらいです。

 

多方面に確認してみることで、どうやら、リフォームの際に、ケーブルがメチャクチャになっていたことが判明。

 

とりあえず、兄ちゃんたちには帰ってもらいました。そして呼んだのが、電気工事の人。家の壁の奥の方からケーブルを引っ張り出す仕事です。

 

結構本格的な穴を開けることに(テレビ台を動かしたことでミニオンが出現)

 

穴を開けてケーブルを出してくれました。お疲れ様ということで300ディルハムを払います。なかなかの値段ですが、数時間の作業だったので、仕方ありません。

 

謎のケーブルを引っ張り出していた

 

次に、通信会社の二人が再来。ケーブルを見てもらうと、なんとOrangeのケーブルではないとのこと(え!)。完全にお門違いでした。

 

そして、今度は別の電気技師を呼びます。数時間の作業となりました。しかも、壁に何カ所か穴を開けることに。これにも300ディルハム払いました。

 

そして、またまた…Orangeの人を呼びます。

 

こうして少年は心を開いた こうして少年は心を開いた

もう、この頃には、家によくわからない人がいることに対する抵抗が無くなっていました。人はこうやって、他人に心を開いていくんでしょうね。「うちに引きこもりの息子がいるよ」って人は、モロッコのWi-Fi業者を手配するのが答えです。

 

ケーブルをつなぐ作業が終わると…ついに完了です。

 

Orangeの200GBプラン(の端末)はスパイダー感がすさまじい
Orangeの200GBプラン(の端末)はスパイダー感がすさまじい *よく見るともう茶色の汚れが付着していることがわかる

 

これで、やっとまともなWi-Fiが手に入りました。計測してみると、「170 Mbps」前後です。十分でしょう。合格点!これでようやく、まともに仕事ができます。

 

ちなみに、次の日に電話回線の「何か」を持ってくるという話ですが、当然来ませんでした。予想通りです。問題なし。

 

何かが届くという話 何かが届くという話
固定電話がもらえるという(嬉しいかわからない)特典付き
固定電話がもらえるという(嬉しいかわからない)特典付き

後日談として、「固定電話」がそれから4日後に届きました。忘れた頃に「何これ」となります。当然のように、使っていません。ただコンセントだけ差した状態で、数秒に一回「ピ」とかすかに音が聞こえます(哀愁)。

 

さいごに

 

モロッコのWi-Fiの遅さ、そして、設置の遅さは、これからモロッコに住みたいという人、モロッコでテレワークをする可能性がある人にとっては致命的です。

 

メールを送る、ウェブサイトで記事を読むくらいならできます。しかし、例えば、大きなPDF、PPTファイルの送信などとなると、一気に、動作が怪しくなります。動画の送信など、考えるだけで全身鳥肌です。ZOOMなどのミーティングとなると…もう、肌に限らず、完全に鳥になります。

 

何よりも「金さえ払えば、高速Wi-Fi使えるぜよ」の日本とは根本的なインフラが違います。思い立っても、なかなか結果が見えません。

 

もし、ある程度まともな回線が必要になるのであれば、早めに業者の手配をすることをおすすめします。もちろん手配をしようとも「何日の何時に来てね」ということはできませんので、あしからず。あとは忍耐ですね。

 

モロッコに移住して、新居で高速Wi-Fiを確保したい、という場合には主に以下の手順になると思います。

 

  1. 住んでいる場所に対応する通信会社を特定する(一軒家でない場合には、制約が多いので特に注意)
  2. ケーブルを壁から発掘してもらう(主に個人として、村や町で活躍している電気技師がいるので、その人にお願いする)
  3. 最後に通信会社の人にWi-Fiの端末を設置してもらう

 

ちなみに、私の今の家は、カサブランカのラシンというエリアにある賃貸です。オーナーに「壁に穴、開けていいですか?」と聞いたら、二つ返事で「オーケー」と言われました。これは、モロッコの良さですね。この手順だけ、死ぬほど高速でした。

 

結論:モロッコでは、すぐに壁に穴が開けられる。 クリックでつぶやく

 

これで「モロッコでは、賃貸であっても、すぐに壁に穴が開けられる」説が立証されました。

 

 

 

モロッコ関係の記事一覧は下に続きます…!

 

簡単にモロッコのホテルが見つかる地図を導入しました

こちらの地図はカサブランカでも旅行の見所が集中している、海沿いのハサン二世モスク周辺を中心にしています。スクロールして、カサブランカのその他の場所、そして、モロッコ全土のホテル(「Booking.com」や「Airbnb」など)をラクラク探すことができます。ズームアウトしてモロッコ全体を見るには地図右下の「ー」ボタンを押してください。

 

 

モロッコLINEスタンプ、できました
  

→モロッコ旅行者は、とりあえず、このスタンプをどうぞ


モロッコ旅行者必読の人気記事




【ポケットWiFiに超感謝】モロッコ旅行必須iPhoneアプリ7選
【危険】モロッコ一人旅で絶対してはいけない7の過ち【女性旅行者は特に】
【大公開】モロッコ旅行の服装で“恥をかかない”8の鉄則【服装のコツ】
【損したい人閲覧禁止】モロッコ旅行前徹底チェックリスト8

モロッコのニュース




モロッコのコラム




モロッコ旅行ガイド


 

 

 

【3 Mbps地獄】モロッコでWi-Fiの遅さに3回激怒した話(とアドバイス)