【地味に穴場】マルティル(Martil)観光前に知っておくべき6つのこと

 

マルティル観光の知っておくべきあれこれ

 

今回の記事は、モロッコ北部の小さな港町(またはビーチ町)であるマルティル(Martil)です。素敵なところですが、多分、日本人の間では全然知られていません。訪れる人も、少ないでしょう。だからこそ「マルティルって、どんなところなの?」という疑問にわかりやすくお答えしたいと思います。

 

1. 日本人の類いがほとんど来ない

 

マルティルの人々の生活を垣間見る散歩
マルティルの人々の生活を垣間見る散歩

 

まずは、日本人がいないことから。日本人が「マルティル目当てです」と言うことはまずないでしょう。「マルティルに寄ります」もかなり希。それくらいに、“レア”な観光地です。

 

勘違いして欲しくないのが、ちゃんと観光地であるということ。観光のおかげで存続している小さな町です。現在、コロナ禍で執筆しているということもありますが、周りにいるのはモロッコ人のみ。欧米系の観光客も、ほとんどゼロ。

 

もともと、ここマルティルは、モロッコ人が国内のどこからか、夏になるとわらわら集まるところなのです。そうです、夏がメインになります。夏には(コロナが無ければ)ものすごい数のモロッコ人が押し寄せます。

 

日本なら... 日本なら...

日本で言えば、例えば、夏に湘南や鎌倉が国内観光客でごった返す。そんな具合です。

 

「モロッコ旅行をするなら、日本人にできるだけ会わないプランで」という人は、大いに検討する価値アリです。※とは言え、モロッコのどこを旅行しても(シェフシャウエン、その他特定の日本人宿は例外として)日本人だらけになることはまずありませんので、ご安心ください。

 

2. とにかく海とビーチの町

 

親友の家からのマルティルの眺め
親友の家からのマルティルの眺め

 

マルティルは、海とビーチ「だけ」の町です。観光目的があるとすれば、本当にそれだけです。それ以外は、何もありません。ビーチメインで、そこに「町がくっついている」だけと表現するのが適切かもしれません。

 

とは言え、町の大きさは「ちゃんと町」と言えるだけのものはあり、地元住民の生活が、繰り広げられているわけです。海から離れるほどに、地元の人の生活エリアになっていきます。

 

海沿いの建物は、ほとんどが「別荘」や「貸アパート」です。完全に所有していて、夏にだけ来る。または、その場で借りて、休暇中だけ住む。そんな楽しみ方が一般的です。

 

ちなみに、ここを歩いていると鍵を持ってジャラジャラとやっている人に出くわします。ここでクイズです。この人たちは一体何をしているのでしょうか?ヒント:ただ、暇を持て余しているだけではありません。正解は…「お部屋、あります」です。つまり、鍵を使って「いい宿泊場所用意してまっせ」と言っているわけです。

 

そんな鍵ジャラジャラな人から家を借りてみるのも、いいかもしれません。

 

もちろん、ホテルもあります…が、詳しくは続きをご覧ください。

 

3. ホテルが少ない(貧弱)

 

マルティルの何気ない町並み
マルティルの何気ない町並み

 

「観光の町なのに、ホテル業界が貧弱」という不思議な状況です。なぜかというと、やはり、モロッコ人が別荘や貸アパートに住む/泊まるのが一般的になっているから。

 

観光地ということで「さぁ、星の数ほどあるホテルから、お目当てを探そうじゃないか」という意気込みだと、出鼻をくじかれることになります。実質、数種類しかありません。

 

私が泊まったのは、Hotel Suite Martilというホテルです。

 

 

海からほど近く(目の前ではありません)、十分に観光の中心地にあります。お値段は、個人的には「高い」です。これは、オンラインミーティングがあるため、それなりの部屋でそれなりのインターネットを確保しなければならず…そんな背景で選びました。

 

とても長期滞在はできない値段です。しかし、レセプションの方々が非常に優しく「Wi-Fiが強い部屋じゃ無いと、ぜったいダメなの〜」とだだをこねる私を、優しく包み込むようにして…まあ、つまりは、一番、信号受信のあんばいが良い部屋をあてがってくれました。

 

肝心のWi-Fiですが、なかなか優秀です。モロッコのWi-Fiが“ヘチマ”みたいなものであることは別の記事をご覧いただくとして、それを考慮すれば、少なくても“モロヘイヤ”レベルであることは間違いないでしょう。…つまりは、モロッコの中では十分高速。YouTubeやNetflixでも、問題なくサクサク見られます。

 

4. 海がおだやか

 

海、そして、豆類を売る人
海、そして、豆類を売る人

 

海がおだやかなのも、ここマルティルの特徴です。私の大親友(モロッコ人)の実家がここにあるのですが、彼曰く「風の少ない日は、それこそ、プールのように波が無くてなめらか」とのこと。実際に、私もこれを感じます。非常に、プリンプリン。いや、さわったら、そんな感触がありそうなほどの水面、ということです。

 

おだやかさは、人々によっても演出されているかもしれません。見渡すと、家族連れの多さに気付きます。和気あいあいとやってる家族がたくさん。これが、つるつるの海と相まって、絶妙なリラクゼーション効果を生み出しています。

 

波が無い。ということは、サーフィンができない。サーフィンをやるイケイケな輩がいない。こう考えることもできるかもれません。イケイケな…というと大変、偏見に満ちあふれていますが、自分もサーフィンをやる輩の一味(まだ始めたばかりですが)なので、そう同輩をそう呼ぶことをお許しください。

 

5. 洋服が安い(らしい)

 

洋服のセールが至るところで催されている
洋服のセールが至るところで催されている

 

マルティルは洋服が安い町…というのが、私を取り巻く女性陣のコメントです。「安い」か「高い」かという話は、非常に主観的なものなので断定できませんが、こうしましょう。カサブランカより安い。

 

カサブランカからこちらにやってくると、まず大セールの洋服を物色するのが、彼女らの日課になっています。私も、それに動向しました。実際、かなり安いと思います。服、靴の類いが、山住み出血大サービスです。

 

安い洋服がお目当てであれば、是非とも、海沿いの通りからひとつだけ中に入ってみることをおすすめします。通りには、激安ショップが軒を連ねます。見つけるのに苦労することはないでしょう。

 

なぜ「安いのか」という話ですが、答えは簡単です。基本的に、このあたり(北部)の洋服は、スペインから安く持ち込まれています。日本人の感覚では「スペイン」と聞くと「高いイメージ」があるかもしれません。しかしながら、少なくともこの文脈では、スペインからの物資は激安です。

 

ダークな話 ダークな話

ちょっとダークというかグレーというか、もう真っ黒な話になるのですが、チャリティーで寄付されたとおぼしきTシャツや帽子がそこら中で売られていたりします。仕入れ値はタダ同然でしょう。当然、大安売りできます。

 

なぜ「チャリティー」由来だと予想するのかというと、名前が書いてあったりするからです。もちろん全てではありませんが、何度も見かけました。切ない気持ちになったりもしますが、それを敢えて買うこともあります。

 

北部でこのような「ダークスペイン」製の商品が出回るのは、ある意味で常識です。住んでいる人なら、当たり前のように「そんなこともあるよね」くらいに周知の事実。そんなものだと、私は考えています。

 

6. タンジェからのアクセスが便利

 

マルティルの終点(ガソリンスタンドの前)で降りた時の様子(夜の22:00頃に到着)
マルティルの終点(ガソリンスタンドの前)で降りた時の様子(夜の22:00頃に到着)

 

ここで、より旅人的な情報です。ここまでの話で「行ってみるか」と思った方に向けて、お伝えします。タンジェからのアクセスが便利です。私の場合は、タンジェからバスで移動しました。乗り換えはありません。

 

モロッコにはある程度のバスの種類というか分類みたいなものがあるのですが、今回使ったのは、Spratourという会社です。紛らわしい話ですが、基本的には国営の電車に付随する、おまけのようなバスサービスです。

 

モロッコは電車の路線網が貧弱な国です。本来であれば、あらゆる地域を電車で移動できれば便利なのですが、そうもいきません。そこで、電車で網羅できていないところは、Spratourがいいかんじに補っています。そんなわけで、ある意味で電車とバス(Spratour)を一つのまとまったサービスとして捉えることが重要です。

 

電車のチケットを買ったつもりが、電車+バス(Spratour)になっていることがあります。そんな状況も、上の話で説明がつきます。そんなSpratour(電車を補う位置づけのバス)を使って、タンジェからマルティルまで直行便で移動できます。途中でテトゥアン(Tetouan)という町にも止まりますが、降りることなく、終点のマルティルまで行きます。

 

続いては、もう少し広い視野でアクセスについてご説明します。カサブランカから移動する場合です。カサブランカ(カザ・ヴォヤジャー駅)からタンジェまではモロッコ版新幹線があります。正直、モロッコとは思えないくらいに快適で、超オススメです。タンジェの駅についたら、駅舎に向かって歩き、すぐ左側にある柵から外に出ます。すると、すぐ目の前にバスがあります。

 

このバスに乗り込むと、知らぬ間にテトゥアン、そして、マルティルに着いているという具合です。

 

さいごに

 

マルティルは、とってもおだやかで、心安らぐ町です。個人的に、長期滞在してもいいなと思うくらい、気に入っています。人がいいです。とにかく、人が優しい。色んな店に足を運びましたが、どこでも、とっても親切に対応してもらいました。カサブランカに比べると(もちろん)フランス語が通じないことが多めです。

 

スペインに近い町では、このようにスペイン語がフランス語よりもメイン(正確には、当然、ダリジャの次)になっていることがあります。具体的に、マルティルにおいて、スペイン語とフランス語のどちらが主流なのかはわかりませんが、フランス語で話しかけたあとに、「あぁ、この人はスペイン語派か」となる場面は、普通にあります。

 

 

 

モロッコ関係の記事一覧は下に続きます…!

 

簡単にモロッコのホテルが見つかる地図を導入しました

こちらの地図はカサブランカでも旅行の見所が集中している、海沿いのハサン二世モスク周辺を中心にしています。スクロールして、カサブランカのその他の場所、そして、モロッコ全土のホテル(「Booking.com」や「Airbnb」など)をラクラク探すことができます。ズームアウトしてモロッコ全体を見るには地図右下の「ー」ボタンを押してください。

 

 

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