【損をしないために】モロッコでCTMバスを使う前に知っておくべき6の注意点

モロッコ旅行にCTMは欠かせません。

電車（ONCF）と並び、バス（旅人の大多数が使うのがCTM）はモロッコを旅するための「大事な足」です。ただし、日本のバスと比べると、色々と違う部分があり、戸惑うこともあるはず。

そこで今回は、モロッコのCTMバスを利用する前に知っておきたい大事なポイントをまとめてご紹介します。今まで幾度となくCTMバスを利用してきましたが、いまだに「そうか、これも伝えといた方がいいかも！」と思うことがあります。

1. CTMは「安全」なバス会社

Image: markoub

まずは、ここからはじめましょう。CTMはモロッコにある数あるバス会社の一つです。そうです、モロッコには他にもバス会社があります。ただし、「じゃあ、他のバス会社を使ってもいいのね」とは、どうか思わないでください。

なぜなら、安全じゃないから。簡単な話です。CTMは…モロッコのバス業界の「シャネル」のようなもの。そして、それ以外の様々なローカルバス会社は…家庭科で作ったグダグダのポーチ。酷い言い方かもしれませんが、それくらいに違います。

死にたくないなら…

そして、安易な気持ちでローカルなバス会社を利用して欲しくないから、わざと、これくらいの言い方をしています。私も、「たま〜に」（アフリカ各地を陸路で旅し、野宿も経験し、耐性はある方です）ローカルバス会社を利用しようとしますが、そんな時には妻（モロッコ人）に、「死にたいのか！」と怒られます。

まずは、バス会社としてCTMを選んだあなたの判断が完璧であることを、おしらせします。おめでとうございます。バスを利用するなら、CTMにしましょう。安全が第一です。

2. CTMのバスターミナルは孤立している？

これは、モロッコ旅行で路頭に迷わないために大事な話です。CTMバスに乗るためには、CTMバスターミナルへ向かいます。さて、どうやって、アクセスすべきでしょうか？

モロッコではタクシーが普及しています。日本でのそれのような「お高い選択肢」ではなく、誰もが、気兼ねなく使っています。日本人がモロッコ旅行をする際にも、是非とも活用したいところ。

では、タクシー運転手に英語で「バスステーション」または「バスターミナル」と伝えたとします。（そもそも英語があまり通じない国ですが、仮に通じたとします）すると、“CTMではない”バスターミナルへ連れていかれる可能性があります。

なぜなら、町によっては、CTM用のバスターミナルと、それ以外のローカルなバス会社のバスターミナルが、別になっているからです。気をつけましょう。必ず、タクシーの運転手には、CTMと伝えてください。ちなみに、「シーティーエム」ではありません。正解はフランス語で「セーテーエム」です。

3. CTMバスは観光客に大人気

CTMは、モロッコの中では、一番の安全性を誇るバス会社です（もちろん、日本の安全性を期待してはいけませんが…）。当然、観光客が、殺到します。

夏などのハイシーズン、特定の都市（マラケシュ、カサブランカ、フェスなど）、特定のイベントや休日がある時には、すぐに座席がいっぱいになるものです。

ですので、確実に旅行をしたい人は、前もってCTMバスターミナルを訪れて、チケットデスクでチケットを購入しておきましょう。とにかくこれを意識してください。早めに購入することです。

滑り込みセーフの思い出

具体例を挙げますと、エッサウィラからカサブランカ行きのCTMバスのチケットを購入しようとした時のことです。出発時間の1時間前にバスターミナルに到着し、聞いてみたところ、残りの座席数はたったの4でした（私、妻、日本から呼び寄せて観光しにきた父と母でぴったりという奇跡）。

ここで一つだけ、高度なコツをご紹介します。基本的には最寄りの（どの町でも構いません）CTMバスターミナルを訪れて、その場でチケットを前もって買うのが理想です。がしかし、ちょっとした裏技もあります。それは、旅行代理店を利用することです。

こんなCTMチケットの技もあります

例えば、今、あなたがエッサウィラにいるとします。エッサウィラの旧市街にいるとして、CTMバスターミナルは旧市街の外側（城壁の外）にあります。そこまで歩くとなると、場合によってはかなりの時間がかかります。そこで、もし近くに旅行代理店があれば、そこに飛び込んで「CTMバスのチケットは買えませんか！？」と聞きましょう。

普通、旅行代理店でもCTMバスのチケットを手配してくれます。そこでチケットを購入できれば、時間を大きく節約できます。わざわざCTMバスターミナルとの往復をする必要がなくなるので、うまく使いこなせば、非常に便利！

4. CTMバスにたくさん荷物を持ち込めない

CTMバスには大量の荷物を持って乗り込むことはできません。まずは日本でのことを考えてみましょう。車内に大きなバックパックを持ち込むと、ちょっと白い目で見られますね。乗客の頭をドンとやらないように、注意しながら通路を進まなければなりません。

話をモロッコに戻しますと、CTMバスでは、大量の荷物が迷惑になるかどうか以前に、止められます。バスに乗り込もうとする時に「それは、下のスペースに預けなさい」と言われるのです。

これの何が問題かと言うと…カメラなどです。例えば、大きな荷物にカメラやパソコンなどを入れていて、それを下のスペースに預け入れてしまうと、破損の危険があります。YOSO-Walkの記事では繰り返し、なんどもなんども言っていることですが、モロッコのバスの運転は非常に荒いことで有名です。

大事な機器は常に手元に

そう、もし不意に（気づかず）大事な電子機器を下のスペースに預け入れてしまうと…壊れてしまっても文句は言えません。私は必ず、毎回、大事なものは肌身離さないようにしています。もちろん、壊れやすいものだけでなく、貴重品も絶対に肌身離さないようにしましょう。

盗まれる可能性が…とは言いませんが（盗難の被害に遭っても、心のどこかで、モロッコ人を信じています…）それでも、下の収納スペースに荷物を入れると、誰が取ってしまってもわかりません。町Aから町Bまでのバスであっても、その間にある町Cで停車して、そこで、降りる人もいたりするものです。その人たちが、ヒョイっとあなたの荷物を「間違って選んでしまっても」気づきません。

5. CTMバスでも…運転に難あり

CTMバスは安全。そんな話をしたばかりですが、完全に安心してはいけません。モロッコの中では安全なバス会社ですが、日本とは比べ物になりません。

私自身の経験を一つご紹介しましょう。カサブランカに帰るためにCTMバスに乗っていたところ、こんなことが。時間に遅れがあったからか何なのか、急に、バスの傾きが木になるように。そうです、カーブでも全くスピードを落とさないことで、バスの上部が右に左に傾いていました。

そこで、乗客の一人であるマダム（モロッコ人）が「運転手さん、何やってるの！危ないからスピードを落としなさい！」と叫びます。すかさず、他の乗客も加勢。運転手はそれを無視して、30分ほど猛スピードで走り続けました。次の町で他の運転手と交代になって一安心です。

暴走運転手はゼロではない

このように、一番安全だとされるCTMでも危険な運転が無いとは限りません。バスが他の乗用車を次々と追い越しながら、車線を変えて進み…恐怖以外の何物でもありませんでした。前の席のヘッドレストにつかまりたくなるくらいの超暴走状態です。これに対してどうこうできることではありませんが、常に、警戒心は無くさないようにしましょう。

また、先ほどのマダムのように「スピードを落としなさい！」と率先して叫べる一人になれれば最高ですね。